MS Operative Theory
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巨大MS⁄MA②
——巨大MS⁄MAの実用性——
巨大MS⁄MAはその数こそ少ないが、宇宙世紀における戦乱のほぼすべて存在が確認されている。その用途は様々で、MA-08(ビグ・ザム)のような拠点攻略用やNZ-333(α・アジール)に代表されるサイコミュを搭載した強襲型、対MSも意識したNZ-000(クィン・マンサ)などが知られている。
巨大MS⁄MAの共通点として、通常のMSでは装備できない超大出力火器や大量の兵装を用いた制圧力などが挙げられる。これらは第四世代MSに近い特性だが、巨大MS⁄MAが第四世代MSと異なる点は、圧倒的な火力だけでなく、高い機動性や防御力を有している機体が多いことである。
また高機動タイプの巨大MS⁄MAは、長大な航続力と10Gを超える加速性を有しており、中にはアプサラス・シリーズのように大陸間弾道弾に匹敵する長距離・高速進出能力を持つ機体も存在した。このように巨大MS⁄MAは、単独での戦闘能力を追求されたモデルが多く、戦線の突破や維持の要としての機能が期待されていた。
——巨大MS⁄MAの構造、機能的特性——
巨大MS⁄MAは、その莫大なキャパシティやペイロードを利用して、多数の武装や大型の大出力核反応ジェネレーター、大推力スラスター、サイコミュなどの搭載が可能である(これらを搭載した結果、大型化したとも言える)。
基本的な構造は通常のMSやMA、可変機と同じだが、中には郷土の確保を目的として、サイコ・ガンダム系の様に多重構造のフレームを採用している機体も見られる。
■固定式大火力器
巨大MS⁄MAの多くは、大出力火器のプラットホームとしての側面を持つ。そのため、大型メガ粒子砲などを装備している。機体によっては複数装備しているケースもある。
■本体構造
新設計された大型のフレームを採用しているため、ペイロードに優れている。複数の兵装の装備だけでなく、重装甲化やIフィールドなどの防御デバイスの装備も可能である。
■サイコミュ
大型MS⁄MAの多くには、サイコミュやそれに準じた兵装が搭載されている。これはサイコミュを装備するために大型の機体が選ばれた側面と、最初からニュータイプ専用機として開発されたという二つのケースがある。
■スラスター
大型の機体の機動性を確保するために、スラスターも大型かつ大出力かつ大出力なものが複数基装備されている。また機体各所にアポ自モーターを設置することで、運動性の低下を防いでいる。
■追加装備
いくつかの大型MS⁄MAでは、プロペラント・タンクなどの追加装備が開発されている。これは機体の戦闘時間の延長を目的としたもので、使用後には切り離しが可能であった。
——巨大MS⁄MAのタイプ———「究極兵器」の有り様——
第四世代MS以上の戦闘力と攻撃力を追求して開発された巨大MS⁄MAは、攻撃型—————拠点攻略・防衛を強く意識したタイプ—————と、戦闘型—————対MS・MA戦を前提としたタイプ—————に分類できる。
実際にはほとんどの巨大MS⁄MAが両方の要素を持っているが、開発に当たってはどちらかに重点が置かれることが普通である。
➀拠点攻略⁄防衛用—————戦略⁄戦術攻撃型
ビグ・ザムやアプサラスⅢに見られるように、初期の巨大MS⁄MA波拠点攻略用に開発されたものがほとんどである。その戦法は、単独または同契機で編制された部隊で目標に接近、大出力メガ粒子砲で基地施設などを攻撃するというものである。
MRX-009(サイコ・ガンダム)は、ビグ・ザムに代表される拠点攻略タイプに対抗するために開発されてともいわれている。地球連邦軍初とされる巨大機動兵器、RX-78GP03(ガンダム試作3号機[デンドロビウム])も拠点防衛用に分類される。
●RX-78GP03(ガンダム試作3号機[デンドロビウム])
「ガンダム開発計画」で試作された、MSをコア・モジュールとする巨大MA。拠点防衛用とされるが、兵装を交換することで、対艦・対MS攻撃も可能である。
➁対MS・MA用—————戦闘型
対MS⁄MA⁄艦艇を想定し、「最強の機動兵器」として開発されたタイプ。強襲型と呼ばれるタイプも、これに分類できる。AMA-X2(ノイエ・ジール)やNZ-000(クィン・マンサ)、NZ-333(α・アジール)などがこのタイプにカテゴライズされる。
運動性の高いMSに対抗するため、Iフィールド・ジェネレーターや格闘兵装、サイコミュ制御式兵装を搭載した機体が多く、接近戦での高い戦闘力を発揮する。サイコ・ガンダムが拠点防衛用的な機体だったことに対し、MRX-010(サイコ・ガンダムMk-Ⅱ)は攻略用的な仕様の下に開発された機体であった。
●AMA-X2(ノイエ・ジール)
アクシズが開発した巨大MA。多数のメガ粒子砲やミサイルのほか、ビーム・サーベル兼用メガ粒子砲内蔵のクロー・アームを装備するなど、対MS戦を意識された機体である。
——フル規格の巨大MS⁄MAとモジュール構造式巨大MA——
巨大機動兵器は新基に開発されたタイプと、他の機体をコアとして拡張装備を増設したタイプに分けられる。ここでは、この分類法に従い、U.C.0090年代までに開発された巨大MS⁄MAを紹介する。
■単独で機能する巨大MS⁄MA
新基に設計された巨大MS⁄MAで、大半はこれに分類される。既存の機体から兵装や部品レベルの流用が行われることもあるが、基本構造は新基の物となっている。仕様に合わせた設計であるため、出力や強度を確保しやすいなどの特徴を持つ。脱出機能のは通常のMSと同じ射出座席やイジェクション・ポッドが大半だが、まれに頭部などのコックピットを内蔵した部位が移動能力を持つ場合もある。
●MA-08(ビグ・ザム)
ジャブロー攻略用に開発された、ジオン公国軍の巨大MA。機動性は低いが、大型メガ粒子砲による大火力とIフィールド・ジェネレーターがもたらす防御力は、一年戦争期には絶対的な威力を誇った。
●アプサラスⅢ
ギニアス・サハリン技術少将が設計した、ジオン公国軍ジャブロー攻略用MA。ビグ・ザムと同じく、大型メガ粒子砲を装備する。また、防御力よりも機動性を重視した設計で、大陸間弾道に匹敵する機動性を持つ。
●MAN-03(ブラウ・ブロ)
4基のサイコミュ制御式有線ビーム砲を装備した。ジオン公国軍のニュータイプ用MA。大型化による性能向上を目指したわけでなく、サイコミュを搭載した結果、大型化したというのが実情のようだ。最初期のニュータイプ用MAである。
●AMA-X2(ノイエ・ジール)
ジオン公国軍残党であるアクシズが設計、建造した大型MA。脚部を持たない大型MS的な側面を持つ機体で、対艦船だけではなく、対MS戦も得意とする。メガ粒子砲やミサイル、有線クロー・アーム、ビーム・サーベルなど、多彩な武装を装備する。
●MRX-009(サイコ・ガンダム)
ムラサメ研究所性のニュータイプ(強化人間)用の可変MA。MSN-02(ジオング)の技術がされた機体で、サイコミュを搭載している。多数のビーム砲を持つほか、Iフィールド・ジェネレーター、ミノフスキー・クラフトなどを搭載する。
●MRX-010(サイコ・ガンダムMk-Ⅱ)
ムラサメ研究所が設計したサイコ・ガンダムの航続機。サイコ・ガンダムの基本仕様に加え、機体各所へのビーム砲の増設、サイコミュ制御式ビーム・ソードやリフレクター・ビットなど、サイコミュ関連兵装が装備されていた。
●QRX-006(ゲミヌス)
U.C.0080年代後期、地球上空に出現した謎の巨大MA。MA形態は八面体で、内蔵した「サイコミュモビルスーツ」によるオールレンジ攻撃を行う。MS形態時には両椀を射出することも可能であった。
●NZ-333(α・アジール)
ネオ・ジオンが開発したニュータイプ用巨大MA。多数のサイコミュ制御式兵装(ファンネル、有線サイコミュ式メガアーム砲)のほか、口吻部メガ粒子砲などの武装を持つ。サイコ・フレームを採用しているとされ、巨体ながら追従性も高い。
●NZ-000(クィン・マンサ)
キュベレイやサイコ・ガンダムMk-Ⅱの影響を受けて開発された、ネオ・ジオン製のニュータイプ用巨大MS。多数のメガ粒子砲と30機のファンネルによる攻撃力、メガ粒子偏向器と肩部バインダーによる防御力など、当時最強のMSの一つであった。
■中核ユニットを持つコア・モジュール式
巨大MAのコントロール・ユニット(コア・モジュール)として、他の MAや通常サイズのMSを内蔵するタイプ。MA部分と同様にコア・モジュールも新規に設計する場合と、既存の機体を流用する場合がある。既存の機体を流用する場合、開発期間やコストを抑えられるが、総合的な面でみた場合、完全新設計モデルと比べ、性能に劣ることも多い。
●MSM-07Di(ゼーゴック)
軌道上から奇襲攻撃を行う特殊兵器システム「モビルダイバー・システム」の制御ユニットとして、MSM-07(ズゴック)を改装し、急増された。宇宙から大気圏内に大量の物質を移送するL.W.C.を兵器コンテナとして装備。ジャブローから打ち上げられる地球連邦軍艦艇を迎撃した。
●MA-05Ad(ビグ・ラング)
MA-05(ビグロ)を制御ユニットに用い、他の機動兵器の補給を行うためのAdユニット、弩級重装甲ブースターから成るモビル・フロントヘッド(機動前線橋頭保)。前線で味方機への兵装換装、補給を目的としていたが、ビグロ本来の機動性は著しく低下した。
●RX-78GP03(ガンダム試作3号機[デンドロビウム])
ステイメンと呼ばれるガンダム・タイプMSを制御ユニットとした大型MA。MA部分はアームド・ベース「オーキス」と呼ばれ、メガ・ビーム砲や武装コンテナ、Iフィールド・ジェネレーター、推進機、クロー・アームなどで構成された。
●AMA-01X(ジャムル・フィン)
ネオ・ジオンが開発した可変MA。本機そのものは小型の可変MAだが、メガ・ブースターや枠戦艦巡航用各パルス推進ブースターを装備することで、巨大MAに匹敵するサイズとなる。また、ジャムル・フィンは部分的に完成していた大型MAの再設計機でもある。
——U.C.0100年代の巨大MA——
ジオン公国及び、ネオ・ジオン系組織の求心力が低下したU.C.0100年代に入っても、クロスボーン・バンガードやザンスカール帝国などの新興勢力によって巨大MAの開発は続けられた。
地球連邦軍などと比べて国力に劣るこれらの新興勢力は、兵器の質を重視した戦略を採らざるを得なかった。そのため、巨大MAを持つ攻撃力を求めたと考えられる。また、第五世代MSやバイオ・コンピューターなどの新技術によって、巨大MAの性能が大幅に向上したことも、開発が続けられた一因とされる。
●XMA-01(ラフレシア)
クロスボーン・バンガードの秘密計画「ラフレシア計画」で開発されたMA。強化人間のカロッゾ・ロナ(鉄仮面)とネオ・サイコミュにより、125本ものテンタクラ―ロッドをも自在に操る。機体各所にはビーム砲を多数装備する。
●ZMT-A31S(ドッゴーラ)
ベスパが開発した巨大MA。龍の様な茶うダイなシルエットが特徴で、胴体はコンテナ状のブロックで構成されている。このブロックは必要に応じて切り離し可能である。ドッゴーラ1機で、一個中隊相当の戦力を持つと考えられていた。
後書き
次回 次期主力機選定トライアル
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