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ヘタリア大帝国

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TURN111 二つの切り札その四

 そのうえでだ、彼はこう言うのだった。
「ソビエト軍のやり方でいこう」
「相手のですか」
「それでいきますか」
「ああ、パイプオルガンだ」
 それを仕掛けるというのだ。
「それをやる」
「今は照準を定められないからか」
「そうだ」
 その通りだとだ、東郷はダグラスの問いに答えた。
「敵の場所は今はおおよそしかわからないからな」
「そのおおよその場所にパイプオルガンを仕掛けてですか」
「それでまずはスノー提督を倒す」
 今度は秋山に答える。
「そしてこの吹雪を消してだ」
「それからですね」
「ニガヨモギだ」
 そのニガヨモギへの攻撃もまずスノーをどうかしてからだというのだ。
「そうする、いいな」
「わかりました」
「それではだ」
 東郷はその言葉を続けていく。
「まずは主力でパイプオルガンだ」
「今からですね」
「攻撃用意」
 そのスノーの艦隊がある場所にというのだ。
「それにかかる、ただ」
「ただとは」
「艦載機は発艦させてもだ」
 それでもだというのだ。
「すぐには攻撃をしない」
「吹雪が消えてからですか」
「消えると共に連合軍の主力に攻撃を浴びせろ」
「そうされますか」
「そうだ、まずはだ」
 スノーをどうかしてからだというのだ、何もかも。
「そうするぞ、いいな」
「了解です」
 秋山が頷きそうしてだった。
 まずは艦載機が吹雪の中次々と発艦しスノーのいる場所にビームがセットされる。そして。
 吹雪を無数のビームが切り裂く、白い嵐を光の矢が打ち消していく。
 銀河の闇も切り裂きそうしてだった。 
 スノー艦隊がいる場所を集中的に撃つ、それを受けてだった。 
 そこにいたソビエト軍の艦艇は次々と沈んでいった、悲鳴が戦場に木霊する。
「なっ、まさか!」
「これはパイプオルガンか!」
「枢軸軍が我々の攻撃を使ってきたのか!」
「照準を定めずに!」
「まさか!」
「これは」
 スノーも言う、その次々と来るビームの中で。
「私を狙って」
「提督を狙ってですか」
「ここはあえて」
「狙いを定められないのなら」
 それならだと、スノーは言う。
「定めないといい」
「我々の様に」
「そうすれば」
「そう、簡単なこと」
 こう淡々と言うのだった。
「枢軸軍はそうしてきただけね」
「ある意味合理的ですね」
「そうしてくるとは」
「そうね、ただ」
「ただ?」
「ただとは」
「回避運動に入っているけれど」
 だがそれでもだというのだ。 
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