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IS インフィニット・ストラトス~普通と平和を目指した果てに…………~

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number-9



とある建物の、一室。ほとんど真っ暗に近く、明かりもついていない部屋に今、明かりがつけられた。明かりをつけたのは、金髪の女性。自らの四肢を隠そうともせずに自信に満ちた態度で入ってきた。その豊満な胸を揺らして、部屋の中にあった椅子に座った。よく会議室である椅子やテーブルの配置だった。


椅子に座った女性は、特に何をするわけでもなく腕を組んで俯き、目を瞑っている。すると、すぐに部屋――――会議室のドアが開けられた。
そのドアの奥からは、織斑千冬に瓜二つ、もはや無関係と言い切っても信じられることがないくらいにそっくりな少女が出てきた。それもそのはず、あの少女は、ブリュンヒルデのクローンなのだから。
その少女は、入ってすぐ近くの椅子に腰かけた。ちなみに先に座っていた金髪の女性とは、話をしない。特にこれといって話す用件などないからである。少女は、つまらなさそうにしながらも机に手を置き、頬杖をついてただぼんやりしていた。


今度は、五分位しただろうか。また会議室の扉が開かれ、一人ではなく複数で入ってきた。くすんだ金髪の女性を引き連れた金髪の女性。こちらもやはり豊満な胸を張り、毅然とした。どこかセレブを感じさせる優雅さを纏いつつ、奥に座った。後ろに不満そうについてきていた女性は、手前の織斑千冬のクローンの前に座った。これで、空いている席は後三つ。――――また、誰か入ってきた。


それは、各国にも詳細な説明はされておらず、それどころか存在自体が機密扱いである世間上二人目のIS男性操縦者。御袰衣蓮が入ってきた。そして、一番奥の上座の位置にある椅子に座ると座っている人を見回して、ため息を一つつくと口を開いた。


「これ――――」


だが、その口はすぐに閉じられた。開いていた二つの席のうちの一つに向かって、一人の少女が歩いていたのだから。銀髪で先に入ってきた二人の女性に比べてしまうと見劣りしてしまうが、それなりに胸もあり、背も少女にしては低くない。むしろ高いほうだ。
左目に黒い眼帯をした少女は、一番最初に入ってきた女性の向かいに座ると目で進めるようにと合図を送ってきた。


それを受け取った蓮は、再び口を開いた。


「これより、亡国機業、幹部定例会を始める。第一席、御袰衣蓮。第二席、篠ノ之束は今回は欠席だ」
「第三席、スコール・ミューゼル」
「第四席、ナターシャ・ファイルス」
「第五席、ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「第六席、オータム」
「……第七席、織斑マドカ」
「……。第八席、御袰衣麗菜(みほろいれいな)。第九席、国立燈火(くにたちとうか)。第十席、レンティア・フレイドーラ。以上の三名は任務(ミッション)のため欠席という連絡が来ている。また、番外、チェルシー・ブランケット。同じく番外、篝火ヒカルノの二名はいつもの通り潜入任務(スニーキングミッション)だ。」


      ◯


IS学園では、一夏にとってのセカンド幼馴染が一組に来ていた。名前を鳳鈴音(ファン・リンイン)といい、その名から分かるように中国人である。鈴音は、一組ではなくて二組に転入なんだが、早く自分の想い人に会いたくて、逸る気持ちを抑えきれずに一組まで突撃してきたというわけなのだ。


一組には、居た。小学校から中学校まで(実際はそんなに長くなかった)一緒だった初恋の人。織斑一夏。あの人を見ると心が温かくなってくる。けれども、鈴音はそんな自分の恋心を直接言うことなんて出来ないのだ。どうしても本人を前にすると恥ずかしくなってくる。


鈴音は、少し一夏と会話した後予鈴が鳴ったため、すぐに自分の教室に戻って行った。一夏は、セシリアと箒に今の少女について説明を求められる。昼休みに説明すると自分の席に戻るように促した。納得していない二人は、渋々といったところで自分の席に戻って行った。
ふうと一息つくが、気になることがあった。まだ窓際の一番後ろの席が埋まっていないのだ。そう、もう一人の男性操縦者である蓮がいないのだ。


「朝のHR始めますよー」


そんな間延びした声とともに入ってきた一組副担任、山田真耶。HRは、とくに滞りなく進み、あっという間に終わりを迎えようとしていたが、忘れていたことを思い出したと言わんばかりに声を上げる先生。


「今日は、蓮君はお休みです。何でも親戚の一周忌だとか。もしかしたら明日もお休みになるかもしれないとのことです。では、朝のHRを終わります」


そう言って教室を出ていく山田先生。その背中を見送った一夏は、少し残念そうに蓮の机を一回見る。今は、まだ中も険悪であるが、いつかは友達に慣れる筈とそう思いつつ、次の時間の準備を済ませる。そして、空いた時間。その時間は、先日の蓮と水色の髪の綺麗な人との模擬戦へと思考が飛んでいく一夏。


一夏は、まだISに乗り始めて日が浅い。けれども、蓮はそんなことはなかった。どこでIS操縦を習ったのかは知らないが、一夏なんかよりもはるか高みにいる。それは先日の模擬戦で嫌というほどに実感した。レベルが違う。自分の専用機の特性をちゃんと理解している。自分の戦い方に幅を持っている。自信があった。そして、何物にも負けないという強い意志を宿した瞳を持っていた。先日の戦いは、引き分けということだった。


自分も早くあの高みまで行きたい。そう思い、そのために何しようかと考えていた。――――ここに蓮が居たら、くだらないと切り捨てるのだろう。贅沢なことを考えやがってというのだろう。
なぜなら一夏は、イギリス代表候補生が自ら指導してくれているのだ。こんな機会なんて本当は来るはずはなかったのだ。一夏がISを動かせて、セシリアを落としたから教えてもらっているのだ。本当なら入学当初みたいな接し方が……いや、あれよりも少しマシか。まあ、そんな接し方が普通なんだ。感謝もせずにほかの鍛え方? バカも大概にしろと。


一夏は、良くも悪くも自分の立ち位置を理解していないのだ。


      ◯


「ふむ、ラウラ。お前とクラリッサの位をあと一つ上げられるか?」
「可能です」
「どれくらいかかる」
「二か月あれば」
「分かった。では、二か月以内にラウラは中佐、クラリッサは少佐まで登れ」
「了解」


定例会は、それぞれの報告を蓮が聞き、遅いようなら急がせるように。足りないものがあるのなら、他から回せるようになどのことをする。
アメリカ軍のスパイやドイツ軍のスパイもいる。ドイツに至っては、そこのIS隊がすべて亡国機業の参加だ。それにさえ気づかない国の上層部は、腐った脳みその塊なのだ。


スコールからは、亡国機業の軍事について。やはりISが足りないようだ。スコールは予め機体を持っていたし、蓮も同じ。束は、もともと作った本人だ。ナターシャは、アメリカの銀の福音を奪えばいい。オータムもアメリカのまわしている。ラウラも、代表候補生からもらっている。となると、後一機は欲しい所だ。ここに参加していない三名にも専用機は持たせている。


「ねえ、蓮。提案があるんだけど」
「どうした、ナターシャ」


そんな中、ナターシャが蓮に提案する。今、欲しいのはマドカのISだ。マドカは、織斑千冬のクローンだけあって機体適合率が高い。生半可なISでは、彼女が満足しないだろう。その機体をどうするのか。どうやらアメリカから流れた情報らしい。


「イギリスのBT試験機って知ってるかしら?」
「ああ、IS学園にもその機体が一機ある」
「その二号機なんだけど、サイレント・ゼフィルス。どうかしら、そこの彼女に」


ナターシャは、マドカの視線を向けた。マドカは、目を合わそうとはしなかったが、やはり機体がもらえるかもしれないということで嬉しそうで、心なしが頬が緩んでいた。


「私は、それで構わない」
「じゃあ、決まりだ。マドカに与える機体は、イギリスBT試験二号機、サイレント・ゼフィルス。異議のある者」


誰も手を上げることはなかった。ここにいるみんながそれに賛成したということになる。
さっさと話を進める。ナターシャの話によるともう機体や、ビットは完成しているとのことだった。それに主武装のレーザーライフルも完成しているということだった。
強奪部隊にスコールとマドカを組み、後何人か下っ端をつけようとしたが、少数精鋭で行くとのこと。オータムを合わせた三人で行くことと決まった。
それが決まっても、ずっとオータムは不機嫌なままだったが。


マドカとも協力してほしいものだ。


      ◯


定例会も終わり、それぞれ会議室から出ていくが、ラウラと蓮だけは残っていた。どうやら話があるらしく、蓮を引き留めていたようだ。


「兄上、今度IS学園に辞令で行くこととなりました。学年別トーナメント前にはそちらに転入予定です」
「そうか、分かった。まあ、楽しくやっていこうか。それと、もうそんな畏まった言葉使いは要らない」
「了解です。……兄上と一緒に過ごせる日々が楽しみだ。では、これで」


ラウラは、蓮が差し出した手を掴んで握手するとそのまま流れるような動作で蓮の唇に軽く口づけた。そして、満足したのか会議室を後にする。
蓮も、そんなに動揺することはない。もう慣れてしまっている。最後になった蓮は、電気を消して会議室を後にした。


ちなみに補足であるが、ここでの席順はメンバーでの総当たりで決めている。勿論IS戦闘だ。これは年に一度行われる。
今回は、蓮が一番だっただけだ。去年は、スコールが一番だったのだから。


 
 

 
後書き


えー。ラウラを巨乳化しました。反省してます、後悔はしないですけど。大きさ的には、なのはでいうとsts時のはやて以上なのは以下といったところです。
改めて、ごめんなさい。でも、こんな話もいいと思うんです。

それと、更新ですが、ISの方を月の初めにまあ一日ですね。にして、なのはの方を月末にしたいと思います。三月までの話ですが、もしかしたら四月もそうなってしまうかもしれません。
申し訳ない話なんですが、よろしくお願いします。
 
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