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FAIRY TAIL 真魂の鼠

作者:紺碧の海
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第九話 『悪鬼邪神の村』

 
前書き
はいど~も~☆07でぇ~す☆
今回はRFG(リアルファンタジーゲーム)でナツ&ハッピー&グレイが大暴れっ!?
今回はFT真鼠(FAIRY TAIL)初の途中で目線が変わります。最初はなんとハッピー目線で書いていきますっ!!
それでは、第九話・・・どうぞっ☆ 

 
おいらとナツとグレイは空想の世界(ファンタジーワールド)の入り口、『始まりの門』を潜った。するとそこは・・・

ナ&グ「うぉ~!!」

ハ「うわぁ~!!」

空が『始まりの門』のように虹色に光り輝いていたんだ。おいら達が立っているのは小高い丘の上。丘の下には小さな村が見えた。

ナ「あの村に行ってみよーぜ!」

グ「だな。ん?おいナツ、何だその服?」

ナ「はっ?お前こそ何だよその服は?」

よく見ると、おいら達の服装は『始まりの門』を潜る前と違っていた。ナツは少しボロボロの灰色の服に薄汚れた黄土色のズボン、茶色いサンダル姿。首にはイグニールから貰った鱗柄のマフラーもちゃんとある。グレイはカーキ色の服にギルダーツが羽織っているのと似た黒いローブに、薄汚れた藍色のズボンに黒いブーツ。おいらはなぜか赤い風呂敷を背負っていた。風呂敷の中に何か入ってる。何だろう?おいらが風呂敷を背中から下ろして中を見てみようとすると、

?「ストーーーーーップッ!!!」

ナ&ハ&グ「!!?」

声のした方に目をやると、丘のふもとからすごい砂煙が上がっている。

ハ「誰かがこっちに向かってものすごい速さで走ってるっ!?」

ナ「何だあいつ?」

すると、砂煙を巻き上げながらおいら達のいる丘の上まで来ると急ブレーキをして止まった。

?「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」

走って来たせいか、息がすごい荒い。しばらく呼吸を整えると、おいら達の方に顔を上げて、

リ「RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』の挑戦者(チャレンジャー)の方々ですね?お待ちしておりました。僕は『悪鬼邪神の村』の案内役のリメンと言います。よろしくお願いします。」

リメンは黒に近い紫色の髪の毛と瞳に、白いマントを羽織っている。胸には楕円形の形をした紫色のペンダントを付けている。

グ「『悪鬼邪神の村』?」

リ「皆さんが挑戦(チャレンジ)するRFG(リアルファンタジーゲーム)のステージ名です。今から少し『悪鬼邪神』の事とステージ上での幾つかのルールを説明しますね。」

リメンはそう言うと、一度丘の下に見える小さな村を指差して、

リ「あれが、このRFG(リアルファンタジーゲーム)のステージ、『悪鬼邪神の村』です。」

ナ「どう見ても普通の村にしか見えねぇけど・・・?」

ハ「あい。すごく平和そうな村だよ。」

だって、村にいる人たち、すごく楽しそうだもん。

リ「あの村の本当の名はココナッツ村。見てのとおり、とても平和な村なんです。でも、平和なのは昼間だけ。夜になると、ココナッツ村は『災いの村』になってしまうのです。」

グ「夜に・・・?」

リ「五十年程前、ココナッツ村に一人の青年が訪れたのです。久々に村に立ち寄った客人だったので、当時のココナッツ村の村人たちはその青年を歓迎しました。ですが、その青年の招待は当時恐れられていた災いを次々に齎す神、『邪神』だったんです。『邪神』はココナッツ村に住みついてしまったんです。ですが、『邪神』は日の光が苦手で昼間は姿を現しません。が、夜になると『邪神』は活発に動き出し、村人の体に取り憑き、ココナッツ村に災いをもたらすんです。その時からココナッツ村は『悪鬼邪神の村』と呼ばれ続けているのです。」

たぶん、この話を聞いてナツとグレイもおいらと同じ事を思っていると思う。



・・ゲームなのにすごい設定・・・



ってね。

ナ「んで、俺たちは何をすればいいんだ?」

リ「ここで一つ目の試練ですっ!!」

いつの間にか、リメンの手の中に一枚の茶色く薄汚れた和紙が握られていた。グレイがリメンから和紙を受け取って開くと、墨で文字が書かれていた。

グ「RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』、一つ目の試練。」

ナ「ココナッツ村に潜入しろ。」

な、何か、難しそうだな・・・

リ「RFG(リアルファンタジーゲーム)内で、皆さんは五十年ぶりにココナッツ村に立ち寄った旅人の設定です。『邪神』の事や『悪鬼邪神の村』の事は知らないつもりでいて下さい。それと、ハッピーさんの背中にあるその赤い風呂敷・・・」

ハ「これ?」

リメンがおいらが背負っている赤い風呂敷を指差す。グレイがおいらの背中から赤い風呂敷を取ると風呂敷の中を開けた。風呂敷に包まれていたものは蓋の付いた小さなガラスの小瓶。

リ「それは『邪神』を封じる事が出来る『邪封瓶』です。『邪神』を封じる時、この瓶の蓋を開けて『邪神』を封じて下さい。」

『邪封瓶』は使う時までおいらが持っている事にした。落とさないように気をつけないと・・・!おいらは『邪封瓶』を慎重に風呂敷に包み、慎重に背中に背負う。

リ「後、僕は常に皆さんの傍で案内役をさせて頂きます。が、ココナッツ村の人たちには僕の姿は一切見えません。困った事があったら、僕か村人たちに聞いて下さい。以上で、RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』のルール説明を終わりますが、よろしいでしょうか?」

ナツは炎を纏った右手の拳を広げた左手の平にぶつける。バスッと音がする。

ナ「あぁ。十分だ。」

グ「面白くなってきたじゃねぇか。」

ハ「あいっ!!」

おいらたち、すっかりRFG(リアルファンタジーゲーム)に燃えてるよ。

リ「それでは、RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』・・・スタートですっ!!」

リメンが空に向かって指をパチンッと鳴らした。

****************************************************************************************

               『ここからナツ目線でいきます。』

俺達は今ココナッツ村の門の前にいる。

ナ「行くぞーっ!!」

リ「あんまりはしゃがないで下さいね。あくまでも、皆さんは五十年ぶりに訪れた旅人とゆう設定なんですから。」

あ、すっかり忘れてたぜ。気を取り直して、俺達は初めてココナッツ村に訪れた旅人のように辺りをきょろきょろ見回しながら村に潜入した。村人たちは俺達を見ると目を見開いてその場に立ち竦んでいた。中には手に持っていた水の入った桶や木の実が大量に入った籠を落とす人もいた。

村1「そ、そそ、村長ォォォッ!!シオン村長ォォォォォッ!!!」

村人の一人がものすごい速さで村長を呼びに行った。村長はすぐに現れて、俺達の目の前まで来ると、

シ「お主等、いったい何奴じゃ。」

茶色がかった小さな目をめいいっぱい広げる。が、やっぱりちっちぇ~。

ナ「俺たち、ココナッツ村のじゃもがっ!」

後ろからグレイに口を塞がれる。

グ「通りすがりの旅人だ。」

ハ「あい。おいら達を、一晩この村に泊めてくれないかな?」

ハッピーの言葉で村の人たちはざわついて、お互い顔を見合わせたり小声で何か言っている。その間にグレイが俺の口を塞いだまま耳元で、

グ「バカ!リメンが言ってただろ。俺達は今ここに来たばかりの旅人のふりをするんだよ。」

ハ「『邪神』の事を言ったら、変に思われて何されるか分からないんだよ。」

そ、そうだった・・・気をつけねぇとな。すると、村の村長が、

シ「お主等、この村の事について何か知っておるか?」

村長も含めて、村人が疑わしそうな目で俺たちを見る。

グ「いや、ここに来たのは初めてだ。ここは何て言う村なんだ?」

村2「ここはココナッツ村と言う村よ。」

ハ「ココナッツ?美味しそうな名前だけど、初めて聞いた村だよ。」

ナ「お、俺達、ずっと旅してきたから疲れたんだ。一晩だけでいい。この村に泊めてくんねぇか?」

俺もグレイとハッピーの演技に合わせて言う。すると、村人たちの顔が優しそうな表情になった。

シ「そうですかそうですか。ささ、歩き疲れた事でしょう。こんな村でよろしかったら、どうぞゆっくりして行って下さい。ワシはココナッツ村の村長、シオンと申します。」

ナ「俺はナツだ。よろしくな。」

ハ「ハッピーです。」

グ「グレイだ。一晩よろしく頼むぜ。」

シ「では、宿に案内致しましょう。」

俺達はシオンの後に続いて一晩泊めてくれる宿に向かった。宿に向かう途中、村人からは姿が見えないリメンが、

リ「一つ目の試練、達成(クリア)ですっ!!」

村人からはリメンの姿が見えないだけでなく、リメンの声も聞こえねぇみたいだ。俺はグレイと横目で見合った。すると、家の陰から誰かが覗いてるのが見えた。よく見ると女だ。長い赤毛を後ろで一つに束ねていて、茶色がかった瞳で俺たちの事を見つめていた・・・いや、睨んでいたの方が正しいな。そいつは俺が見ているのが分かったのか、家の陰に隠れちまった。

****************************************************************************************

グ「一つ目の試練はOKだな。」

宿に着いた俺たちは少し寛いでいた。宿は木で出来ていた一部屋ずつ結構広い。ルーシィの家と同じくらいだな。

リ「それじゃあ、二つ目の試練ですっ!!」

いつの間にか、リメンの手の中にまた茶色く薄汚れた和紙が握られていた。グレイがリメンから和紙を受け取って開くと、また墨で文字が書かれていた。

グ「RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』、二つ目の試練。」

ハ「『邪神』が住みついている岩を探し出せ。」

ナ「岩?って、『邪神』って岩に住んでいるのかよっ!?」

グ「こりゃあ、かなり難しい(ハード)試練だな。」

ハ「何の手掛かりも無いのに~。」

リ「だからこそ試練って言うんです。さぁ、夜までに『邪神』が住みついている岩を探し出さないと、ココナッツ村は救われませんし、皆さんも帰る事が出来ませんよ。」

んな事分かってるっつーのっ!!俺達は村の人たちにバレないように、宿の窓から飛び下りた。ハッピーの場合は飛んで下りただけどな。

グ「岩って言うくらいだから、普通は村から離れた所だよな。」

ハ「さすがグレイ。相変わらず勘だけはいいね☆」

グ「ハッピー、『だけ』は余計だぞ。」

そんな事より、そうと決まれば早速『邪神』が住みついている岩を探すぞーっ!!俺達が歩こうとした時、

?「おいっ!」

ナ&ハ&グ&リ「!!!?」

いきなり後ろから声を掛けられた。恐る恐る振り返ると、

ナ「あーーーっ!!お前はっ!!」

ハ「ナツ、知ってるの?」

知ってるも何も、こいつ、さっき俺たちの事を家の陰から睨んでた奴だっ!!

?「別に睨んでなんかいない。生まれつき吊り目なんだよ。」

グ「お前と一緒だな。」

こんな奴と一緒にされたくねーーーっ!!つーかこいつの方が吊り上がってんじゃねぇかっ!!

ナ「んで、お前誰だ?」

?「それはこっちのセリフだ。何でわざわざ旅人のふりまでなんかして、『邪神』の事を調べに来たんだよ?」

ハ「何で知ってるのっ!?」

?「さっき宿に忍び込んでお前等の話を盗み聞きしたんだ。」

お前悪いな~。

ホ「あたしはホーリー。ココナッツ村の村人だ。あんた等、確かナッツとはっぴとグレーだったけ?」

ナ「俺はナツだっ!!食べ物なんかじゃねぇーーーっ!!」

ハ「おいらだって着る物じゃないよぉ~。」

グ「俺なんか色になってるぜ・・・つーか、お前ナツより聞き間違いひでぇ~んじゃねぇの?」

どうゆう意味だよグレイ。

ホ「そんな事はどうでもいいだろ。それより、あんた等『邪神』が住みついている岩を探してるのか?」

もうバレちまったから隠しても意味ねぇよな。

ナ「あぁ。けどよ、お前には関係ねぇよ。おい、ハッピー、グレイ、リメン、行くぞ。」

ハ「あいっ!」

グ「へいへい。」

リ「僕の名前は村人たちの前で口に出さないで下さい。

俺達が歩き出そうとすると、

ホ「おい。」

また止められた。いい加減行かせろよ~。

ホ「あたし、『邪神』が住みついている岩の場所知ってるんだけど?」

ナ&ハ&グ&リ「!!!?」

ホーリーの言葉に足が止まった。案内役のリメンまで驚いている。

グ「ほ、ほんとに知ってんのかっ!?」

ホ「あぁ。あんた等なら、もしかしてココナッツ村を『邪神』から救ってくれるんじゃないかと思ってな。あたしは、あんた等を信じるよ。」

ナ「・・・俺達も、お前の事、信じていいんだな?」

ホ「あぁ。」

俺は炎を纏った右手の拳を広げた左手の平にぶつける。バスッと音がしする。

ナ「おしっ!その岩の所に案内してくれ。」

ホ「任せな。あたしについて来な。」

俺達はホーリーの後に続いて『邪神』が住みついている岩の場所へ歩き出した。

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俺たちは二つ目の試練を達成(クリア)する為に、『邪神』が住みついている岩の場所を知っているホーリーの後に続いている。が、その場所へ向かう道が険しすぎる。崖を登ったり、ボロボロの橋を渡ったり・・・命がけだ。

グ「ま、まだ、着かねぇのか・・・?」

ハ「おいらもうヘロヘロだよ~・・・」

ナ「お前飛んでるじゃねぇか。」

俺達はすでにヘロヘロだった。それとは裏腹に、

ホ「ったく、情けねぇなぁ~。あんた等それでも男か?」

ホーリーはピンピンしている。お前元気すぎるだろ・・・

ホ「岩の場所はすぐそこだ。あそこまで頑張れっ!!」

ホーリーの言うとおり、岩の場所はすでに目と鼻の先にある。そして、

ナ&ハ&グ&リ「つ、着いたぁ~・・・」

『邪神』が住みついている岩の場所にようやく辿り着いた。つーか、どんだけ村から離れてんだよっ!?

ホ「村の皆に見つかり難い所にわざとしたんだろうな。まっ、あたしはどうしてもココナッツ村を救いたくて、三年前からこの場所は見つけてたんだけどな。あたしは弱虫で、戦いとか苦手だからな・・・」

その口調とは真逆なんだな。

ホ「ナッツ、はっぴ、グレー、必ず、ココナッツ村を、救ってくれ。」

ナ「おうっ!」

グ「任しとけってっ!」

ハ「あいっ!でも、おいらは着る物じゃないからね。」

すると、ホーリーからは姿が見えなくて、俺の隣で座っていたリメンが、

リ「二つ目の試練、達成(クリア)ですっ!!」

ホ「さぁて、村に戻るぞ。」

ナ&ハ&グ「えぇ~~~っ!!?」

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ヘロヘロになって村に戻り、ホーリーと別れた俺達は、宿のベットの上でぶっ倒れていた。『邪神』が住みついている岩の場所に行くだけでエネルギーを使い果たした。ハッピーもグレイも、ベットの上でぶっ倒れている。唯一起きているのが、

リ「はいはい。ぶっ倒れていないで、今後の作戦を練りましょう。」

リメンだ。俺たちは仕方なくベットから疲れ切った体を起こす。

リ「それじゃあ、いよいよ最後の試練ですっ!!」

いつの間にか、リメンの手の中にまた茶色く薄汚れた和紙が握られていた。グレイがリメンから和紙を受け取って開くと、また墨で文字が書かれていた。

グ「RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』、三つ目の試練。」

ナ「『邪封瓶』に『邪神』を封じ込めろ。」

ハ「最後はやっぱり難関だね。」

リ「それが試練とゆうものです。『邪神』は夜に現れます。村の人たちは『邪神』を恐れている為、恐らく家からは一歩も出て来ないと思います。その間に、『邪封瓶』に『邪神』を封じ込めて下さい。」

ハッピーが大事そうに赤い風呂敷に包まれている『邪封瓶』を抱える。

リ「これが最後の試練です。気を引き締めて、挑戦(チャレンジ)して下さい。」

ナ「おう。でも、行動するのは夜だろ?肝心な時に眠たくて戦えなかったら意味ねぇから、今のうちに仮眠しとくぞーっ!!」

ハ「あいさーっ!!」

グ「おうっ!!」

リ「それはいい考えですね。では、お休みなさぁ~い・・・」

ナ&ハ&グ&リ「ZZZ・・・」

俺達は夜が、最後の試練が来るまで熟睡した。

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夜。空には金色に光り輝く満月がココナッツ村を照らし出していた。ココナッツ村には三人と一匹の影・・・ではなく、約百人の影と一匹の影が地面に黒く伸びていた。

ナ「・・何で村の人たちが外に出て来てんだよ・・・」

『邪神』を恐れて家を出て来ないと思っていたココナッツ村の人達は全員槍や斧、鍋の蓋やしゃもじ、桑や石ころなどを持って夜のココナッツ村に出て来ていた。

グ「おい、村長さんよぉ~、何してんだ?こんな時間に?」

シ「実は、この村に住むホーリーという少女が、「旅人さんたちが『邪神』を倒してくれる。」と村中に言っていたのを聞きまして、村人全員、皆さんの援護をさせていただく事にしました。」

ハ「ホーリーが言ったのかーーーっ!!」

あいつぅ~・・・!!でも、今腹立ってても仕方がねぇ。今は『邪神』を封じ込む事だけに集中だっ!すると、遠くの方で黒い影が見えた。その影はだんだんこっちに近づいて来る。

村3「き、来たっ・・・!」

村4「じゃ、『邪神』よ・・・!」

村5「ひぃぃぃ・・・!!」

みんな『邪神』に怯えるが、誰一人、この場から立ち去る奴はいなかった。

リ「ココナッツ村の人たちは、皆さんすごく勇気があるんですね~。」

ナ「あぁ。」

責任重大だな。余計に失敗は許されねぇぜ。燃えてきたぞーーーっ!!そして、『邪神』は俺達の前に姿を現した。闇のような真っ黒な髪の毛に光の射していない赤い瞳がすっげぇ~不気味だ。口が頬と同じくらいのところまで裂けていた。その裂けた口から二本の犬歯が覗く。ますます不気味だ・・・

邪「ん?今日はやけに人が多いな。」

バカデカイ不気味な声がココナッツ村に響き渡る。

邪「いつもより多めに災難を与える事が出来る。これほど嬉しい事はない。」

『邪神』が嬉しそうに赤い瞳を細めて笑う。俺たちや村の人たちには、不気味にしか見えなかったけどな・・・俺はそう思いながら、深く息を吸い込み、頬を膨らませると、

ナ「火竜の・・・咆哮ッ!!」

邪「むっ!?」

俺の咆哮を『邪神』はあっさりかわした。

邪「はて?この村に口から炎を噴出す人間なんかいたか?」

ナ「やいやいこの不気味野朗ッ!!とっととココナッツ村から出て行きやがれっ!!」

邪「だぁ~れがガキの言う事なんか聞くか。この村に最高の惨劇を贈ろう。」

グ「村から出て行かねぇなら、アイスメイク、槍騎兵(ランス)ッ!!」

邪「ぬっ!?」

グレイのアイスメイクも『邪神』はあっさりかわした。

邪「はて?この村に手から氷を作り出す人間なんかいたか?」

グ「ごちゃごちゃうるせぇんだよっ!!アイスメイク、円盤(ソーサー)ッ!!」

ナ「火竜の・・・鉤爪ッ!!」

俺とグレイが同時に攻撃しても、『邪神』はあっさりかわす。

邪「ハハハ。貴様等の炎や氷を繰り出す仕組みは分からないが、強さは期待するほどでもないな。ハハハハハ。」

『邪神』が勝利を勝ち誇ったように高らかに笑う。俺とグレイはニィッと口角を上げると、

グ「油断は禁物だぜ。」

邪「何?」

ナ「ハッピーッ!!」

ハ「あいさーーーっ!!」

邪「ぬぉっ!!今度は空飛ぶ猫だとっ!?」

村全「おぉ~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!」

俺とグレイの攻撃はハッピーが『邪封瓶』を持って『邪神』の後ろにこっそり周るのを気づかれないようにする為の目晦ましと、ハッピーが『邪神』の後ろに周る時間を稼ぐ為の時間稼ぎだったって訳だ。ハッピーが『邪封瓶』の蓋を開けて『邪封瓶』の口を『邪神』に向ける。すると、渦を書くように強風がココナッツ村に吹き荒れる。

村6「うわわわわわわわわ・・・」

シ「な、何とゆう威力・・・」

ホ「す、すげぇ~、あいつ等。」

後ろの方からホーリーの声が聞こえた。風が更に強く吹き荒れる。

ナ「うぉぉぉ・・・!!」

グ「くっ・・・!」

リ「ぬぅぅぅ・・・!」

目を開けるのもやっとだ。

ハ「うぬぬぬぬぬ・・・!!」

邪「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

『邪神』がどんどん『邪封瓶』に吸い込まれていく。そして、シュポンッ!!と『邪神』が完全に『邪封瓶』の中に吸い込まれた。

ハ「うわぁぁぁぁぁっ!!」

ハッピーがその反動で回転しながら宙に吹っ飛ばされる。吹っ飛ばされながらも、ハッピーは『邪封瓶』の蓋をきつく閉める。

ナ「『邪神』を、封じ込めたぞーーーーーっ!!!」

ナ以外「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

すると、俺たちの背後に人が三人横に並んで通れるくらいの夜空のように光り輝くバカデカイ門が現れた。

「空想の世界(フェンタジーワールド)の出口、『終わりの門』です。」

ナ「これが、『終わりの門』・・・」

リ「三つの試練を全て達成(クリア)したから現れたんです。」

ココナッツ村の人たちはいきなり現れたバカデカイ門に驚いて言葉を失い、門の美しさに見惚れていた。

リ「RFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』はこれにて終了(フィナーレ)です。『終わりの門』を潜って元の世界にお戻り下さい。本日はRFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』に挑戦(チャレンジ)していただきありがとうございましたっ!!」

リメンが俺達に深々と頭を下げる。ハッピーは手に持っていた『邪神』を封じ込めた『邪封瓶』をリメンに渡す。

グ「じゃあなリメン。」

ナ「また会おうなっ!!」

ハ「あいっ!」

俺たちはリメンに別れを告げると『終わりの門』を潜った。

リ「See you again!!!」

****************************************************************************************

『終わりの門』を潜り抜けると、俺達は空想の館(ファンタジーマンション)に戻って来ていた。俺達の他にはまだ誰もいない。まだRFG(リアルファンタジーゲーム)している(プレイ)んだな。

ナ「結構楽しかったな。」

ハ「あいっ!本当に(リアル)だったね。」

グ「(ゲーム)とは全然思えなかったぜ。」

俺達はRFG(リアルファンタジーゲーム)『悪鬼邪神の村』について語りだした。 
 

 
後書き
第九話終了致しました~☆
気づいたら9000文字超えていました。目がチカチカする。
次回はエルザ&ウェンディ&シャルルのRFG(リアルファンタジーゲーム)だっ!!今回以上に長くなったらどうしよう・・・
それではまた次回☆ 
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