| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

バカとテストと召喚獣ing

作者:SAKUMI
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

53限目 木下秀吉の青春

 
前書き
今年最後の投稿となりました。秀吉編で恋愛編は終了します。 

 
彼は2年Fクラスの木下秀吉。男や女などの些細な問題を超越した唯一無二の存在「秀吉」。
その外見から彼は恋愛経験がない。そんな彼は今青春を満喫していた。


「はーい。今日の部活終了ーー」
『ありがとうございました』
いつものように秀吉の所属している演劇部の練習が終わった。そして秀吉は汗を拭いながら帰り支度をしていると
「お疲れ様秀吉君」
「あ、お疲れ様なのじゃ、部長さん」
秀吉に近づいたのは演劇部部長の柳生田幸であった。
「秀吉君。「さん」付けはダメって言ってるでしょ?」
「いや、部長さんはわしの先輩であるゆえ「さん」付けするのは当たり前のはずじゃが?」
「そういえば、この後秀吉君暇かな?」
「暇じゃが?」
「じゃあ今度こそ付き合ってよね?買い物。今までFクラスの用事で断られたんだからね」
「了解なのじゃ」


そして秀吉は部長との買い物のため私服に着替えて待ち合わせの場所に向かった。

「お待たせしたのじゃ。先輩」
「うーーん。やっぱりダメね」
第一声が私服のダメ出しさせた
「一体ナンなのじゃ?一体」
「いいから行くのよ」
そして、詳細を聞かれぬまま秀吉は先輩に手を引かれてある服屋に来た

「せ、先輩?ここ男もののコーナーじゃが?」
「そうよ。今日は秀吉君をかっこいいコーディネートするのよ」
「なっ!」
今まで皆に女扱いさせてきた秀吉にとって驚きだった
「い、今なんと?」
「だから、秀吉君男なのに、私服が女の子っぽいのよ。だから今日は秀吉にちゃんとした男になってもらうわ」
秀吉にとって自分を「男」として認識してくれるだけで嬉しいのに、これ以上の感激はないと秀吉は思っていた。
「了解なのじゃ!!」

そして過ごすこと1時間。秀吉はすっかりどこから見ても「男」となった。

「ありがとうなのじゃ!!これ以上の感激はないのじゃ」
「それより、今日だけその口癖やめてくれない?」
かっこいいのにその口癖はもったいないという感じで言ってきたので
「わ、分かった。気をつける」
「じゃあ、行こ!秀吉君!!」


「今日はありがとね、買い物付き合ってくれて」
「いやいや、こっちこそありがとうございました」
「その服あげるわ」
「良いのか?ありがとうなのじゃ、あっ・・」
「いいわよ、やっぱりあなたはそれが大事ね」
「すまんなのじゃ」
「今日は楽しかったわ。じゃあまた明日ね、秀吉君」

     ☆

「ただいまなのじゃ。姉上」
「お帰り。今日のご飯はあんただから、早く作ってよね」
家に帰ると木下姉はいつものあの格好でいつものアレを読んでいた
「今日、なんでもいいわよ」
「了解なのじゃ」
「それで?今日は誰とデートしたのかしら?」
「だからいちいち外に行くたびにデートといわないで欲しいのじゃ。いくら姉上にそういう相手がいないからって、それをわしにぶつけないでほしいのう」
「悪かったわね」
「ひぃっ」
言った途端に秀吉の右ほほに包丁がかすり掛けた
「んで?今日は誰と行ったのよ?」
「そ、それは」
なにやら秀吉は部長と行ったと言うのはなかなか言いづらいらしい。しかしそんなモゴモゴしてる姿を木下姉は
「あはーー。もしかして3年の柳生田先輩かしら?あなたの愛しの?」
「そ、そんなわけ、、、なかろう」
「なるほどね、だから今日そんな格好なわけね」
「姉上には関係なかろう」
「、、、あんた、先輩の事好き、、ナンでしょ?」
「ゴフッ、、な、何をいうのじゃ!!」
唐突もなく言われ、さすがの秀吉も驚きを隠せなかった
「だってあんたが演劇部入部するって決めたのは先輩がいるからでしょ?」
「・・・・・・うむ」
「ふーーん。とうとうあんたも初恋ねぇ、いやあんたの初恋は吉井君だったけ?」
「吉井と比べて欲しくないのじゃ!先輩のほうがーー・・・・」
否定していたが、自らそれを否定して認めてしまった。落ち込んでる秀吉と対象的に木下姉はニヤニヤしていた
「そうじゃ、わしは先輩の事が好きじゃ!文句あるのか?わしはれっきとした男じゃぞ」
「悪くないわよ。いやーー、秀吉がとうとう青春だね?」

      ☆

「秀吉、演劇部の練習どうなの?」
「どうって?楽しいぞ」
「急にどうしたんだ?明久」
「いや、昨日さ、演劇部の副部長と部長が泣いていたからさ」
「なんでじゃ!!」
「わからない、会話は聞こえなかった」
その真相はその後の部活で判明した


「じつは、来週親の都合で転校するの」
それは明久のときと同じだった

「先輩」
「ごめんね、なかなかいえなかったの」
「いや、その気持ちは分かるのじゃ。身近にいたもんで」
「秀吉君」
「ナンなのじゃ?先輩?」
「精一杯青春しなさいよ!!」


「一体どうするの?あんたは」
「どうするって?なんじゃ?」
「言わないの?あんたの気持ち」
「わからないのじゃ」
「まったく、あいつと同じね」
「あいつって誰じゃ?姉上」
「吉井君よ、半年前の吉井君と同じ顔してるのよ」
「そうじゃったか。吉井も苦労していたのじゃな」
そう、木下姉は吉井の件と今回の件を両方を同じと考えていた。そして何も進まないままとうとう当日を迎えてしまった


演劇部では部長の送別会が行われていた

「先輩、やっぱり将来は女優ですか?」
「いやね、そんなに可愛くないわよ。私は劇団よ」

なんだかんだで先輩の送別会はおわった


一人屋上で考え事していると、ある男が現れた

「なんのようじゃ?坂本よ」
「いいや、別にようはないんだが木下姉に相談に乗ってやってくれっていわれてな」
「なるほどな、姉上も余計なことを・・・」
「いいのか?」
「やはり、おぬしも知っていたのか」
「いいや、知らない」
「じゃあ何がじゃ?」
「今お前が何かを必死に考えてるとしかしらない。自分のい気持ちを打ち明けるべきかどうか」
「なんでお主はそこまでわかるのじゃ?」
「同じだからな」
「何がじゃ?坂本よ」
「あの時の明久と、、その、、この前の俺と」
「わしもまだまだ甘いのう。じつは」
秀吉は坂本に全てを打ち明けた。自分が部長の事が好きだと。すると

「ふーん。なるほどな」
坂本の反応は秀吉にとって以外だった
「驚かないのか?」
「なんで驚く必要があるんだ?恋愛をするのは当然だろ」
「ありがとうなのじゃ」
「行って来い。秀吉」
「え?」
「行って来いって言ってんだよ。相手なんて関係ねぇ。俺も明久も最後は自分の気持ちに素直になって後悔はしてねぇ。むしろ、しない方がもっと後悔する」
「・・・・・」
「だから行って来い。好きならな」
「慰めてくれるか?」
「ああ、そのときは明久が何でも奢ってくれるさ」
「ハハハッ、それはいいのう」
「だろ?」
「じゃあ、坂本よ」
「ナンだ?」
「背中押してくれぬか?やはり恐いから」
「ふん。行ってこーい」
と、雄二は思いっきり秀吉の背中を叩いた。「やりすぎじゃ」と秀吉は苦笑いしながらも秀吉は全力で走った。先輩に会いに行くために


「ハァハァハァ、先輩」
「あら、秀吉君。どうしたの?」
「わしは先輩の事が好きなのじゃ」
秀吉はこの日生まれて初めて渾身の告白をした
「ナンだ。ちゃんと青春してるんだね」
「先輩?」
「じゃあ、秀吉君」
「何ですか?」
不思議と敬語で返してしまった。
「私、必ず劇団に入るから。秀吉君も頑張って来て!そしてその時また今の言葉聞かせてくれるかな?」
「それは、つまり?」
「わたしは君を信じて待っているからね?私の大好きな秀吉君」
「分かったのじゃ。待ってって欲しい」
「うん。待ってる」


「あ、秀吉ーーー。どうしたの?こんなところで」
偶然かどうかしらないがそこに明久が現れた
「明久よ、一つ頼みがあるのじゃが」
「なに?何でも聞くよ」
「じゃあラーメン奢ってくれぬか?今財布ないのじゃ」
「良いよ。どこ行くの」


「すいませーん。味噌チャーシューとトッピングの卵を2つと大盛りと餃子くださいなのじゃ」
「ひ、秀吉?頼みすぎじゃない?」
「何をいうのじゃ?何でも聞いてくれるのじゃろう?」

結局外見とは裏腹にラーメン代合計1800円を明久に払わせた。

「秀吉ーー。食べすぎだよ」
おかげで明久の財布は寂しくなっていた
「ありがとうなのじゃ。明久」
「でも、元気になってよかったよ」
 
 

 
後書き
読みづらかったらごめんなさい。これで恋愛編は一時終わりです
それでは良いお年をーーー 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧