XANIS
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Ⅳ
「お誕生日おめでとうございますXANXUS様!」
なんだかんだ言って、オレの誕生日がやって来た。
オレは今日で十一歳になった。
家光「XANXUS様、おめでとうございます」
まぁもちろん、沢田家光もいるわけで。
今日は宣言通りに妻と息子も連れてきていた。
XANISは揺りかごの中ですやすやと眠っている。
よくこんな騒がしい中で寝れるもんだ。
沢田家光の息子も寝てるけど。
家光「妻の奈々と息子の綱吉です」
奈々「初めまして♪」
綱吉「スヤスヤ……」
ホントよく寝られるな(汗)
「おにぃ……」
XANXUS「XANIS、起きたのか?」
XANIS「うん。おいしーにおいがした」
お前は犬かっ?
XANIS「ねぇ、いえみちゅとおにぃ、遊ぼ♪」
XANXUS「ああ、そうだな」
家光「自分より、息子の方が良いでしょう」
奈々「ツナ……起きなさい」
家光の妻が息子を揺する。
いや、寝てんなら寝かせてやれ?
綱吉「んー……んー……」
結局目を覚まさなかった。
XANXUS「XANIS、向こうに行こう。オッタビオもいるだろうし」
XANIS「うん、行くっ! 遊ぼっ♪」
こうやって元気なXANISを見てると、本当に命が危ないときがあったのか疑わしくなってくる。
XANISを見つけ、育てたオレでさえも、XANISはオレと同じ母親から生まれ、最初から共に元気に生きてきたように思う。
XANIS「ひつじーっ遊ぼーっ」
……ひつじ?
ひつじって誰だ?
オッタビオ「XANIS様、それを言うのであれば執事ではないのですか?」
XANIS「ひつじいた! おにぃと遊ぶのっ♪」
オッタビオ「そもそも私は執事ではありません」
ひつじってオッタビオのことかよ(汗)
て言うか、執事って言うのがまんざら間違ってないと思うのはオレだけか?
XANIS「ねぇひつじ、おにぃとかくれんぼしよっ♪」
XANXUS「かくれんぼ?」
XANIS「うんっ! あのね、ひつじがオニでね、ザニとおにぃが隠れるのっ♪」
オッタビオ「構いませんが……お気をつけください。貴女はまだ幼いのですから」
こいつの言うことは一理ある。
普通に喋って、普通に立って歩いているが、あくまでXANISはまだ一歳のはず。
オッタビオはそれを心配しているんだ。
オレだって心配だし。
XANIS「10分以内に見つけてね。できなかったら罰ゲームだよ♪」
言うが早いが、XANISは走り去った。
オッタビオ「XANIS様!!」
XANXUS「諦めろよ。一応あいつも何が“危険”なのか分かってるはずだし、何より周りに過保護が大勢いるから、問題ないだろ」
オッタビオ「その大勢の過保護の中にXANXUS様は」
XANXUS「入ってる」
オッタビオ「即答なのですね……」
XANXUS「それじゃ、オレも隠れてくる。10分後を楽しみにしてるからな」
すぐにかくれ場所を探す。
幸い今日はオレの誕生日パーティーが行われているから、床まで付きそうなクロスのかかったテーブルが100近くある。
部屋全体も果てしなく広いわけだし、10分の内に一人で全部見て回るのは無理だろう。
そんなことを考えていたら、父さん達のところへ戻ってきていた。
ちょうどいいか。
XANXUS「父さん、ちょっとこのテーブルの下にかくれてるからオッタビオが来ても知らないふりしてくれ」
9代目「あ、でもそこは」
何か言いたげな父さんを無視してテーブルの下に潜り込む。
ん?
今、なんか違和感があった気がする。
父さんに、家光に、その妻に……
「おにぃっ!」
XANXUS「XANIS!? と、沢田綱吉ぃっ!?」
何でこいつまでここにいるんだよ!?
XANIS「一緒に遊ぶんだって」
綱吉「あうー……むー……」
何言ってんのかわかんねぇ。
XANIS「あんね、綱吉くんね、人見知りしちゃうんだってパパンが言ってたの。だから、知らないところに来たら寝たふりするんだって」
XANXUS「じゃあ、さっきも」
XANIS「そーなんだって」
あ、なんかガチでイラついた。
オレのイラつきがあからさまだったか、沢田綱吉が泣き出し、あっさりオッタビオに見つかってしまった。
その後、家光たちは4日後の息子の誕生日パーティーに父さんたちを招待し、帰っていった。
いや、オレ行かねーよ?
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