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Third Angle

作者:完徹
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日の照る町

鶴姫は二人のお供を連れて緑が少ない大地へと辿り着いた
踏みしめる地面には日に照らされた砂の丘しか見えない
しかしこの町には多くの人が生きている
水の恩恵とは簡単に途切れるものではない
広大な砂漠にも水の恩恵を生み出す泉がある
オアシスだ
鶴姫は確信する
ここに留まって出来ることは無い
救いを必要とする人たちはいなかった
三人は次の町へと向かった


町外れで小さなテントを見つけたのは夕暮れだった
行きと同じ道ではあったのだが光の屈折で気付けなかった
そのテントに住む親子は近くに生える希少な緑
サボテンから水の恩恵を奪って生きていた
彼らはなぜ町から離れて暮らしているのか?
それは汚染病と呼ばれる病気だったのだ
彼らが口にした水を口にすると伝染して
喉が渇きにより支配されてやがて脱水症状を起こしてしまう
水に余裕の無い町で脱水症状は手に負えない病なのだ
鶴姫は少し考えてもしやと思った


数日後親子は無事に町で暮らし、オアシスから水の恩恵を受けているという



え?どうやったのお姉さま
それはね、その町はある過程を知らなかったの
過程?
そ、その町では水をろ過することはしていたけど熱処理を加えるということを知らなかったの
熱処理ってなに?
水の中に住む様々な雑菌を無くしてしまうことよ
そうなんだ!鶴姫様って物知りだったんだね
そうね、それに砂漠の町では水を沸騰させるということを毛嫌いしていたから
・・・・・・・・・・・・・・・
さぁそろそろ寝なさい
続きはまた明日



旅人の日記
この町は私の知っている町とは大きく異なっていた
この大地なら昼こそ猛暑でありながらも夜になれば極寒の地へと変わるはずなのに

なぜこの地では日が沈んでも暑いんだ?

これではあらゆる病原菌が活性化してしまう
いや、もう手遅れなのかもしれない
私は早々とこの町を去ることにした
 
 

 
後書き
日の照る町には一体どれだけの病原菌が蔓延っているのかな? 
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