トライアングラー+α
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一話
前書き
一度死んだ人間…
俺は一度死んだ人間…
恩義に報いるまで、この体朽ちるまで、フロンティアを守ると決めた…
SMS…
民間軍事プロバイダーのSMS。そこが俺、バリー小島の職場…要はパイロットだ。バルキリーと言う戦闘機でパイロットをやっている。
フロンティアを守るため?英雄になりたい?そんなチンケな理由じゃねぇ…俺は…俺は…
フロンティア宙域
「こちらスカル小隊隊長オズマリーだ!こっからは俺たちが引き継ぐ!行くぞ!」
「フェニックス小隊!了解!」
突然のバジュラの襲撃。
スクランブル発進したバルキリーVFー24を駆って出撃した。
「オズマの旦那!久々の実践でヒヨッてねーかい?」
「ゴタゴタうるさいぞバリー!」
「こちらスカル4!バジュラがフロンティアに進入したぞ!追う!」
逃がしたバジュラが一匹、フロンティアの「壁」にとりつき、壊し進入したのをスカル4こと、ギリアムが見逃さなかった。
「こちらフェニックス1!ギリアムのケツ持ちだ!フェニックス小隊も突っ込め!」
隊長のバリーのかけ声一斉に穴から入っていった。
「ギリアム!」
すぐさまスーパーパックをパージして、ガォーク状態でフロンティア内に入ると、すぐさまスカル4のフォローに回った。
「こちらフェニックス3!隊長!助けてくれ!うぁー!!!!」
「ガイナス!!」
フェニックス3が被弾し、爆破されてしまった…
「このクソ虫がぁ!!!!!!」
ファイターになり、残りのバジュラを駆逐したが、ほかのフェニックス小隊にも反応がない。
全滅したのだ…
「クソ!!」
しかし、今は戦闘中。必死に索敵すると、ギリアムが交戦していた。
「…イヤ…ギリアムじゃない?誰だよアイツ!」
ガォークになり、フォローに行くと、すでにオズマがフォローに回ってた。
「バリー!お前はほかを頼む!」
「旦那!ラジャー!」
部下の不始末は上司が持つ…あの人らしいや。
「さぁて…俺も上司だしな…部下の仇討ちと行きますか…食らえこのクソ虫共がぁ!!!!」
バジュラに向けて、ありったけのミサイルを撃ち込んだ。
「彼らは勇敢に戦った…今は眠れ…我が友よ。」
「敬礼!」
正装のSMSスタッフが、棺に向かい、敬礼をする。
司令官のジェフリーワイルダーが、手向けの言葉を言うと、操舵手である、ボビーが、号令をかけた。
葬儀もつつがなく行われ、バリーは、オズマのところへ向かった。
「旦那…今回は…」
「お前の気にすることではない。むしろ、フェニックス小隊全滅の方が痛いじゃないか…それよりだ…」
そういうと、アタッシュケースから、資料を持ち出した。
「お前のスカル小隊復帰が決まったぞ。フェニックス小隊がお前1人じゃ動けないだろう。当分はまたウチでやってもらうぞ!」
元々はスカル4とは、バリーの事であったが、昇進とともに、フェニックス小隊を任されることになったのだ。
「また旦那にスカル4と呼んでもらうと思うと、ワクワクしますよ。」
「いや…コールナンバーは、スカル5だ。」
「じゃあスカル4は?」
「前の戦闘で、ギリアムがやられた後、誰かがあのバルキリーに乗って居たろ?そいつが、正規入隊する。」
一瞬ムットしたが、俺も大人だ…コールナンバーなんぞ関係は…
「我慢したって無駄だぞ。青筋がたってる。」
後ろから、医者でもあるカナリアに叩かれた。
「姐さんまで…しかし、その早乙女ってやつはどんなやつなんですか?聞くとこによると、ミシェルの友達だそうじゃないっすか!」
「まぁな。だから、当分は、お前とミシェルで、シゴいてくれ。頼んだぞ。」
ふてくされたような顔をするが、オズマの頼みを断ることなどできず、渋々了解した、入寮は明日だというので、バリーも戻って準備をすることにした。
「オズマ…いいのか?」
カナリアが、心配そうにオズマを見つめた。
「あいつも、部下を失って、精神的に参ってるだろう…吹っ切れる要素を作ってやらねばな…」
車中、バリーは、なんとも言えない気持ちにさいなまれていた。
初めて指揮を執った隊での失態…そして初めての部下の殉職…
「俺があのとき、考え無しにつっこまなければ…」
誰に言うでもなくつぶやく…
「クソっ!!!!」
思わず感情が出てしまい、ハンドルを叩いた。
車通りの少ない道路で虚しく車のホーンだけが鳴る…まるでバリーの、フェニックス小隊の面々のやり切れない気持ちを代弁するかのように…
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