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ヘタリア大帝国

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TURN118 アルビルダの帰還その三

「本国に人材を集めててな」
「総督の人選はなおざりでしたね」
「ああ、今思うとな」
 イギリスは後悔と共に言う。
「それが植民地を奪われた要因の一つでもあるからな」
「それだけに」
「本当にまずったな」
「とはいいましてもその人材が」
「ああ、かなり劣化してるからな」
 これもまたエイリスの実情である。
「貴族のな」
「総督は貴族でなければならないですが」
 就任するには爵位が必要なのだ、エイリスの慣習法でそうなっているのだ。
「それがですね」
「平民には人材がいるがな」
「はい、庶民院を見ましても」
「けれどな」
 貴族の方はだった。
「あっちはどうにもならねえな」
「特権にあぐらをかいているだけですから」
「それで貴族院もなんだよ」
「腐敗していますね」
「だから女王さんも改革しようとしてたんだよ」
 その全てを賭けてだ、改革の大鉈を振るおうと考えていたのだ。
 だが、だ。それがだったのだ。
「その前に今の戦争になったからな」
「植民地の総督の方々も」
「貴族にも人材がいるけれどな」
「皆さん軍に行かれて」
「だよな」
 騎士提督達が代表だ、エイリス軍は健全なのだ。
 だが、だ。それでもなのだ。
「軍だけだからな、総督連中も議会も」
「酷いものです」
「どうしたものかな」
「戦争が終わってからですね」
 何もかもがだった、エイリスは植民地のことも不安に満ちていた。
 そしてその北欧はというと。 
 東郷は実にあっさりと兵を進めた、そして無血で北欧の五つの星域を枢軸軍で占領してしまったのだった。
 それを見てだ、アルビルダは斧を手に大喜びで叫んだ。
「よし、やったぞ!」
「うん、戻れたね」
 アイスランドがそのアルビルダに言う。
「やっとね」
「私は嬉しいぞ」
「僕も。それでだけれど」
 北欧が枢軸軍の手に落ちた、それならばだった。
 北欧の他の四人もだった、デンマークが彼等を代表してアルビルダに笑顔で言って来た。
「おお王城さん久し振りだっぺ!」
「祖国その一、元気だったか!」
「ああ、この通りだっぺよ」
 デンマークは明るい笑顔でアルビルダに応えた。
「元気だっぺよ」
「その二もその三もだな」
「うん、僕もね」
「俺も元気だ」
 ノルウェーとスウェーデンもそうだと答えて来た。
「王女さんも元気そうだし」
「何よりだ」
「祖国その四もだな」
「はい、お久しぶりですね」
 フィンランドもにこやかにアルビルダに応える。
「海賊から枢軸軍に入られたと聞いてましたが」
「そうだ、そこで大暴れしていたぞ」
「あっ、いつも通りだったんですね」
「そうだ、私は私だ」
「それはそうとしまして」
 フィンランドはアルビルダとのやり取りの後で彼女と共にいる東郷に対して尋ねた。 
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