ヘタリア大帝国
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TURN108 トライアスロンその四
「この競技はな」
「皆さんが頑張ってくれることを期待しています」
帝も微笑んで言う。
「今回は」
「スポーツマンシップに基いてな」
柴神も応える、そうした話をしてだった。
その開催を見守る、その競技が遂にはじまった。
まずはピストルが鳴り選手達は海に飛び込む、そうして長い距離を泳ぐ。
ランスはその中で平泳ぎで勢いよく泳ぐ、その中で言うのだった。
「よし、俺が優勝だ!」
「乗ってるな、ランスさんも」
「あんたには悪いが優勝は貰うからな」
横にいる東郷に自信に満ちた笑顔で返す。
「そうさせもらうからな」
「そうか、それではな」
「全力で行くからな」
その言葉通りランスは勢いよく進む、しかもその中で体力はしっかりと配分していた。
トップ集団を進む、そのトップ集団は彼にだった。
山下とスカーレット、そして東郷だった。この四人をダグラス達が追う。
「あの四人は凄いな」
「全くです」
ダグラスにマンシュタインが応える。
「私も体力には自信がありますが」
「それでもだよな」
「あの方々は別格ですが」
マンシュタインは自分達の前を泳ぐ彼等を見て言う。
「体力が違い過ぎます」
「俺も身体は鍛えてるんだがな」
ダグラスは映画スターだった、スターとしてスタイルを維持してきた。そして今も健康の為トレーニングは欠かしていない。
だから身体能力にも自信がある、だがそれでもだった。
「本当にな」
「あの方々は違います」
そうだというのだ。
「圧倒的です」
「こりゃ今回もしてやられるか」
ダグラスは苦い顔で呟いた。
「これはな」
「仕方ないな」
ここでアメリカがダグラスに言って来た、トップの次の集団には彼もいるのだ。
「実力が違い過ぎるぞ」
「祖国さんから見てもか」
「僕も体力には自信があるぞ」
伊達にエイリスを追い越した訳ではない、その馬力はかなりのものだ。
「それでもだ」
「あの四人には負けるか」
「今回の競技はあの四人の誰かだ」
優勝するのはというのだ。
「本当にな」
「そうか」
トップ集団と彼等の違いはかなり出ていた、そしてだった。
言うなら次点の集団、彼等の中には日本や中国もいた。中国は青息吐息でこう言っていた。
「と、歳には勝てないあるか」
「あの、私達八国は大体同じ歳ですが」
日本がその中国に言う。
「中国さんは」
「何か身体にがたがきているある」
如何にも年寄りという言葉だった。
「どうしたものあるか」
「その割には速くないかしら」
「そうよね」
リンファとランファは自分達の祖国を見ながら話した、二人も次点の集団にいるのだ。
「祖国さん元々体力があるから」
「身体のがたも最近かなりましになってきてるしね」
「優勝は無理にしても」
「ちゃんとやれるでしょ」
これが二人の見立てだった。
「むしろハニートラップさんの方が」
「まずいわよ」
そのハニートラップは最後尾の集団だった、泳ぎながら疲れきった顔だった。
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