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REVOLUTION 2007

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第一章


第一章

                  REVOLUTION 2007
 二十一世紀になった。遂にだ。
 しかし何が変わったかっていうと。何か実感がない。
 戦争はまだある。というかテロリストが暴れている。
 それで世の中悪いことだらけだ。ニュースを見ればやれその戦争だ環境だ何だかんだと。北朝鮮の将軍様は相変わらず元気だ。そうして。
「我が国を害せんとする狼の如き」
 あのチマチョゴリのおばさんも元気だ。名前は知らないけれど顔はよく知っている。
 遂に夢にまで出て来た。やっぱり怒鳴っている。
 それで学校で北朝鮮の将軍様とおばさんの話をする。するとだ。
「あの国ってキャスター二人だけだろ」
「だよな、痩せてエラの張ったおじさんとな」
「あのおばさんな」
「いつもあの二人だよな」
「ずっとな」
 先生の話だと昔からそうらしい。あの将軍様も昔からああして独裁政治とハーレムと核ミサイルが好きらしい。二十世紀からだそうだ。
「二十一世紀になってもなあ」
「あんな国あるんだな」
「それが不思議だよな」
「二十世紀にもなってな」
「まだあるんだな」
「だよなあ」
 それを首を捻りながらいうのだった。
「しかし。二十世紀になってもな」
「世の中あまり変わってないよな」
「ああ、全然な」
「変わってないよな」
「思ったよりもな」
 僕達は首を傾げて言うのだった。
「黒人の大統領も出てな」
「ロックな生き方をしてる王子様だっているしな」
「ついでに人民服もなくなったしな」
「アホ鳩が総理大臣になったのは迷惑だけれどな」
 とりあえず世の中色々あってもだ。何か変わったっていう実感がない。あまりだ。
「何なんだ?先生が言う昔と違ってないな」
「インターネットはあるけれどな」
「隣の国の料理も辛いままだしな」
「ギリシアは大変になってるけれどな」
 それでも変わったっていう実感はない。どうしても湧かない。
 そしてだ、先生に聞いてもでだ。やっぱり昔と変わらない。
 先生はこんな話をするとだ。いつもこう言った。
「世の中悪くなったなんて言わないさ」
「それは言わないんですか」
「ああ、それは言わないからな」
 こう言う。いつもだ。
「昔だって悪いことは一杯あったさ」
「一杯ですか」
「いいことも一杯あってな」
 それもあるというのだった。
「同じだよ。やっぱり変わらないんだよ」
「そうなんですか」
「革命なんてないさ」
 そしてこう言うのだっ。それでそれと一緒に苦い顔になってだ。こうも言うのだった。
「あんなのやったら大変なことになるよ」
「革命をやったらですか」
「フランス革命とかロシア革命とかね」
 そういう革命らしい。何かこの先生はそうした革命は嫌いらしい。それでいつもこう言うのだった。とにかく革命が嫌いなことはわかる。
「ああいうことをしても人が死ぬだけだよ」
「じゃあ革命は絶対に駄目なんですか」
「ああした革命は駄目だよ」
 そのフランス革命やロシア革命はということらしい。
「本当にね。ただ」
「ただ?」
「他にいい革命があるなら別だよ」
 こう言ってきたのだった。尋ねた僕に対してだ。
「ああいうね。一人よがりなものじゃなくて。何かを壊してからそれで作るのじゃなくてね、そういうのじゃなくて」
「じゃあどういうのですか?」
「ううん、どういたものかな」
 けれどだった。それを言われてもだ。先生は首を傾げさせるだけだった。
 そしてだ。先生はまた言ってきた。
 
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