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ヘタリア大帝国

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TURN111 二つの切り札その一

                   TURN111  二つの切り札 
 ジューコフは戦後カテーリンをどうするか、そのことに関する日本つまり枢軸側の決定を東郷と山下から聞いた、そのうええで確かな顔で答えた、その返事はというと。
「わかった、それでは」
「枢軸に来てくれるか」
「そうして頂けるか」
「同志カテーリン書記長はソビエトに必要な方なのだ」
 ジューコフは彼女への敬意も見せて語る。
「確かに子供故の問題点もあるがな」
「政治力はある、か」
「それに統率力も」
「あの石については私も気付いていた」
 この辺りは流石だった、伊達にソビエトきっての名将ではない。
「あの石を見ると誰もが同志書記長の言葉に従ってしまう」
「しかしあの石を抜いてもか」
「カテーリン書記長はソビエトに必要か」
「共有主義はともかくとしてだ」
 このイデオロギーの是非はここでは一旦置かれて話す。
「あの方はロシアという国を正しく導いてくれるのだ」
「そう思うとレーティアさんに匹敵するな」
 東郷はここでカテーリンとレーティアを比較して話した。
「あの娘も」
「天才ではないがだ」
 だが、だというのだ。
「あれだけの努力家はいないだろう」
「それがカテーリン書記長か」
「生真面目で純粋だ」
「それが問題でもあるがか」
「必ず今以上に成長されロシアをよりよくしてくれる」
「そういえば誰もあの娘を批判しないな」
 山下はジューコフの話からこのことに気付いた。
「ソビエトの者は」
「ソビエトと人民のことを誰よりも心から考えておられるからだ」
「誰もがそれを知っているからか」
「だからだ、問題はあってもだ」
 それでもだというのだ。
「我々は同志書記長を必要としているのだ」
「若し我々があの娘を処罰すると決めていれば」
「その時私は頷かなかった」
 ジューコフは山下にも答えた。
「決してな」
「そうか」
「だが君達の国家元首は約束してくれた」
 無論まだ口約束でこれから彼自身が帝の前まで言って書類でやりとりをする、しかしそれでもだというのだ。
「それならだ」
「ではこれから御所に行き」
「正式に話をしよう」
 二人も頷きそうしてだった。
 ジューコフは御所で正式に約束を交わしそのうえで枢軸軍に加わった。枢軸軍はまた一人優れた人材を手に入れた。
 枢軸軍はモスクワから今度はロシア平原に駒を進めようとしていた、その準備は既に完全に整っていた。
 今まさにロシア平原に向けて出港しようという時にだった、ここで。
 侵攻前の偵察から戻って来たのぞみが東郷にこのことを話した。
「やはりどちらもいました」
「大怪獣と冬将軍がか」
「はい、どちらも」
 ロシア平原にいるというのだ。
「そしてソビエト軍の大軍とドクツの精鋭艦隊も」
「そうか」
「イタリン軍も」
 東郷はイタリン軍には何も言わなかった、聞いただけだった。
 のぞみも特に驚かずこう言うのだった。
「ソビエト軍の大軍とドクツ軍の精鋭も驚異ですが」
「冬将軍と大怪獣だな」
「ニガヨモギは恐ろしい存在だ」
 マンシュタインがここで話す。
「我々もその攻撃で一瞬で壊滅した」
「それで東部戦線は戦局が一変した」
 ドイツもマンシュタインと共に話す。
「総統がおられなかったせいもありだ」
「ああ、あいつをどうにかしないとな」
 プロイセンも一同に話す。
「どうにもならないぜ」
「そして冬将軍スノーだが」
 彼女についてはベートーベンが話す。 
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