とある星の力を使いし者
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第141話
「あ、あんたね!!
いきなり何すんのよ!!」
美琴を襲った頭痛は操祈によるものだと分かった美琴は、操祈につめ寄る。
美琴は無自覚で微弱な電磁バリヤーを放出している。
そのおかげで操祈の能力の干渉を受ける事がない。
ただし、能力を使われると電磁バリヤーが働いた影響で頭痛に襲われてしまう。
操祈は仏頂面のまま美琴に言う。
「だってぇ、恭介さんとツーショットを私の目の前でさせると思っているの?」
「何で、あんたなんかにそんな事を言われないといけないのよ。」
「私が恭介さんの事が大好きだからに決まっているでしょう。」
「それとこれとは全く別でしょうが!!」
「全く別じゃないぞぉ!」
と、子供の喧嘩のような言い合いを始める二人。
常盤台中学は最低でも強能力者以上でないと入学できない学校だ。
操祈と美琴は常盤台の制服を着ているので、周りには二人が常盤台の生徒である事は知られている。
高位能力者同士の喧嘩は周りへの被害が馬鹿にならない。
それを悟ったのか徐々に美琴達の周りにいた人だかりが遠のいていく。
二人の言い合いの中心にいる麻生恭介はじっとその場に立ち尽くしていた。
彼は手に持っているデジカメに視線を注いでいた。
どうやら、先ほど撮った写真が気になっているらしい。
自分で出来る限り笑ったつもりなのだが、鏡で見た訳ではないのでどんな顔をしているのか分からない。
デジカメを操り、データフォルダを開ける。
撮った写真を確認した瞬間、麻生の表情が凍った。
そこに映っていたのは、無理に笑おうとしているが全然笑えてなく、かえって表情がものすごくおかしい事になっていた。
これを麻生の知り合い、愛穂や桔梗たちが見れば大爆笑間違いないだろう。
麻生は素早くその写真を消去して、さらには能力を使いデータを再生させないようするくらい念の入れる。
データが完全に消去されたことを確認して、一息つくと操祈が麻生に向かって抱き着いてくる。
「恭介さん~♪」
避ける訳にもいかず、黙って操祈を受け止める。
受け止めた時、髪の匂いや胸の感触などが伝わったが麻生は全く気にしない。
麻生の表情を見て、それを気にしていないことが分かった操祈は少しだけ不機嫌な顔をする。
「まだ聞いていなかったな。
お前、どうしてここにいるんだ?」
「う~んと、恭介さんに会いたいと思ったから会いに行こうと思って探したんだぞぉ。」
「良く見つける事ができたな。」
「愛の力のおかげかなぁ。」
「馬鹿な事を言ってないで離れろ。」
麻生はそう言うと引っ付いている操祈を離す。
少し残念そうな顔をする操祈。
「ちょっと、まだ話は終わってないでしょう!」
そこへバチバチ、と電気を散らしながら美琴がやってくる。
「だってぇ、御坂さんとお話ししていても意味ないしぃ。」
「ともかく、用がないならさっさとどこかへ行きなさい!」
「御坂さんに用はないけどぉ、恭介さんに用があるのよねぇ。」
麻生は自分に用があるという操祈に視線を送る。
操祈は麻生の腕と自分の腕を絡めながら言う。
「恭介さん、デートしよう♪」
「で、ででで、デート!?」
美琴が言った訳ではないのに、何故か顔を赤くして叫ぶ。
対する麻生は特に驚く事なく、冷静に対処する。
「何で、お前とデートしないといけないんだ?」
「私がしたいと思ったからだぞぉ。」
「生憎だが、先約があってな。
付き合ってやる事はできない。」
麻生の言葉を聞いた操祈はチラリ、と美琴の方を見て言う。
「それって、御坂さんのこと?」
「そうだな。
だから諦めて「そんなの気にしない気にしない。」・・・一応、本人が目の前にいるんだか。」
麻生は静かに美琴の方に視線を向ける。
先程は顔が真っ赤になっていたが、いつの間にか元に戻っていてただならぬ雰囲気を出している。
何だか嫌な予感を感じつつある麻生。
「急にやってきては勝手な事を言って。
もう頭にきたわよ!
私はこの馬鹿とペヤ契約をすることになっているんだから、邪魔をするな!」
次の瞬間には操祈に電撃の槍が飛んできそうな勢いで言う。
操祈は美琴の威嚇を全く気にはしていないが、ある言葉を聞き逃さなかった。
「うん?ペア契約?」
「そうよ。
この馬鹿と私は携帯のペア契約をするのよ。
恋人とか夫婦とかがする契約よ。
つまり、私はアンタよりも進んでいるって事よ!!」
この内容を録音して、美琴に聞かせれば赤面する事は間違いないだろう。
美琴ももの凄い爆弾発言している事に気がついていない。
「う、嘘でしょう。」
信じられないような表情を浮かべる操祈。
助けを求めるかのように麻生に視線を送る。
麻生も美琴の発言に少し驚いていたが、誤魔化す事なく言う。
「うん・・・まぁ、色々とツッコむ所はあるがペヤ契約をするのは間違ってはいない。
だがな、俺と美琴は恋人とかそんな「わ、私も恭介さんとペヤ契約するぞぉ!」・・・・・聞いてないな。」
麻生は思う。
食蜂操祈が変わった事を。
常盤台や大覇星祭で会った時の操祈は、こんな子供ぽくはなかった。
常に余裕の態度を持ち、陰湿、且つ倫理観や常識に欠けている部分が多々あった。
だが、今の操祈にそんな性格が一切見えない。
性格を変えたのか?、と麻生は思ったが変えろと言って変える人ではない。
麻生は知らないが、彼女は大覇星祭のとある事件をきっかけに麻生の事が割とガチで好きになってしまい、それが影響している。
美琴は勝ち誇ったような顔をして言った。
「ふふ~ん、あんたが幾らペヤ契約をしようとも先に私としたから、あんたとはできないわよ。」
「だったら、その店員から何から何まで改竄してやればいいだけだぞぉ!」
「ちょっ!?
それは卑怯じゃない!?」
「そんなのは気にしてられないぞぉ!」
やっぱり変わっていないかもしれない、と麻生は思い改めるのだった。
後書き
これでにじファンで投稿していた分は終了しました。
なので、ほぼ毎日投稿が厳しくなります、ご了承ください。
次からはにじファンから読んでいた読者様も未知の領域に入ります。
この話は全てが動き出す話でもあります。
楽しんでいただけるように頑張ります。
感想や意見、主人公の技の募集や敵の技の募集など随時募集しています。
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