ヘタリア大帝国
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TURN113 ソビエト占領その八
「全く」
「美人に興味を持つことは男として当然のことだ」
「長官の場合は度が過ぎています」
「それ位でいいんだがな」
「よくありません」
二人のやり取りは平行線だった、しかしここで部屋にイタリアが入って来て東郷にこんなことを言ったのだった。
「長官さん、ゲーペ長官が来たんだよね」
「ああ、そうだ」
「俺ちょっと会いに行っていいかな」
彼もこう言うのだった。
「前から映像とか見ていて凄く綺麗な人だって思ってたんだよね」
「そうか、イタリアさんもそう思っていたんだな」
「そうだよ、じゃあさ」
「それじゃあだな」
「一緒に会いに行こう、ゲーペ長官にね」
また言うイタリアだった。
「兄ちゃんはもう行ってるかも知れないけれど」
「ははは、ロマーノさんはそうかもな」
「だから俺達も行こうね」
こう話してだった、東郷は意気揚々とイタリアと共にゲーペのところに赴いた。そして実際にゲーペを見て言った。
「いや、この目で見ると余計にな」
「美人だよね」
イタリアも言う。
「学校の先生みたいでな」
「知的な感じでね」
「あの、まさかと思いますが」
ゲーペはその東郷を見て言った。
「東郷毅長官でしょうか」
「そうだが」
「噂では相当な切れ者とのことですが」
「女好きだとは聞いていなかったのか」
「聞いていました」
無論そのこともだというのだ。
「ですがまずはその話題からとは」
「好きだからな」
だからだと返す東郷だった。
「レディー相手にはいつもだ」
「こうした話題からですか」
「そうなんだ、長官さんはね」
イタリアはゲーペに陽気に話す。
「いつもこうだよ」
「そうですか」
「それでだが」
東郷は自分からゲーペに問うた。
「ソビエトでの全ての役職を解任されたと聞いたが」
「はい、そうです」
その通りだとだ、ゲーペは素直に答えた。
「そして軍の階級も」
「それもだな」
「そのうえで国外追放となりました」
このことは自分から言った。
「そして今です」
「モスクワまで来たのか」
「亡命先を探しているのですが」
「それならうちはどうかな」
イタリアがゲーペに提案する。
「日本帝国とかだとゲーペさんも亡命出来ないのね」
「流石に先日まで激しく干戈を交えていた相手とは」
それはとてもだというのだ。
「感情的に」
「まして何処も資産主義だしね」
「はい、ですから」
「だからね、うちはどうかな」
イタリンはというのだ。
「うちだとファンシズムだしね」
「共和王国ですし」
かなり奇妙な政治システムだがイタリンではそうなっているのだ。
「しかもイタリンは私も」
「嫌いじゃないよね」
「むしろかなり」
好きだというのだ。
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