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ソードアート・オンライン  ~生きる少年~

作者:一騎
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第一章   護れなかった少年
  第二十一話   閉鎖空間

 
前書き
今見直してみると前話のタイトル『ダーククリムゾン』、厨二にしか見えないwww 

 
「ネオン、引くよ!!」
「うん!」

瞬時に判断し、ネオンに言う。

殿は僕。
少なくてもネオンが逃げる時間くらいは稼ぐ!!

ネオンが扉に向かってダッシュするのを見て、それをかばうように視線はシャドウから外さず、じりじりと後退する。

と、シャドウがまた地面に溶け込んでいく。

(クソッ!これは厄介だ!)

心の中で、悪態をつきながら、ネオンの方にダッシュで向かう。

恐らく、狙われるのはネオンだ。

その予想が当たり、ネオンを妨害するかのようにネオンの目の前に出現するシャドウ。

そして右手の剣が振り上げられる。

「クソッ!!」

瞬間、納刀していた刀の柄を握る。

刀突進スキル《(またたき)》。

納刀されたままの刀に青いライトエフェクトが灯り、瞬時に地面を蹴る。
瞬間、人間砲弾よろしく、すさまじいスピードで突進していく。

そしてその勢いを消さないでそのまま振り下ろされる剣に向かって居合いし、思いっきり剣の横腹の部分を弾き、軌道をそらす。

そのおかげで剣はネオンのすぐ隣の地面を抉った。

(......うわっ攻撃力高......!)

まぁ、でも数瞬隙が出来てその間にネオンがダッシュで扉の方に逃げてくれたんだけども。

そしてシャドウがまた地面に潜ろうとする。

「させるかっ!!」

すかさず刀で地面すれすれを水平に切り払う。

するとシャドウが地面に潜るのをやめ、瞬時に飛び退く。
当たりはしなかったが、地面に潜らせないのが目的なのでOKとしよう。

と、シャドウが斬りかかってくる。

それをバックステップで躱し、一旦納刀する。

理由は簡単。今、とあるエクストラスキル入手のために頑張っている。
それに納刀した方が僕自身やりやすい。

まぁ、両方とも現実で時々模擬刀で練習していたことなんだけども。

納刀したところで刀に青いライトエフェクトが灯る。

「セィ!!」

刀居合い単発スキル《(きらめき)》。

一気に胴部分をなぎ払う。

「ギギィ.....」

当たり、HPを一本目の一割程度を削り取る。

脇目でドアの方を見ると、すでにネオンがたどり着いていた。

もうすぐ脱出できるだろう。

そう思いながら戦闘中にも関わらずホッとしてしまうが――

「......うそ......何で」

ネオンの口から小声だが、そんな言葉が出た。
それは聞き耳スキルを持たないが、地の聴力が並外れているソラの耳にも届いており......

(クソッ! 何かあったのか!!)

と少しの間、混乱という名の油断が出来てしまった。

瞬間、横殴りに斬撃が繰り出された。

(......しまっ!?)

とっさにバックステップするものの避けきれず、お腹を切り裂かれる。

「うぁっ!!」

そのまま着地できず、肩からズサァッと床に突っ込んでしまう。

とっさにHPを確認すると、すでに赤に入っており、左上隅にちょこん、と残っているだけだった。

(あのままだったら死んでた......)

その事実に少し寒気が走り、体がブルッと震える。

すぐに回復結晶を取り出し、「治癒(ヒール)!!」とワードを唱える。

と、手に持っていた回復結晶が砕け散り、かわりに僕のHPが全回復する。

と、ネオンがペタン、と座り込んでしまう。

「どうしたのネオン!?」

怒鳴るような大声で言う。

返事で帰ってきたのはあんなに僕を引っ張り回していた女の子とは思えないほどのか細い声。

「扉が......扉が開かない......!!」

「転移結晶は!?」

すると、ネオンが既に手に持っていた転移結晶を掲げて力の無い声で「転移......摩天楼」とワードを言う。

本来ならここで結晶が砕け散り、ネオンは《摩天楼》に転移される筈なのだが......。

何も起こらない。

声の大きさなどは特に関係は無いので、起こらないとおかしいのに。

(《結晶無効化空間》......? いや、《閉鎖空間》だ!!)

閉鎖空間とは、結晶無効化空間に次ぐ、嫌な罠だ。

具体的には、その部屋から出られなくなる罠。転移結晶を使っても一緒だ。

ただ、違うのは、回復結晶などは使用可能、と言うこと。

そして解除方法は......中の奴を倒すしか無い。

この場合、シャドウを。この二人で。
とんでもない無理ゲーだが、実際それしか助かる方法はない。
だから。

「ネオン!!」

シャドウに斬りかかりながら声を張り上げる。

「いつまで凹んでるの!! まだ生き残る可能性はあるよ!!」

「......でも......私のせいで!!」

自分を責めるような声に更にこっちも叫ぶ。

「もし自分を責めてるならお門違いだよ!!そんな考え今すぐに捨てて!! ここに来たのは僕自身の意思なんだ!! 別にネオンに強制された訳じゃ無い!!」

瞬間、目の前のシャドウが地面に潜る。

通常の斬撃を数回お見舞いするが止まらない。

そのままシャドウは僕の目の前から消えてしまう。

......まぁ、行き先なら予想できるけど。

ネオンの目の前までダッシュする。

「やっぱり、やっぱり無理だよ!! 死んじゃうよ......!」

瞬間的に納刀して刀スキル《瞬》を発動、ネオンの目の前に出てきたシャドウの剣に向かって突っ込む。

そしてスキルの発動しながら、精一杯声を張り上げる。

「ネオンは絶対に死なせない!! それに、この前も言ったでしょ!!――」

そして剣と刀がぶつかり、ガイィィィィィィン、とド派手な音が鳴る。

そしてネオンをかばうように前に出ながら、再度声を出す。


「『盾になることくらいはできる』って!!」


第一層、ボス戦の前で誰も死なないかネオンが不安そうに聞いてきたことに対する僕の答えだ。

本来、僕は、ネオンが、だと思っていたんだけど、そのあと、ネオンに修正を掛けられた。
......正直メチャクチャ恥ずかしかったな......あれ。

「ふ、ふふ......よくそんな台詞恥ずかしげも無く言えるね」

どうやらちょっと元気が出たらしい。

しかし、改めて言われたことによりさらに恥ずかしくなる。

「う、うるさいな。別に僕は自分に正直になってるだけだよ」

「ふふ......まぁ、正直元気出たよ。ありがと」

そう言いながらネオンが立ち上がる。

「なら良かった」

肩を少し竦めながら言う。

......正直言うとネオンが入っても望み薄だけど、BB弾くらいの穴から希望が見える。

なら、その穴を塞がず広げなきゃ行けない。

その前提として、恐らく、今のままじゃ勝てないだろう。

はっきり言って、レイドやパーティーで来ているならともかく、二人の今、シャドウ相手に悠長に威力のある連撃などを決めている暇は無い。

だからこそ、一撃離脱のヒット&アウェイで行かなきゃダメなんだ。

刀スキルは確かに一撃技もあるけど、威力が少々心許ない。

なら、情報で得たあのスキルを会得すればいい。この勝負中に。

情報だと『連撃などは無い、全てが一撃必殺の技』らしい。

とある人(?)の言い方を借りると、そうしないと『勝利の方程式』は整わない。

会得条件は『刀スキルの居合い技を使いまくること』だ。

可能性は十分ある。

ならまだ捨てる時じゃない。

だったら――

「ネオン、絶対生きて帰ろう!!」

「うん!!」

今は戦う時だ。
 
 

 
後書き
いい感じに締めてみたw

そしてもう一話はキツいかもな~ 
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