ヘタリア大帝国
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TURN109 モスクワ攻防戦その九
「車懸りも然りだ」
「そういうことだな」
「ではだ」
「全軍まずは艦首を向けるな」
絶対にだというのだ。
「一撃を受ける、回避運動も取るな」
「艦のバリアで防ぐのですね」
「そうだ」
とにかく敵に気付かせないというのだ。
「わかったな」
「わかりました」
日本が東郷の言葉に一同を代表して答える、そしてだった。
ドクツ軍の車懸りを受ける、プロイセン妹はそれに気付かず一撃目を放った。
それは枢軸軍の側面を撃った、彼女はそれに手応えを感じた。
「よし、いい感じだよ」
「?おかしいわ」
だがここでだ、ドイツ妹が異変に気付いた。
「敵のダメージが少ないわ」
「少ない?」
「思ったよりもね」
「そういえばそうかも」
言われてだ、プロイセン妹も気付いた。
「これはね」
「まさかと思うけれど」
「向こうには兄貴達に総統さんもいたね」
「ええ、私達のことを知っているから」
それでだというのだ。
「私達のことに気付いていても」
「不思議じゃないね」
「車懸りも」
気付いているのではないかというのだ、だが既に。
車懸りの第一波は仕掛けられ次の攻撃に移ろうとしていた、その時にだった。
枢軸軍は一気に艦首を向けた、そのうえで。
ドクツ軍の方に来た、まずはドクツ軍が持たない艦載機で来て。
ビーム、ミサイル、最後に鉄鋼弾で攻める。その波状攻撃でドクツ軍を一気に押し返したのだった。
それからソビエト軍に向かう、彼等はまだ堅固な方陣を組んでいる。
しかしその方陣を見てだ、東郷は言うのだった。
「確かに堅固だがな」
「これまで通りですね」
「方陣は集中攻撃だ」
そうすればいいというのだ。
「ここはな」
「方陣にも攻め方がありますね」
「やはり無敵の戦術なぞない」
東郷はレーティアに言われたことをモニターにいる日本に話した。
「そういうことだ」
「そして方陣にもですね」
「守りは堅いし連携もしている」
「しかしそれでもですね」
「連携の外れの陣を各個撃破していく」
集中攻撃を浴びせてだというのだ。
「そうしていけばいい」
「そうでは」
「方陣への攻撃に入る」
これまで通りそうしてだというのだ。
「破っていこう」
「方陣だけなら問題はありませんね」
「盾だけでは戦えない」
剣もなければだというのだ。
「剣は今潰した」
「ドクツ軍は」
「後は盾を潰すだけだ」
ソビエト軍、彼等をだというのだ。
「そうしよう」
「では」
今度は再びソビエト軍への攻撃に入る、その陣を各個撃破していく。そうして彼等を徐々に減らしていってだった。
彼等に圧迫を加える、その圧迫を見てゲーペがジューコフに問うた。
「閣下、どうされますか」
「こうなっては仕方がありませんな」
友軍もいなくなり数も減っている、それではだというのだ。
「撤退するしかありません」
「そうですか」
「モスクワでの戦いは敗れました」
既に数はソビエト軍の方が少なくなっている、そこまでやられてはというのだ。
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