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ヘタリア大帝国

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TURN117 カテーリンの来日その四

「とても」
「うん、こうした楽しみ方もあるのね」
 カテーリンは桜を見ながら言った、今は桜と弁当等を楽しんだ。
 リニアモーターカーにも乗った、そこから見える外の景色もだった。
 寒い国にいたカテーリンにとっては新鮮なものだった、駅もそこにいる人達も彼女にとってはあまりにも新鮮だった。
 それでだ、カテーリンは隣の席にいるロシア妹に言った。
「あのね」
「はい、何でしょうか」
「日本って資産主義だよね」
「そうです、この国も」
「お花見の時もだったけれど」
 その時も周りに多くの日本人達がいた、皆庶民だ。
 そして駅でも街でもだ、彼等の顔は。
「笑顔よね」
「しかも作り話ではありませんね」
「皆凄く幸せそうだけれど」
 言うのはこのことだった。
「資産主義なのに」
「資産主義でもですね」
「資産主義の国って一部の人だけがいい目をしてそれで殆どの人が苦しんでいる社会だって思ってたけれど」
「違うというのですね」
「そうかも知れないかなって」
 カテーリンは日本の民衆達がいる街並みも見ながら言った。
「思いはじめてるけれど」
「それはプロパガンダではなくですね」
「それもわかるから」
 カテーリンも伊達に国家元首ではない、それを見抜く目はあるのだ。
「全部ありのままの日本なのね」
「おそらく。これから回っていくどの場所もどの国もです」
「ありのままよね」
「そうです」
「資産主義の国ばかりなのに」
 カテーリンが全否定しているだ、碌でもない国ばかりである筈がだった。
「こんなにいい国だったなんて」
「何故こうした国になったかですね」
「見ていかないと」
 カテーリンは考える目で言った。
「今の歴訪でね」
「はい、では次は」
「御所よね」
「この国の国家元首である帝のいる」
「君主だけれど」
 これもまたカテーリンが否定してきたものだ、君主もだ。
 その君主に会いに行く、このことについても言った。
「今はどうした人かね」
「お会いしたいですね」
「どんな人なのか。興味が出て来たから」 
 それ故にだというのだ。
「行くわ、会いに」
「では」
 こうしてだった、カテーリンは今度は御所に入った。その門はというと。
 ロシア帝国の貴族の屋敷のものよりもずっとだった、そこは。
「これが宮殿の門なの?」
「そうみたいね」
 ミーリャも言う、カテーリンと共にその門を見て目を丸くさせていた。
「ここがね」
「何か、木で造られてるだけで」
「あまり大きくないしね」
「全然贅沢じゃないし」
「そうよね、確か日本の帝って凄く古くて日本も太平洋のリーダーなのに」
 その国家元首、君主である筈だ。しかしその彼等がだというのだ。
「とてもね」
「見えないけれど」
「ずっとこうなんだよ」
 ロシアが驚く二人に話した。
「御所はね。中もね」
「こんなに質素なの」
「強い風で吹き飛びそうだけれど」
「こういう場所だよ、中もね」
「質素なの?」
「こんな感じで」
「うん、靴を脱いで入ってね」
 御所の建物の中はそうだというのだ。
「行こうね」
「ではこちらに」
 ここの案内役は平良と福原だ、二人が宮中に案内した。
 カテーリン達は玄関で靴を脱ぎそのうえで宮中に入った、そしてその奥で帝の御前に出た、そこで最初にだった。
 カテーリンは立ったままだが帝に頭を下げた、そのうえで彼女に言った。 
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