この明るい星空の下で。
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奏、優しさの理由。~慧~
俺達が慧の誕生日プレゼントを考えている間、諭はなにをしていたんだろう。
時間は昨日に遡る。
僕は夏休みの最終日、水上さんに呼び出された。
「慧くん、今日は 奏くんの家に集合ね♪瑞希も一緒だから。」
「うん、分かったよ水上さん。」
SOS団みたいだね水上さん。
僕は、Tシャツにバックを持つと自転車にまたがった。
イザヨイの家に着くとみんなも集まっていた。
「やぁ、瑞希。」
「慧くん、おはよう♪」
「先輩!ひどいです!」
「まぁいい、入れ。」
僕は最初に玄関に上がり、リビングに駆け込んだ。
「いや~涼しいね♪」
「そ~ですな~」
「おっさんか。」
ぼくたちが話をしている間にイザヨイが超不満そうな顔で帰ってきた。
「・・・・・?」
疑問に思いながらも水上さんの兄の話と明日からの活動の話で忘れていた。
次の日、
僕は始業式に来ていた。
校長先生の長い話が終わり、僕は瑞希と帰ろうと探していた。
「おい、プレゼントなにがいいか考えて来たぞ。」
イザヨイが瑞希と話していた。
「・・・・・」
よく聞こえない。
二人を悪いとは分かっていながらつけることにした。
二人は学校裏の丘に来ていた。
何かを言っているようだが聞こえない。
「!?」
イザヨイは瑞希に髪飾りを渡していた。
「イザヨイ・・・・」
イザヨイはいつもの不満そうな顔で望遠鏡を渡して帰っていった。
「十六夜!」
「なんだ?」
「なんで夜空があんたのことを好きになったのかわかった気がする!」
「・・・・・!?!?」
どういうことだ!なんで?なんで?
僕は走り出していた。
下駄箱まできて。
「イザヨイ!」
「ん?どうしたんだ。」
「君は・・・・瑞希となにをしたいたんだ?」
「・・・・・・・」
「なんか言ってくれよ!イザヨイ」
「・・・・・」
「ねぇ!イザヨイ!」
僕はイザヨイの無表情な顔に殴りかかっていた。
「ぐっ!」
イザヨイは抵抗しなかった。
「なにやってんの!」
「瑞希・・・・君には関係ない。」
「あるよ・・私の大切な人は慧くんだけだもん!」
「!?・・・・」
「・・・・・・」
「十六夜は慧くんの誕生日プレゼントを考えてくれていただけ!」
「!?・・・イザヨイ・・・
じゃ、じゃああの髪飾りは!?」
「十六夜が夜空にあげるつもりだったものを慧くんのプレゼントとしてわたしてくれって言われたの。」
「・・・・・・・どうやら俺は余計なことをしたようだな。」
イザヨイはバッグを持つと自転車置き場に歩いていこうとした。
「待ちなさいよ。あんたはこれでいいの?」
「・・・・・これでいいんだ。」
イザヨイはそういいのこし自転車置き場に向かっていった。
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