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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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プールって泳ぐ以外にもやることあるんだね

 
前書き
ユウジの女版

ユウ

魔力 S

魔力光 水色

容姿 マクロス30のミーナ・フォルテを黒髪、黒目にした感じ。
さらに言うと幼くした感じ。

こんなくらいですかね

性格については時間が経つに連れてわかります。
 

 
side蒼也

引き続き僕のターンだね。

取り敢えずユウジが押し掛けたプレシアさんに捕まり
その時の悲鳴を聞き付けて外で待機していた僕を除く
来訪者達が家に突入。

そして今はマザーズに揉みくちゃにされている。

「蒼也君?この子誰なの!?」

「え、えーっと……」

血走った目で僕を見ないで桃子さん…
しかもユウジです~何て言えるわけがない…

「あぁ、アリシアとフェイトみたいに可愛いわ!
ねぇ!家の子にならない!?」

「まずその鼻血を止めてください」

プレシアさんは鼻血をドパドパ流しながらユウジを撫でるのをやめない。

「あらあら、クロノのお嫁さんにどうかしら?
将来有望よ?」

「なっ!?母さん!」

「はっはっはっ!それはいい!」

クロノ、正体知ったら死ぬぞ?止めときなよ…

「そ、蒼也ん……もしかしてその子………か、彼女だったりするん?」

「………………はやてさん…どうしてそう言った答えに至ったのか
是非ともご教授願いたいのですが?」

「ち、違います!蒼也が彼氏なんて有り得ないです!」

「な!そうなんか!?」

「そ、そうです!それに私には好きな人がちゃんといるんですから!」

分かっているとは言え直接言われると来るものがあるね…
て言うかユウジ好きな人いたんだ 。

ところではやては何で嬉しそうな顔になってるの?
僕がフラレた現場目撃して面白かったとか?
泣いても良いのかな?

ユウジは既に口調を戻すことを辞めているようで
先程から違和感の無さすぎる女口調で喋っている。

「ところで…お名前は?」

!? ヤバい!ユウジ!何とか「ユウです」……え?

「赤志 ユウ……赤志 ユウジの妹です」

ぶ、無難な所だけど色々不安があるよ…

その後はそれぞれ自己紹介をしていったがヴォルケンズは
何か考えるそぶりをしていた。

因みに転生者の一人である有栖 麗花は用事があるとのことで断ったそうだ。

銀髪君は言わずもがな、である。








「さて、時間が少し過ぎちゃったけど、プールどうする?」

美幸さんが話を切り出した。

「それならユウちゃんも行こうよ!」

「ふぇ!?あ、あの……」

何かユウジの演技が迫真に迫ってる気がする。

しかしここでフォローを出しとかないと後々大変なことに成りかねない!

と言うことで僕はフォローを出すことにした。

「実はユウ…は泳げないん「嘘だよね?」……
人混みが苦手「手を繋げば大丈夫だよね?」……
水着を持ってな「向こうで借りられるよ?」…
(う、打つ手がない……いや、まだだ!

銀髪変態ナルシストが来たらどうするのさ!」

「……その時はブッコ rん"ん"っ!何とかして守るよ」

この子今ぶっ殺すっていいかけたよ!?
末期!犯罪未遂に陥るんじゃないの!?
怖いよ士郎さん!あんたの子でしょ!
何とかして下さいよぉ!
「無理だね……ははっ」

即答されました………。

「ユウちゃん、ダメかな……?」

て言うか元々本人に聞けば良かったんじゃないの?
僕のフォローが早速無駄になった気分だね…

「えっと…行きます」

しかも了承してるし…

「「「「「やったーー!」」」」」

うっわー…大人組数名が一緒になって喜んでるよ…
ユウジが引いてるし…
かなり壮絶な一日になるんだろうな…鬱だ…









「やって来ました!鳴海グランドプール!」

「「「「「わーー!」」」」」

青い空、白い雲、はしゃぐなのはちゃん達、ビクビクしてるユウジもといユウ、
鬱状態な僕。

「広いところだねぇ」

美幸さんが回りを見渡しながら行った。

確かに広い。
遊具がある浅いプール、流れるプール、競技用のプール等沢山ある。

「おにいちゃーん!」

「なのは、来てたのか…プールサイドは走らないようにな」

恭也さんが監視員……もしかしてサントラの番外編が今日になってるのか?
でもジュエルシードは封印されたし、サントラでいなかった人までいるし…
ただの日常として送られてるのかな?

「そ、蒼也ん……どこか変なとこ……ない?」

僕ははやてに声を掛けられ、振り向いてみると水色チェックのフリフリした水着を来ている
はやてがモジモジしながら返事を待っていた。

「あ、うん、大丈夫だよ?似合ってるし」

「ホンマか!?あ……ありがと」

あれ?もしかしなくてもプラグ立った?

「お待たせ~」

「さあフェイト!アリシア!泳ぎましょっ!」

遅れて桃子さんとプレシアさんがきた。

「あれ?ユウちゃんは?」

「あはは……あそこ」

すずかが苦笑いをしながら指を指すと入り口の角から顔を除かせるユウの
姿があった。

(((((((何この可愛い生き物……))))))))

(……もしかしてこの状態が続くとその性別に性格が左右されちゃうんじゃ…)

ユウは既にここに来るまで女の子として恥ずかしく無いくらいの素振りを見せ、
まるでそれが当たり前かのように振る舞っていた。
な何か小心になってるけど…

「あ、あの……」

「奇遇だな!俺の嫁達!」

ユウが何かを言おうとした時、居るのが当たり前かのように現れた銀髪君。

「ひっ!?」

ユウは銀髪君の笑顔を見た途端に小さい悲鳴を出した。

「ユウ!大丈夫!?ちょっと!近寄らないでくれる!
ユウが怖がってるじゃない!」

アリサが駆け寄ってユウを庇うようにたった。

「おいおいアリサ、ツンデレか?照れ屋だな。
そちらの娘は…ミーナ・フォルテじゃないか。
俺は加味蛾 銀、よろしくな(ニコ」

笑顔が汚い…それにーーー

「ひぅぅぅ(涙」

聞こえてないみたいだね。

それにしてもミーナ・フォルテか……確かに似てると言えば似てるのかも。
でもこんな性格じゃないし、髪の色とか全く違うし…

「近づくなって言ってんでしょ!」

「そうなの!どこか行って!」

「ユウちゃん、大丈夫?」

なのはちゃんとすずかちゃんも助けに入るが…

「何だ、嫉妬か?大丈夫、お前たちも平等に可愛がってやるからさっ(ニコ」

「「「結構です!」」」

余り意味をなさないようだ。

「あー、そこら辺で止めときなよ…周りの人に迷惑だし」

「あぁ?テメェモブ!何でなのは達に近づいてやがる!
なのは達が嫌がってんだろうが!」

「……火に油、だったね…」

「ゴラァ!テメェ俺と勝負しやがれ!
俺が勝ったら2度となのは達に近寄んじゃねぇ!」

またこのパターンか…

「じゃあ僕が勝ったら?」

「はっ!テメェが俺に勝てるわけがねぇんだよ!
種目は…丁度プールだからな!50m一本勝負だ!」

話を聞かない上に不公平じゃないかな?

「はぁ……わかっ「私がやる」…はい?」

了承しようとしたらユウが自分がやると言い出した。
怖くないの?さっきまでメチャクチャ怖がってたのに…

「おいおい、いいのかい?
俺は勝負となったら手加減できない男だぜ?」

いや、格好つけても気持ち悪いだけだから…

「も、問題ないです…
私が勝ったら……死んでください」





時が止まった気がした………





「ユウ…死ぬのは…不味いんじゃないかな?」

何かユウがランランと輝いて見える。

「じゃああの高いビルから飛び降りてください」

じゃあの意味がわからない!変わってないから!それも死んじゃうからぁ!

「ははっ…流石に自殺はしたくないなぁ…」

お前、腰が引けてるぞ?

「……ならプール会場から出ていってください」

それなら……良いのかな?

「はははっ!良いだろう。
なら俺が勝ったら……君をもらう(キリッ」

急に元気になった銀髪君。

しかし、その決め顔は……

「「「「「オロロロロロロロロロロ……」」」」」

うん、逆効果だ。











sideユウ

「じゃあ位置について」

恭也が審判を勤めることになって私と銀髪がスタート地点に着く。

「………ユウ?何で最初から水に入ってるの?」

不意に恭也が訪ねてきた。

そう、私は高台出はなく小学生とかが授業でやるような
スタート体勢なのだ。

「……?ダメなの?」

蒼也は何を言っているんだろう…当たり前じゃないか。

恭也は腑に落ちない様子でありながらも渋々監視塔にすわった。



「じゃあ始めるよ?位置について…よーい、ドン!」

「はっはぁ!」「すぅ……(トプンッ」

銀髪は何か気持ち悪い奇声を上げながら飛び込み
私は静かに水中に潜り壁を蹴った。






side銀

「はっはぁ!」

俺は美しいフォーム(数人が吐いていた)で水中に飛び込みクロールを始めた。

飛び込む瞬間に見たユウと言う幼女は息を吸って潜っていた。
て言うかあの幼女はミーナじゃなかったみたいだ。
俺はイレギュラーだと確信した!

だが俺は最強のオリ主!
どんなイレギュラーも女であれば手中に納めて見せるぜ!

しかし、あんな小学生のスタートとは…
ふっふっふっ!これは勝ったも同然だ!
くくくっ…勝ったらあんなことやこんなことを…
想像するだけで燃えてくるぜぇ!

「ダッシャア!」

"パンッ"と壁にタッチして、なのは達に最高のスマイルを送ったら……


「凄いのユウちゃん!お魚さんみたいだった!」

「いや……そんな///」

「大会に出たら優勝できるよ!自信もって!」

「あう…///」

何故か俺より遅かった筈の勝負相手だったユウって娘がなのは達に大絶賛されていた。

「あ、出てきたわね…」

アリサの声に全員が振り向き、見るとポカンと間抜け面していた俺に気がついた。

「とりあえずユウの勝ちだからさ……」

「帰りなさいよ」

「約束だもんね」

「まてまて!どういうことだ!?
何で俺より早くその子がゴールしてるんだ!
明らかに俺の方が早かったはずだ!」

と言ったら何故か皆揃って何言ってんの?みたいな顔された…
成る程、読めたぞ?
俺を一人の女に独占されたくないが故にこんな策を…?

いや、近くにあのモブがいやがる!
恐らくアイツが入れ知恵をしやがったんだな!?
何て卑怯なやつなんだ!







side蒼也

「ユウはちゃんと泳いだし確実に君より早かったよ」

何か僕を睨むように見てくる銀髪君に事実を言ってやった。

「そんなはずはねぇ!
お前らズルしたのを隠してるんだろ!
やっぱりお前の入れ知恵だな!俺に取られたくないからって
卑怯なことしやがってモブが!」

なんか僕のせいにされたし……
自意識過剰にも程って物があると思うんだけどなぁ。

「こんな勝負無効だ!もう一度勝負しやがれ!」

まさかの再戦宣告!?どれだけプライドないの!?

「何なのコイツ…」

「あり得ないの…」

なのはちゃん達は額に手を当てて相当参ってるようだ。

「次は君が決めてもいいんだぜ?ハンデだ。」

決めることに対してはハンデとは言わない。
ハンデの意味を調べてこい。
あと勝手に決めるな。

「………じゃああれ」

受けるの!?

ユウはキョロキョロと辺りを見回したかと思うと
広場みたいなところにポツンと設置されたステージを指差した。

「ふっ 良いのかい?
自慢じゃないが俺、歌は得意なんだぜ?」

そう、歌だ。
サントラでアリサちゃんが言い出しっぺで歌うことになる
一般から歌いたいと言う人に参加を求めるステージ。

ただ今はステージ前を通る人やその付近にいる人は少なく、
その中に歌いに行く人は勇者と言っても良いような状態だ。
僕なら恥ずかしくて出来ない。

「ん……問題ない」

「ちょっ、大丈夫なの?
アイツ歌が得意って言ってるわよ!?」

「そうだよ!今からでも遅くないから変えとこうよ!」

アリサとアリシアがユウに種目変更を呼び掛ける。

「……一つ言うと、得意であるのと上手いのは別物…だよ?」

ああ、確かにね。

「え?どういうことなの?」

「……見てればわかる」

二人は理解が出来てないよ。

でもやっぱりユウはビクビクしなくなった。
多分勝負にモチベーションが上がってるんだと推測。

『…蒼也』

っと、ユウから念話だ。なんだろ?

『何?ユウ』

『…何歌えばいいと思う?』

『あぁ、そう言うことか……』

『リクエスト募集…早くね』

心なしかユウがイキイキしてるように見えるんだけど…
見えると言えばユウはミーナ・フォルテに似てるんだよな…?
なら…

『プラネット・クレイドルってしってる?』

『……知ってるよ。それでいい?』

あ、知ってたんだ。

『うん、頑張ってね』

『ん、問題ない…アイツの歌の披露は序盤で終わるから』

『……なんだって?』

『見てれば分かるよ』

………どういうこと?





ーステージ裏ー

「じゃ、この曲とこの曲でいいんだね?
どっちが最初に歌う?」

ステージ裏にある受付でスタッフさんが手続きをしてくれている。

冗談で言ったプラネット・クレイドルも楽曲に含まれているし…
どうなってるんだろ…

「わ、私から…」

ユウは控えめに手をあげてスタッフを見た。

「お、じゃあ頑張ってね!」

「は、はい!」

タタタッとステージに上がっていったユウを見送り、
なのはちゃん達を見てみたら物凄い不安な顔をしていた。



数分して曲が流れ出した。

「あ、始まっ………あれ?」

「どうしたの?」

「いや、何でもないよ」

ユウを見てみたらユウの回りに明るい緑色の粒子が少数ながら漂っていた。
なのはちゃん達には見えてみないみたいだけど……なんだろあれ?
魔力じゃ無いみたいだし…



~~~~~~♪

ステージ付近にいる一般客は4、5人いるくらいだ。
前奏に気がついて数人の人の視線が集まった。

そして前奏が終わり、ユウが歌い出す。

『ー ずっと聴こえてたよ

ー ずっと探してたよ』

よく響く声だなぁ…凄く綺麗だ。

歩いていた人はその足を止めてステージを見始める。
大人から子供まで段々とステージに寄っていき、
サビに入る前にはステージを囲む人達で溢れかえった。

『遥か先へ

煌めく日を携えて

護りたいんだ 君にも舞い降りた音

何時かきっと 空の色を塗り替える

夢見て 明日の 僕らは 誰かに歌う~♪』

サビが終わる頃には結構な人達が集まっている。

まるでユウの歌が人を誘ったかのように
客達のテンションは次第に高くなっていった。







「ありがとうございました///」

客に向かい一礼してステージを降りてきたユウは
迎えたなのはちゃん達にまた賞賛されていた。

「ふっ…次は俺の番だな」

空気が読めない銀髪君は堂々とステージに上がっていった。

そう言えば序盤で終わるってユウは言ってたけどどういうことなんだろ?








『帰れ下手くそ!』

『さっきの娘を出せ!』

『音痴はお呼びじゃないんだよ!』

『ママーさっきの歌聞きたい』

「………なるほど…そう言うことか」

銀髪君が歌い始めて5秒も経たない内にブーイング発生。
銀髪君のあまりの音痴ぶりに観客が大激怒し
物を投げられたりして銀髪君は終われるように退散してしまった。
なにしろ歌いはじめから音を外しまくり、他の皆は耳を塞いでたくらいだった。

なのはちゃん達は銀髪君が居なくなったことでハイタッチをしながら喜んでいた。

そのあとはお昼までちょっとしたカラオケ大会みたいになり、ユウが物凄い声援を受けていた。

因みに銀髪君の選曲はfly awayで「俺の歌を聞けぇ!」と言った瞬間
なのはちゃん達がドン引きしていたのは言うまでもない。












「いやー、遊んだ遊んだ~♪」

「うん!すっごく楽しかったよね」

あれから更に時間がたち、客も徐々に帰り始める頃。

「ユウちゃんはどうだった?」

「あ、はい 楽しかったです」

「もー、敬語はやめなさいよね」

「でも、これが…その、デフォルトといいますか……」

「はぁ…難儀な物ね」

「あぁ、最終的に荷物確認しとくんだぞ?
最近は金銭の盗難が相次いで発生してるからな」

「「「「はーい」」」」

?あれ?金銭?確かサントラは下着だかが盗まれるんじゃなかったっけ?
今一良く覚えてないなぁ…
それにしてもユウが歌ってるときに出てた粒子ってなんなんだろ…
て言うかそもそもユウはどうやったらユウジに戻れるんだ?
確かアリシアちゃんに抱きつかれて……うーん。
原因がわかれば良いんだけどなぁ…

「ふ、ふぇぇ……(涙」

「………………………え?」

ちょっと考え事してたらユウがむさいオッサンに捕まって
首を腕で固定して顔にナイフを突きつけられていた…
いや、僕も一瞬のことだったからなにが起こったか分からない。
クロックアップとかキングクリムゾンとかそんなちゃちな技じゃない。
もっと恐ろしい片鱗を味わったよ………!

「何て、ネタやってる場合じゃなかった。
何でユウが捕まってるの?」

「あー、さっき金銭泥棒の話をしただろう?
あの男がそうらしい。
現場を見てたユウと目があってあの状態なんだ…」

え?何そのフラグ…超怖い

「あわわ……ぐぅ!?」

「ユウちゃん!?大丈夫!?」

急に苦しみ出したユウは体の力が抜けて地面に踞り、
酷く辛そうにしている。

「おらガキィ!しっかり立てやゴラァ!」

男はユウの髪を掴んで無理やり起こそうとする。

「やめて!ユウちゃんが可愛そうだよ!」

「うるせぇ!お前らが俺を逃がせばすぐ終わるんだよ!」

『そ、蒼也…』

『!ユウジ!?』

『ヤバい……戻りそう……っ』

『んな!?やっぱり!なら『ダメだ!』な、何で?』

『バカ…野郎、今私が着てる水着は女用だぞ……』

あー、確かに…男の姿でそれはキツいよね。

『り、了解!でもどうするのさ!』

『プールに落とせ…!』

『分かった!』

そうと決まれば即実行!

「な、何だてめぇは!
これが見えないのか!あぁ!?
近づいたらコイツの綺麗な顔に刺し傷ができちまうんだぜ!?
おお!?分かったら来んじゃねぇ!」

僕は男の前に立ち、ちょっとした殺気をむける。
男はビクビクしながらも威勢を放ち、近づけさせまいとナイフを振り回した。

「今です!」

僕はプールを指差して、合図を叫んだ。

「な、何ぃ!?」

男はあわててプールに視線を向けるが誰も出てくることはない。
何故ならブラフだからだ!

「チェストーーー!」「ぐばぁ!?」

僕に背を向けている男目掛けて飛び蹴りを食らわせ
ユウごとプールに突き落とした。

"ザバーーン!"

「ちょっと!あんた何してんのよ!」

アリサちゃんに怒られるが知ったこととじゃない。

「大丈夫だよ?ほら」

そう言って僕はプールを指差した。



ユウジside

ブグブク……

良くやった蒼也!

「ヴァブス!ゼッヴォアッブ!バーヴォンビブビ!」(ラクス!セットアップ!バージョン水着!)

『set up』

一瞬だけ発光し、俺の姿がトランクス型の水着に変わった。

「かヴぇぶんビンヴォジュブ!」(影分身の術!)

とっさに影分身を作り出して変化をさせる。
勿論俺の女verにだ。



"ザパァッ!"

「ゲホゲホッ!このクソガキィ!」

男はプールから上がってプールに向き直り
ユウが上がってくるのを待ち構える。

しかし、男は気が付いていない。

背後に戦闘民族が肉薄していることを……








「ぷはっ」「はあっ」

何か叫び声が聞こえたみたいだけど気のせい……じゃなかったな。

さっきの男がボコボコにされた上に縛られてやがる。

「あー!赤志さん!」

なのはが俺を見つけ、指差して声をあげた。

「よっ!元気ハツラツ?」

「オフコースなの!じゃなくて!
どうしてここにいるの?仕事は?」

「ついさっき終わった(まぁ、男に戻れたしな…)問題ない」

「災難でしたね…しかし、妹君は大丈夫なのですか?」

「けほっ……問題ないです…」

シグナムに声を掛けられ咳き込みながら対応をする俺の文身体。

「まぁ、あれだ。
一件落着ってな!ははは!」

なんか無理矢理過ぎるが話をそらす他ないと断言する。
これ以上俺の女verに聞かれるとボロが出そうだ。

「まだ終わってないの!」「そうだよ!」

「ん?まだなんかあるのか?」

なのはとフェイトが俺に詰め寄り凄みを聞かせてくる。

「あの時の約束!」「果たしてもらうよ!」

「…………約束?」

はて、約束?あの時?

「いつの話だ?」

「闇の書の時の作戦の前の日だよ!」

「私たちが頑張ったらお願い聞いてくれるって!」

………あー、言ってたなぁ。
あの時はモチベーション高めて貰うための冗談だった訳だが、
本気にしてたのか…

「ねぇ、闇の書って?」

アリサがいち早く反応を示してなのは達に質問をした。

「そ、そんなことよりも!
約束の方が大事なの!」

「そうだよ!赤志、逃げちゃだめなんだよ!」

慌てながら話を戻そうとするなのはとフェイト。

「逃げって…アリサ!なのはとフェイトは闇の書について
話をうやむやにしようとしてるぞ!」

「え?」

「今……」

「名前で…」

「……あ」

「ユウジ……」

しまった!ユウになってた状態でコイツらを名前で呼んでたからつい!

「やったー!」

「うん!」

「ま、まぁ…名前で呼ばれるのも悪くないわね…」

ん?何を嬉がっとるんだ?
意味がわからん。

「で?闇の書って何なの?」

すずかェ…何でまたほじくりかえす用なことを…

「あぁ!そうよ、話しなさいよ!」

「私も興味あるわねぇ?」

「作戦とやらにも興味がある」

アリサの声に忍、恭也が参戦する。

「そ、それについてははやてに聞くと良いですよ!
何せ当事者なんだから!ねぇ!?」

蒼也ははやてを身代わりにした。

「な!?うちに降るんか!
う、えーと……リィン~……」

「えぇ!?私ですか!?
こ、ここはやはりユウジ殿に聞いた方が………っていない!」

「あそこや!」

皆の視線が動く中、こそこそと隙を見て逃げ出すことに成功。

「あばよ!とっつぁ~ん!」

勿論この言葉も忘れずに言っておいて逃走をやり遂げた。

こうしてユウジ、ユウ、蒼也は無事、自宅へと帰還できた。












………筈だった。

「さ、話して貰うよ」

「すみません、逆らえなくて…」

「まぁ、時が来たと思って…」

「話して挙げてくれないかしら?」

「勿論逃げることは出来ないよ?」

「何故なら……」

「「「「魔王からは逃げられない!」」」」

上から士郎、リニス、シャマル、リンディ、美幸、恭也だ。

ーーー こうなってしまった日の夜、
俺と蒼也は少しだけ夜更かしをした。(翌朝まで)

<奴ら>は質問の度に殺気や怒気を振り撒き、
作戦に参加した人員を尽く喰らって(お話の意味で)いった……

何故そんな危険な戦いに家の妹が参加しただの
管理局の真意にキレたり
自分達も一声かけてほしかっただの
そらはもう大変であった事をここに記す。

因みにアリサやすずか達一般組にはなのは達が魔法に携わる理由を聞いて
納得し、出来ることについての協力を結ぶことができた。

更に言えば名前で呼ぶことにアリシア達も加わり、
結果的には約束は無しにした。
何故なら俺は俺が認めた奴しか名前で呼びたくないからだ。

まぁ、あの時の映像を見て名字で呼ぶことで手を打って貰うことで
この事は収まったのだが。

「し、死ぬぅ……」

「まだ終わってないぞ!」

翌朝の6時、俺達はやっと眠ることができたのだった。

ユウは実家に帰ると称して遠いところで消しておいたので心配はない
……はずだ。
 
 

 
後書き
いや~初めて9千文字突破しました!

頑張った様で所々おかしい文面があるかと思いますが

どうぞご指摘頂ければ幸いです。 
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