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あの娘とスキャンダル

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第三章


第三章

 それでだ。俺はついこんなことを言った。
「それがいいよな」
「いいって?」
「あっ、いや」
 自分の失言に気付いて。俺は慌てて打ち消した。
 そうしてだ。俺はこう彼女に返した。
「何でもないさ」
「何でもないの」
「ああ、何でもない」
 こう言った。表情も消して。
「あの二人はあそこで幸せになるんだな」
「そうね。それでね」
「俺達もな」
 そうしないと駄目だとわかっていたから。俺は今度の言葉を出した。
「絶対にな」
「そうならないとね」
「俺達も落ち着いたらな」
 彼女に顔を向けて。俺は言った。
「結婚するか」
「私達もね」
「ああ、しようか」
 こう俺は言った。
「そうするか?」
「そうね。御互いに就職も決まってるし」
 そうした意味では俺達は幸せだった。少なくとも金と仕事はある。
 それならだ。俺達はだった。
「それならな」
「そうして幸せになろうね」
「絶対にな」
 こんな話をしてだった。俺達は駅に向かった。
 そうして駅に着くとだ。少し経ってから二人も来た。
 そしてだった。親友が言ってきた。
「また。縁があったらな」
「ああ、会おうな」
「その時は俺達は幸せになってるからな。今以上にな」
「俺達もだよ」
 御互いに言い合った。このことを。
 そうしてからだった。あいつもだ。彼女に言った。
「幸せになってね」
「ええ、絶対になるわ」
 彼女も答えていた。御互いに笑顔で言っている。
 そうしてだった。あいつは彼女に顔を向けて話した。
「だからあんたもね」
「御互いにね」
 こう二人で話していた。そうした話をしていって。
 
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