バカとテストと死んだ世界戦線
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天使の猛攻!!……もといテストその1
前書き
久しぶりの本編です。それではどうぞ〜
校長室
ゆり「……ついにこの時期が来たか」
窓の外を遠い目で見ながら僕達のリーダーのゆりさんが言う
明久「どうしたの?ゆりさん。何かが起きるの?」
ゆり「天使の猛攻よ………」
天使の猛攻………?一体何だろう。もしかして天使が一杯出てきて戦線と血で争う戦いになるとか………
音無「猛攻って………どうしてだ?」
ゆり「テストが近いから」
僕の考えていたことが一瞬にして恥ずかしいものになった
音無「あ────………なぜ?」
高松「考えれば分かることでしょう。授業を受けることも大事ですが、テストで良い点を取ることも大事です。天使にとっては」
どうしよう……今すぐにでもこの記憶を虚無の彼方に消したい気がしてならない
ゆり「でも、逆にこのテスト期間で天使を陥れることができるかもしれない」
藤巻「何か思いついたみたいだな、ゆりっぺ。聞かせてもら────(バァン!!)聞かせてください」
最近思ったがゆりさんは上下関係が激しいと思う
ゆり「簡単に言うと天使をテストで最悪点を取らせるの」
雄二「つまり、そうすれば天使は生徒会長としての威厳を保てなくなり、一般生徒達の信用を下げるってことか」
ゆり「坂本君って馬鹿そうな顔してるけど頭いいのね………」
雄二「人はみかけで判断しちゃ───(ビリビリ)ギャ────!!」
霧島さんが雄二にスタンガンを当てていた
霧島「………浮気はダメ」
ゆり「あ───……霧島さん。あたしは坂本君に全く興味ないし大丈夫だから、ね?」
霧島「………分かった」
気絶している雄二を霧島さんがソファーに寝かせ、話し再会
ゆり「それでこのオペレーションに行く人は、吉井君、音無君、日向君、坂本君、大山君、高松君、竹山君、そしてあたし。このメンバーで行くわ。他の人はここで待機してね。それじゃ、オペレーションスタート!!」
呼ばれたメンバーと一緒に僕は気絶した雄二を運びながら教室に向かった
学習棟A棟 教室
教室に到着し、ゆりさんが指示をする
ゆり「テストの席を決めるのはくじ引きで決まるわ。天使の番号は36。あんた達、失敗しないでよ」
ということでくじ引きスタート
日向「20……ハズレか」
高松「11です。天使からは遠いですね」
大山「33…惜しい!!」
音無「25……ハズレだな」
雄二「8だ。まぁ、妥当にハズレだな」
ゆり「きゃ───!!1番よ──!!って何よ!このっこの!!」
ゆりさんがくじ引きの紙を踏んづけていた
明久「じゃあ次は僕だね。うーん……これだ!!」
引いた紙を開いてみると書かれた番号は
明久「ごめん……僕、7だ。ゆりさんの隣で後ろが雄二だよ……」
ゆり「ちっ!!誰かいないの?横でも後ろでも斜めでもいいから!!」
竹山「天使の1つ前です」
ここに救世主が現れた
ゆり「よっしゃあ!!良くやったわ!!」
竹山「で、何をやればいいんですか?」
天使に聞かれないようにゆりさんを中心に円になって話す
ゆり「テスト用紙を2枚持っておきなさい。集める時に天使とすり替えておくの。もちろん、用紙には名前以外何も書かないでね」
雄二「何も書かないでいたら逆に怪しまれると思うが」
ゆり「それもそうね……じゃあ馬鹿みたいな答えを書きなさい。書く内容は将来の夢よ」
竹山「やるのは物理のテストですよ……」
さすがに馬鹿な僕でもそんな答えは書かないけど……
ゆり「いいのよ。電車の車掌さん━♪とかイルカの飼育員━♡とか書いておけばいいのよ」
音無「相当な馬鹿だな……」
雄二「いくら明久でもそんな馬鹿な答えは書かないな」
明久「雄二。今軽く僕のことをひどく言わなかった?」
雄二「いや、事実だろ」
よし。このオペレーションが終わったら真っ先に雄二を殺そう
竹山「話を戻しますが、回収する際にすり替えるとなるとバレると思うんですが……」
ゆり「それは考えてあるわ。日向君!!テストを回収してる時にアクションをしなさい!!」
日向「ええ!?何で俺が!!」
ゆり「あら、何の為にあなたを選んだと思ってるの?」
日向「まさかそんな道化師役に選ばれるとは……」
苦労してるなぁ、日向君も
竹山「あ、待ってください。名前の欄にはなんて書けばいいんでしょうか?」
「「「「「「………………………」」」」」」
一斉に皆が黙った。え?ゆりさん達は天使の本名知らないの?
高松「天使」
日向「アホか。生徒会長でとおるんじゃね?」
大山「そうだよね。どうせイルカの飼育員とか書く馬鹿なんだから」
音無「いやいや、さすがに自分の名前も書けないようじゃダメだろ!!というか、お前達が名前を知らないのが驚きだよ!!」
ゆり「知る機会なんてなかったもの。じゃあ、職員室に行って名簿見てきなさいよ」
音無「……分かったよ」
そして音無君が教室に出ていこうとした瞬間、天使に止められた。皆で見守ってる中、特に天使に何もされず帰って来た
音無「名前聞いてきた。立華奏だって」
ゆり「ああ、そういえばそんな名前だったわね」
音無「知ってたのかよ!!」
ゆり「忘れていただけよ」
明久「え、でも分からないって(バコッ!!)痛ぁ!!」
ゆり「忘れていただけって言ったでしょ」
僕の鳩尾を殴った後、ゆりさんは膨れっ面でいた。僕、何か変なこと言ったかなぁ?
教師「はーい。全員座れー。テスト始めるぞー」
そこに教師が来て全員座り、テストが始まると同時に作戦も始まった
カリカリカリカリ…………
鉛筆の書かれる音が教室中に響く。一方、それに比べて僕ら戦線は真面目やらず、寝ていたり、間違った答えを書いていた。なぜそんなことをやっているというとその理由はゆりさんから言われていた
ゆり『真面目にテストの答えを書いちゃダメよ。消える要因になりかねないから』
まぁ、とにかく他のことに意識を向ければいい話というわけだ。テストや授業を真面目に受けただけで消えるなんて本当に不思議な世界だよなぁ……
キーンコーンカーンコーン……
教師「はい。じゃあ、後ろから集めてー」
チャイムの音が響くと同時にNPC生徒達が疲れたような声が聞こえる。さて、ここで日向君がどんなアクションをするかが問題だ
日向「な、なんじゃありゃあ───!!グラウンドから超巨大なたけのこがにょきにょきとぉ────!!」
精一杯アクションしたが誰も見向きもしなかった。日向君も悔しそうに席に勢いよく座る
ゆり「たくっ……仕方ないわね」
ゆりさんが誰にも見られないようにリモコンらしきものについているボタンを押すと
しゅごぉぉぉぉぉぉ!!!!
日向「ぬはぁ────────!!!!」
ドゴォン!! ←頭がモロにぶつかった音
イスが急に垂直に飛び、日向君は天井に激突して痛さでのたうちまわっていた
テストが終わり、ゆりさんのとこに集まる
ゆり「万が一、失敗した時にイスの裏に推進エンジンをつけておいたの。どうだった?ちょっとした宇宙飛行士気分は?」
日向「一瞬にして天井に激突して落っこちたよ!!」
明久「ていうか、推進エンジンを作ってたのが逆に驚くんだけど…」
まさかとは思うけどギルドの人達が作ったのかもしれない
ゆり「作戦は成功ね。竹山君」
竹山「ぬかりありません。後、クライスト──」
ゆり「じゃあ、次にアクションをやるのは高松君よ」
高松「わ、私ですか!?その役割は日向さんでは?」
ゆり「ねぇ、高松君。狼少年の話し知ってる?」
高松「繰り返される嘘はやがて信憑性を失う──ってまさかその為に頭数を!?」
つまりここにいる全員が失敗すれば日向君と同じようになるわけか………結構やばいかも
高松「じ、辞退をさせてください!!」
ゆり「うふふ♪やるのよ♪」
日向「あきらめろ。そして天井に激突しろ」
高松「絶対に全員が注目するのを考えないと……!!」
頭を抱えながらネタを考えている高松君はなんか可哀想に見えてきた……
日向「それにしても竹山はいいよな。ただテストをすり替えるだけでいいし」
竹山「何言ってるんですか!!こっちだって重要なリスクを負った作業をやってるんですよ!!」
高松「では、代わってください」
竹山「嫌ですよ!!これは僕にしかできない神経のいる作業をやっているんです!!そっちは頭が激突したくらいでいいじゃないですか!!」
日向「なんだと!!俺達は馬鹿って言いたいのか!?」
そこから激しく続く口論が続く。そして我慢の限界なのかゆりさんが
ゆり「こらぁ───────!!お前ら喧嘩するなぁ────!!」
怒声が教室中に響き、NPC達がこっちを見ていた。そして天使が立つ。やばっ!!
僕と音無君は立華さんの元に向かった
音無「いやぁ!すまん!実はさっきテストの答え合わせをしていてな!!」
明久「そうそう!!それで日向君が0点をとって乱心になっちゃって!!」
音無「今はもう落ち着いたから大丈夫だ!!万事OKだ!!」
立華「……そう」
納得して立華さんは席に座った。なんとか誤魔化せたようだ。ふぅと息をたてながらゆりさん達の方に戻る
明久「一応、誤魔化せたよ………」
ゆり「……今のは助かったわ。ありがとう」
日向「さっきも俺も言い過ぎたな」
戦線のみんなも安心したのかはぁと息をたてる
竹山「あ、次の回答はどうすればいいですか?」
ゆり「教科は何?」
竹山「世界史です」
ゆり「じゃあ、地球は宇宙人に侵略されていたってことを書きなさい」
明久「それってもう馬鹿の領域超えてるよね?」
そういう答えを書く人は障害者並の頭かもしれない
教師「テスト始めるわよー。座ってー」
教師がみんなを座らせ、二回目のテストが始まった
〜50分後〜
キーンコーンカーンコーン………
教師「はい。じゃあ、後ろから集めてー」
テスト終了のチャイムが鳴る。テストを集めてる途中、高松君が立つ。アクションをするようだ
教師「どうしたの?そこの君?」
高松「先生。実は私────」
突然、高松君は上半身裸になった
高松「着痩せするタイプなんです!!」
だから何だと言いたいほどどうでもいいことだった。鍛えられた筋肉を全員に見せる。もちろん、誰も高松君には注目しなかった
高松「どうですか?」
教師「分かったから座りなさい」
高松「はい……」
そのまま大人しく席に座ると同時に
ぼしゅうううううう!!
高松「ぐふぉ──────!!!!」
ガゴン!!←天井に頭が激突した音
高松君は回転しながら天井にぶつかってそのまま気を失っていた
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