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ヘタリア大帝国

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TURN115 オリジナル対クローンその五

「あの私はロシア帝国の頃の私だ、パイプオルガンで来る」
「パイプオルガンですか」
「そうだ、それで来る」
 だからだというのだ。
「散陣を組んでくれ、そしてだ」
「散陣でパイプオルガンを凌ぐか」
「しかもあの頃の私は攻撃範囲が広過ぎる」
 だからだというのだ。
「散開すれば楽にかわせる、しかも攻撃の間が大きい」
「ではだな」
「集結してそこからだ」
 攻めろというのだ。
「艦載機とビームで一気にだ。それで崩れれば終わりだ」
「わかった、ではな」
 今回もそうして攻めて終わった、四段目はセーラだったが。
 セーラの艦載機の指揮を見てだ、ネルソンが言った。
「陛下は艦載機の指揮については」
「不得手ですか」
「今は違いますが」
 今は、というのだ。
「ですがそれでも」
「経験を積まれたのですね」
 小沢はネルソンにこのことを指摘した。
「そうなのですね」
「そうです、あの采配は王女の頃ですね」
 セーラがまだ即位する前だというのだ。
「丁度艦隊の指揮を学ばれた頃です」
「動きはいいですが」
 小沢もその艦隊の動きを見て言う。
「しかしです」
「おわかりになられますね」
「あの動きは戦艦の動きです」
 艦載機を出す空母の動きではないというのだ。
「ですからあれでは」
「艦載機の運用としてはですね」
「不適です」
 そうだというのだ。
「ですからここはです」
「はい、艦載機の運用も怖くありません」
「しかもヘリですから」
 只でさえ運用の難しいそれだからだというのだ。
「艦載機の運用はなっていません」
「ではまずはヘリを掃討しましょう」
 小沢は淡々とした口調でネルソンに話した。
「そうしましょう」
「それでは」
 こうしてだった、枢軸軍はまずはヘリ達、そのまともな動きも出来ていない彼等を倒した。そして丸裸になった敵の空母部隊も殲滅したのだった。
 次の段は東郷のクローンだったが彼はというと。
 東郷自身がだ、こう言った。
「ああ、なっていないな」
「そうですか?」
「あの動きは俺が艦隊司令になる前の動きだ」
 その頃の彼だというのだ。
「巡洋艦の艦長をしていた時だな」
「確か利根でしたね」
「あの船に乗っていた頃だ、まだ何もわかっていなかった」
 艦隊の指揮がだというのだ。
「安心していい、何もわかっていない」
「では今は」
「少し前に出て攻めればそれに内心焦って退く」
 そうなるとだ、秋山に話す。
「そこでだ」
「さらにですね」
「波状攻撃を仕掛ければどうすればいいかわからなくなって総崩れになる、あの頃の俺の悪い癖だった」
「では」
「そう攻めてくれ」
 秋山と全軍に命じた。
「それではな」
「わかりました、それでは」 
 こうして東郷のクローンの陣も崩す、そしてだった。
 枢軸軍はソビエト軍の陣形を次次に崩していく、それを見てだった。 
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