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ヘタリア大帝国

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TURN114 ソビエトの真実その二

「個人財産も否定しています」
「そして定年制の徹底だな」
「カテーリン書記長がその思想に至ったのは」
「彼女の生真面目さ故だな」
「学校でもいつもクラス委員や生徒会長を自ら立候補してです」
 そしてだったというのだ。
「勤めていました」
「真面目なのですね」
「今と変わらず」
 そうだとだ、ゲーペは日本にも答えた。
「そうした方なのです」
「成程、そうでしたか」
「その生真面目さ故にです」
「共有主義という考えを生み出され」
「ある日、二年前でした」
 その時だったというのだ。
「その手に赤い石を付けられていまして」
「それでなのですか」
「はい、そうです」
 そしてだというのだ。
「あの石を見ていると書記長の言葉が正しいと思えるのです」
「それからだったな」
「はい、そうでした」
 それ故だったというのだ。
「瞬く間に賛同者を広められ」
「革命を起こしてか」
「ロシア帝室を追放しました」
 彼等はエイリスに亡命している、今ではそこで暮らしている。こう東郷に話した。
「一部祖国に残ったクワトロ提督の様な方をラーゲリに隔離しはしましたが」
「革命の後ソビエトを樹立してか」
「はい、そうです」
 それでだというのだ。
「今に至ります」
「そうなりました、最初はミーリャ首相と私と」
 ゲーペは革命を起こした時の賛同者の話もした。
「祖国さんと妹さんだけでしたが」
「五人だけからだったんだ」
「はい、そうです」
 こうイタリアにも話す。
「そこから話を聞く人を全てあの石で同志にしていき」
「革命を果たした」
「そうなりました」
 これがロシア革命の真実だった、だが謎はまだあった。
 津波は表情は変えていないが久重にあえて普段より強い口調にさせてそのうえでゲーペに対して問うた。
「その赤い石だが」
「それのことですね」
「時々気になってはいた」
 そうだったというのだ。
「カテーリン書記長は演説でここぞという時に手袋を脱いでいた」
「お気付きでしたか」
「そのうえで赤い石を演説を聞く者に見せていた」
 そうしていたことに気付いたというのだ。
「私はそこに洗脳めいたものを即座に察してその瞬間は目を逸らす様にしていたが」
「あの石が何処でカテーリン書記長に備わったのかは私も知りません」
 このことはゲーペも知らなかった。
「ですが」
「それでもか」
「あの石を見るとどうしてもです」
「洗脳されてしまうな」
「そうした感じになってしまいます」
 それこそだった、まさに。
「蟻が女王蟻の言うことに従う様に」
「まさにそうした感じだな」
「そうです、そうなるのです」
 そうなるというのだ。
「カテーリン書記長が仰るには倒れていた旅人、フードを被った妙な男性から死ぬ時に授けられたそうです」
「フードの?」
「何処かの教団の人だったそうですが」
 これはカテーリンの話からだった。
「教団内の争いで新しく入ったドクツ人の若者に敗れ」
「ドクツのか」
「グルジアに潜伏しようと隠れ家を探している時にです」
 その時にだったというのだ。
「既に一服盛られていて道で倒れそこに書記長が通りがかられ」
「石を授けられたか」
「そう聞いています」
 ゲーペがカテーリンから聞いた話だ。 
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