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DQⅤ 世界を救う少女

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第一部・トラブルを解決する幼女
  薬師さんと懐かしいおうちとお父様のお説教

次の階に上がると、そこには大きな岩が落っこちていました。

「あんなのにつぶされたら、絶対死んじゃいますよね。」
「そーだなー。どけられないもんな。」

そんな会話をしながら通り過ぎようとすると。
なんと、その岩から声が!

「グガアアアアアアー。ゴオオオオオオオオオオーッ。」

「キャアアアアアアアアアァァァアア!」
「落ち着けリーア!お前はどうしてそうおどろき方が派手なんだ!」
「キャ…ア…ア…ふう。落ち着きました。」
「そして落ち着くのも早いんだな、これが。で、誰だろ。」
「さあ…魔物じゃないですか?」
「うへえ、こっええ魔物だなー。じゃあ、薬師のじーちゃん探しに行こーか。」
「そうですね。」
「ゲエエエー…はっ!誰かワシを呼んだか!?」
「うわお!」

そしたら、その岩の魔物(?)が、話しかけてきました。

「おお、おぬしらか、ワシを呼んだのは。で、どの薬がほしい。」
「え、いや、その、別に。…え、薬師のじーちゃん!?」
「え、薬師さんって魔物なんですか!?」
「は?魔物とは、どーいうことじゃ。よいしょっ…い、いてててててっ!」
「どうしたじーちゃん、足くじいたか。」
「魔物じゃないんですかー。それで、どうしました?」

どうやら、薬師さんは魔物ではなかったようです。ほっ。

「いてて…ところで、ここはどこじゃ?」
「洞窟。あれだよ、母さんの薬作るために、薬草とって来てくれようとしたんだろ。」
「ああ、そうそう。それで薬草を取ろうとしたら穴に落っこちて、落ちてきた岩に潰されたんだ。そうか、君はビアン君か。」
「そーそー。」
「大変ですねー。」
「本当だよ。…ん?ビアン君、この彼女は誰だ?」
「な、彼女じゃねえよ!大体、結婚すんのは16からだろ。こいつはリーア。俺の友達。」
「リーアです。ビアンお兄さんとあなたを探しに来ました。」
「そうかそうか。偉い子だなー。よし、ご褒美をやろう。」

そう言って薬師さんが取り出したのは。

「…ケープ?」
「そうだ。俺の娘が着てたやつなんだぞー。」
「へえ。ありがとうございます。」
「いいなー。俺にはくれないのかー。」
「よし、お前にはかわいい彼女を頑張って守ったで賞で、この茨の鞭を授けよーう。」
「彼女じゃねえっつってんだろ!まあいいか、で、鞭?俺、使い方しらね。」
「そんなこと自分で調べるがいい。」
「ええー。じゃ、それは置いといて。」
「置いとくんですか。」
「置いとく。じゃ、帰ろうか。」
「そうですね。」

そして、私達は長く滞在した洞窟に別れを告げ、懐かしいサンタローズに帰っていったのでした。


「うわあ、空気が新鮮です。」
「なんか全てが素晴らしく感じる。」
「ビアンお兄さん、一回死にかけましたもんね。」
「ああ、あれは怖かったなー。でも、小さいころの夢見てたからそれはそれで幸せだった。」
「どんな夢でした?」
「父さんと母さんと、アルカパ近くの花畑にピクニックに行った夢。」
「花畑は死にかけてるときの夢を語るときのワードで1,2番目には多いんですよ。」
「大変だったんだな。助けに来てくれてありがとうなー。」

洞窟を出て、私達は懐かしいサンタローズの風景を眺めながらそんなことを話していました。
すごく幸せな気分です。ただ、ひとつだけ。
ひとつだけ、気分が重くなることがあるんです。
それは、なにかというと。

「…父さんに。…怒られるだろうなあー…。」
「でしょうねえ…。やだなあ、拳骨が。」
「俺もやだなあ。多分昼飯抜きだぜ。」
「そうですかあ…。」

そう、それは。
お父様の、お説教。
私、怒られるときは、絶対拳骨がついてくるんですよね。
やだなあ…。

「なんでそんな危ないことをしたんだ!」

お説教は、予想通りのセリフで始まりました。

「ごめんなさい。」
「お前にもしものことがあったら、わたしはお前の母さんに顔向けできん!」
「はい。」
「もう、こんなことはしてはいけないぞ!」
「分かりました。」
「さあ、お仕置きだ。リーア、来なさい。」

…来た。
えー、もしものことがあったらお母様に顔向けできないんじゃなかったんですか…。
そう言いたい所ですが、拳骨が2,3発追加されそうなのでやめておきます。

「よーし、行くぞ。」

怖い。いちいち予告しないでほしいです。
さあ、ギュッと目を瞑って…。
パアン!!

「くっ…。」
「おお、痛くないのか、成長したな、リーア。」

痛いですよ!
心底痛いですよ!!
死にそうなほど痛いですよ!!!
…ふう。とにかく、これで。
最低最悪の、お父様のお説教は、終わりました。 
 

 
後書き
ちなみに、薬師さんの娘さんはフィーナといいます。
18歳で結婚して、どこか大きな町に行きました。
はい、心底どうでもいい! 
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