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ヘタリア大帝国

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TURN114 ソビエトの真実その七

「ただ来ているだけです」
「本当にね」
「クローンはオリジナルの能力を受け継ぎますが」
 外見だけでなくだ、だから技術として優れてはいるのだ。
「ですが」
「経験まではなんだ」
「知識は受け継がれていても」
 頭では、というのだ。
「経験がありません」
「それはなんだ」
「経験は身体で感じ身体で覚えるものです」
 頭で覚えるものではない、それでだというのだ。
「動きにも影響します」
「具体的に言うと今みたいな動きになるんだね」
「その様ですね」
「それじゃあ今の敵は」
「確かに軍人だ、優秀なな」
 東郷はこう分析した。
「しかしだ、ただそれだけだ」
「経験を積んでいないからだね」
「そうだ、それだけの軍だ」
「言うならば紙かな」
「軍人という色がついたな」
 ここでも色紙だと言われる彼等だった。
「それに過ぎない」
「マニュアル通りにしか動かないんだ」
「マニュアルはいいがな」
 東郷はそうしたことにはとらわれないが認めはしていた。
「だがそこから人は経験を積んで身に着けていく、その身に着けたものが大事だ」
「ううん、そういえば俺も」
 イタリアは自分のことからも考えて述べた。
「今まで生きてきたから」
「イタリアさんもその経験から身に着けていることが多いな」
「パスタもさ、本だけ読んで作ってもね」
 それでも作ることは出来る、だがだというのだ。
「ただ美味しいだけなんだよ」
「そこからだな」
「そう、それがないとね」
「それまでだな」
「そういうことなんだ」
「それなら勝てる」
 今の戦力が開いている状況でもだというのだ。
「一撃離脱を繰り返して戦おう」 
「攻勢による防衛ね」
「その通りだ」
 そうだとだ、東郷はスカーレットにも微笑んで述べた。
「ではそれで攻めよう」
「わかったわ」
 スカーレットも夫の言葉に頷く、そうして。
 枢軸軍は一撃離脱、鉄鋼弾でもそれを浴びせてソビエト軍の数を減らしていく。マニュアル通りの動きはもう彼等の敵ではなかった。
 何度か繰り返しているうちにソビエト軍は数がなくなっていた、それでだった。
 戦力をなくした彼等はやはりマニュアル通りに撤退する、そこまで見てまた言う東郷だった。
「どうもな、ここまで見てもな」
「マニュアルですね」
「そうした敵だな、クローンは」
「では今度の戦いは」 
 秋山も撤退する彼等を見ながら東郷に話す。
「マニュアルの敵とですか」
「戦うことになる」
 そうなるというのだ。
「名将が揃っていてもな」
「成程、では」
「まずはソビエトの諸星域に散開したままの主力艦隊を呼び寄せよう」
 彼等の全てをだというのだ。 
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