MS Operative Theory
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ガンタンクとガンキャノンの開発②
——ガンタンクの開発——
「RX計画」および「V作戦」で開発された最初期のMSが、長距離支援⁄砲撃用のRX-75(ガンタンク)である。
MS開発技術を持たなかった地球連邦軍は、次世代戦車として開発されていたRTX-44をベースに、対MS自走砲的な機体としてガンタンクを開発した。だが、ガンタンクはMSというよりAFVに近く、支援機としてしか使用できなかった。
■ガンタンクの特徴
ガンタンクは「RX計画」で培われた新素材ルナ・チタニウムやコア・ブロック・システム、教育型コンピューターなどを採用し、既存の技術も併用した長距離支援⁄砲撃用MSとして完成した。「手」や脚部を持たないため、汎用性や空戦能力は低いが、同時代のMSの中でもトップクラスの火力を有している。
➀核反応炉とガスタービンの併用
➁実体弾式長距離砲の搭載
➂履帯による高い地上走破能力
➃「RX計画」系技術の採用
■ガンタンクの構造
ガンタンクは、A、Bパーツとコア・ブロックで構成されており、この機体でRXシリーズの基本構造が決定されていたことが分かる。肩部にキャノン砲を搭載するスタイルは、以後に開発された支援用MSの多くに採用されている。数少ない複座型MSでもあった。
▼ガンナーコックピット
砲手用のコックピット。後に全操縦系が統合された。
▼120mm低反動砲
対地用と対空用を兼ねる多目的砲。射程260km
▼コア・ブロック・システム
ドライバーコックピット兼脱出機構。
▼ボップ・ミサイル・ランチャー
前腕部の四連ミサイル発射機。射程は20km
▼機動ユニット
地上走破用のキャタピラと短距離ジャンプ用スラスターを持つ。
■ガンタンクのバリエーション
ガンタンクは機動性や汎用性に劣っていたが、長距離砲撃能力を評価され、コア・ブロック・システムの省略と給弾システムの改良が施された量産検討機が少数ながら開発されている(形式番号は試作機と同じRX-75であった)。また、MSとしての期のを完全に省略し、突撃装甲支援車輌化したRMV-1(ガンタンクⅡ)も開発された。
——ガンキャノンの開発——
ガンタンクの開発後、歩行ユニットを備えたMSの設計を開始した地球連邦軍は、白兵戦用MSと中距離支援用MSの開発を同時に進めた。
この中距離支援⁄砲撃用MSこそがガンキャノンで、ガンタンクで得た砲撃用ユニットや腕部機構のノウハウを生かすと共に、RXM-1で実証された歩行ユニットを取り入れることで、より完成度の高い支援MSを完成させた。
■ガンキャノンの特徴
ガンキャノンもルナ・チタニウムやコア・ブロック・システム、教育型コンピューターを搭載しており、システム的には他のRXシリーズとの互換性を持つ。格闘用兵装は装備していないが、重装甲と大火力の固定式火砲を装備すると共に、ほぼ完全な人型として設計されているため、MSとしても高い基本性能を獲得した。
➀コア・ブロック・システム、による互換性
➁ガンタンクとRXM-1などとの技術融合
➂中距離支援に適した短砲身・大口径の装備
➃ビーム・ライフルの装備(RX-78(ガンダム)開発後に追加)
■ガンキャノンの構造
設計の段階でコア・ファイターのコックピットに全操縦計を集中させており、一人のパイロットでのコントロールが可能となった。キャノン砲やフレキシブル・ショルダー、エアインテークなどにガンタンクの影響がみられるが、頭部や脚部などは完全新設計で新旧の技術的な融合が見られる。
▼頭部ユニット
モノセンサーとバルカン砲を搭載した複合装置。
▼240mmキャノン砲
対空兼用の中距離砲。二門を併用することでザク・マシンガンに匹敵する連射性能を発揮。
▼マニピュレーター
地球連邦軍系MSでは最初期の御本指マニピュレーター。オプション仕様や重作業も可能。
▼狙撃用ビーム・アイフル
ポゥワ社のXBR-M-79a。ガンダム用ライフルの技術を応用することで使用可能となった。
▼脚部
地球連邦軍が開発した最初期のMS用歩行ユニット。地上100km⁄hで歩行可能なほか、AMBACシステムとしても使用できる。
■ガンキャノンのバリエーション
ガンキャノンは支援用MSとして高く評価されており、RX-77D(ガンキャノン量産型)やRGC-80(ジム・キャノン)などの量産仕様機が実用化されている。
また、異機種間の連携を前提としたRX-77-2(一般的に知られる赤い機体)のほかにも、単機種編制を目指したRX-77-3(ガンキャノン重装型)やビーム・キャノンを搭載したRX-77-4(ガンキャノンⅡ)なども開発された。
補足事項
——ジオン公国軍の支援用MS——
ジオン公国軍のMS-05(ザクⅠ)系やMS-06(ザクⅡ)系が地球連邦軍系MSに強い影響を与えたように、地球連邦軍系MSの影響を受けたジオン公国軍系MSも存在する。
特にガンキャノンをはじめとする支援に特化したMSと言う発想はジオン公国軍にはなく、地球連邦軍系支援MSの情報を得たジオン公国軍は、キャノン砲を搭載した紫煙MSの開発に着手した。
●YMS-16M(ザメル)
中折れ式680mmカノンを搭載した陸戦用MS。熱核ジェット・エンジンによるホバー走行技術を持つがMSとしての能力は低く、ジオン公国バンガンタンクとも言える機体となっている。
●MS-06K(ザクキャノン)
180mmキャノンを固定装備した支援用のザク・バリエーション。地球連邦系キャノンタイプMSの存在を察知したジオン公国軍が、支援砲撃能力を重視して開発したとされる。
後書き
次回 ガンダムの開発
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