| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN114 ソビエトの真実その十

「そうでしたけれど」
「ここまで美味しいものは」
「とても。ありませんでしたね」
「御馳走なんてありませんでした」
 美食もだ、給食にはだ。
「皆が同じものを食べれば差別はないですから」
「それはそうだけれどな」
 ここで作ったフランスが言う。
「食ってるものも同じならな」
「差別はないですし一体感もありますし」
「同じ釜で、だよな」
 この場合はパン焼き窯である。
「それでもだよな」
「何か毎日が味気ない感じでした」
 三食給食では、というのだ。
「時間が来たから食べるという感じで」
「何となくわかるな、それは」
「フランスさんもですね」
「それだと面白くなくなるんだよ」
 食事ですらそうなるというのだ。
「どうにも」
「何か共有主義って生きてるだけか?」
 フランスは話を聞いてこう思った。
「そんなのか?」
「そうかも知れないです」
「やっぱり面白くないよな」
 それだと、というのだ。
「食っていてもな」
「実は日々の生活も」
 それ自体がだというのだ。
「どうにも、でした」
「生きているだけか」
「娯楽はあっても真面目なものばかりで」
 この辺りはカテーリンの性格からくるものだ、生真面目な彼女は娯楽も真面目なものしか認めなかったのだ。
「限られていました」
「テレビやネットでゲームも出来ましたけれど」
 流石にソビエトでもこうした娯楽はあったというのだ、だがだった。
「少しでも風俗に関する様なゲーム、資産主義的なゲームは」
「じゃあエロゲも駄目なんだぜ!?」
「そんなの持ってるだけで一日中逆立ちで立たされますよ!?」
 ラトビアは韓国の驚きの言葉にさらに驚いた顔で返した。
「それこそ!」
「何っ、恐ろしい国なんだぜ!」
「本当に真面目なゲームしか出来ないですから!」
 だからだというのだ。
「ソビエトはそうした国ですから!」
「俺絶対ソビエトにはいたくないんだぜ」
 韓国はラトビアの話を聞いてしみじみと言った。
「本当にそう思うんだぜ」
「もう少しゆとりがあった方がいいな、ソビエトも書記長さんもな」
 フランスはアダルトゲーム厳禁と聞いてしみじみと思った。
「そんなのじゃアイドルの写真集もそうした漫画も駄目なんだな」
「ですから逆立ちの刑になりますから」
 フランスにも言うラトビアだった。
「問題外ですよ」
「あの書記長さんはまだまだ子供か」
 フランスはここまで聞いてこのことを察した。
「立派なレディー、うちの王女さんみたいになるのはもっと先だな」
「あの、私はまだとても」
「ははは、もう充分だよ」 
 シャルロットには笑顔で返すのだった、そしてだった。
 そうした話をしてだ、フランスが作った料理を楽しみソビエトとの最後の決戦の前に英気を養うのだった。
 ソビエトとも最後の戦いの時になろうとしていた、日本妹はその中で彼女の兄に問うた。
「今どうしたお気持ちですか?」
「今ですか」
「はい、ソビエト戦はかなり激しい戦いが続きましたが」
「まだ油断は出来ませんが」
 それでもだと、日本は妹の問いに答えた。
「これでまた一つの戦いが終わると嬉しく思っています」
「そうですか」
「まだ戦いは続きます」
 エイリス、そしてドクツが控えている。イタリンも。
「しかしまた一つの戦いが終わりますので」
「そのことは嬉しいですね」
「満足のいく終わらせ方としたいです」
 これが日本の今の願いだった。
「そうしましょう、それでは」
「そうですね、心地よくですね」
「終わらせて。次の戦いに向かいましょう」
 こう言ってそうしてだった、彼等はソビエトとの最後の戦いに赴く。ソビエトの秘密星域であるエカテリンブルグでの最終決戦がはじまろうとしていた。


TURN114   完


                          2013・6・6 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧