ヘタリア大帝国
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TURN118 アルビルダの帰還その十一
「イタリンは自分で戦える様になるべきですが」
「それでもなんだな」
「やはり私もドクツが好きです」
こうロマーノに答える。
「かつての神聖ローマ帝国として」
「俺は嫌だけれどな」
ロマーノはこう言う、むっとした顔で。
「ったくよ、何か俺だけな」
「そうしたことは仰らないで下さい、ロマーノ殿も私達の国家です」
だからだというのだ。
「何があっても粗末になぞしません」
「そうなのかよ」
「私もよ、イタちゃんもロマーノちゃんも妹ちゃん達もイタリンの国家だから」
ムッチリーニはえこ贔屓はしない、四人共彼女の国家だと考えているのだ。それ故に今もこう言えたのである。
「帰っても宜しくね」
「そこまで言うんだったらな」
「戦争終わったらまた仲良くやろうな」
今度はスペインがロマーノに言う。
「トマトもせいらい食ってな」
「ちっ、何か俺の周りってこんな連中ばかりだな」
「しかし悪い気がしないと思うが」
東郷はそのロマーノに微笑んで声をかけた。
「どうか、そこは」
「まあな、それはな」
ロマーノも東郷の今の言葉に表情を変えて応えた。
「俺も一人じゃないってわかるからな」
「誰も一人じゃないさ、ロマーノさんもな」
「そうみたいだな」
「この戦争が終わっても」
それからもだとだ、ロマーノはムッチリーニ達の笑顔も見て語った。
「この顔触れでか」
「ロマーノさんは生きていくだろうな」
「イタリンか、じゃあな」
ロマーノはまた言った。
「ここにいてやるか」
「兄ちゃん、おかわりいる?」
イタリアは決意したロマーノに早速シュールストレミングが入った皿を出してきた。
「これ」
「いらねえよ、一皿だけで充分だよ」
「臭いがきついからなんだ」
「そうだよ、この匂いはもう充分だよ」
「ううん、チーズも凄い臭いのがあるから大丈夫なんじゃ」
「チーズとこのシュール何とかじゃ別だろ」
違うというのだ。
「だからだよ」
「じゃあこれは俺が食べようかな」
「勝手にしろ」
「うん、じゃあね」
臭いは問題だったがそれでも北欧諸国も無事枢軸に入り共に戦うことになった、そうしたこともあってだった。
枢軸諸国はインド洋に主力を集結させてアフリカに全面攻撃を仕掛けることになった、エイリスもその最後の植民地達を守る為に決死の防戦を挑むことになった。
TURN118 完
2013・6・16
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