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問題児が異世界から来るそうですよ?~あれ?なんか人数が多い?~

作者:ほにゃ~
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第七話 白夜叉登場だそうですよ?

「な、なんであの短時間で“フォレス・ガロのリーダーに接触してしかも
喧嘩を売る状況になったんですか!?”」「しかもゲームの日取りが明日!?」
「それも敵のデリトリー内で戦うなんて!「準備する時間もお金もありません!」
「一体どういう心算でがあってのことです!」「聞いているんですか三人とも!!」

ガルドとギフトゲームをすることを黒ウサギに言うとウサ耳を逆経てて切れた。

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

「黙らっしゃい!!」

口裏を合わせていたような言い訳に黒ウサギは激怒。

「別にいいだろ。見境なしに喧嘩を売ったわけじゃないんだしよ」

「十六夜さんは、面白ければいいと思いますが、この“契約書類(ギアスロール)”を見てください。」

契約書類(ギアスロール)”とは“主催者権限(ホストマスター)”を持っていない者たちがギフトゲームをする時に必要なもので、そこにゲーム内容、チップ、賞品が書かれていて最後に“主催者”が署名をして成立する。

契約書類(ギアスロール)”には参加者側(プレイヤー)が勝利したら主催者(ホスト)は全ての罪を認め、箱庭の法の下で裁きを受けた後、コミュニティを解散する。
逆に参加者側(プレイヤー)が負けたら主催者(ホスト)の罪を黙認すると言ったものだ。

「ま、自己満足もいいところね。時間を掛ければ立証できるのにわざわざ黙認するなんて言うチップを賭けるのだから」

更に言えば黙認と言うのは今回だけでなくこの先もずっと口を閉ざし続けるということだ。

ちなみにさっきから飛鳥と耀が喋っていないのにはわけがある。

それは








「お嬢様!少し謹んで行動して下さい!それにこんな危ないこと!」

「あ~、もう、御説教は勘弁してほしいわね」

「耀、なんでこんな危険なことをするんだ?俺に分かるように説明しろ」

「柊人、顔が怖いよ……」

皐と柊人によって怒られていた。

「ゴメン、黒ウサギ、ルーシャ。僕もガルドを逃したくなかったんだ。彼のような悪人を野放しにしちゃいけない」

「ま、ガルドがムカつくのは俺も同じだからな。俺でも同じことをしたさ」

「ルーシャまで………まぁ、“フォレス・ガロ”程度なら十六夜さん一人で楽勝でしょう」

「何言ってんだ。俺は参加しねえよ」

「あら、分かってるじゃない」

十六夜と飛鳥の発言に黒ウサギは慌てて食って掛かる。

「ダメですよ!コミュニティの仲間なんですからちゃんと協力を」

「そういうことじゃねえよ。この喧嘩はコイツらが売って、ヤツらが買った。それに俺が手を出すのは無粋だってことだよ」

「なるほど、確かに正論だ」

「………もう、好きにしてください」
十六夜とルーシャの言葉に肩を落とし困り果てる黒ウサギだあった。

「あはは………それじゃあ、今日はコミュニティに帰る?」

ジンが苦笑しながら黒ウサギに聞く。

「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい。ギフトゲームが明日なら“サウザンドアイズ”にギフト鑑定をお願いしないと」

「“サウザンドアイズ”?コミュニティの名前か?」

「YES。サウザンドアイズは特殊"瞳のギフトを持つ者達の群体コミュニティで、箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

「ギフト鑑定とは一体?」

「ギフトの秘めた力や起源などを鑑定することです。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出所は気になるでしょう?」

同意を求めてくる黒ウサギに六人は複雑な表情で返した。

それぞれ思うところがあるようだが特に拒否する声も無く八人と一匹は“サウザンドアイズ”に向かって歩きだす。

途中、桜の木のようなものがあり、飛鳥が不思議そうに呟く。

「桜の木・・・ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けるはずがないもの」

「蝉も鳴いておりましたしそうだと思います」

「いや、まだ、夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

「そうね。初夏の日差しが気持ち良かったし」

「…………?今は秋だったと思うけど」

「紅葉が見ごろだったな」

六人は顔を見合わせ、首を傾げる。

「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのです。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですよ」

「へぇ? パラレルワールドってヤツか?」

「近いな。正しくは立体交差平行世界論ってのが正しいが、その説明は長くなるから、また今度だ」

そんな会話をしているうちに“サウザンドアイズ”の支店が見えた。

ちょうど店の店員が暖簾を下げるところだった。

「まっ、」

「待った無しですお客様。うちは時間外営業はやっていません。」

「なんて、商売っ気のない店なのかしら」

「全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」

「文句があるなら他所の店へどうぞ。あなた方は今後一切出入りを禁じます。」

「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ。」

文句を言う黒ウサギに対し、冷めたような目をする店員。

「そうですね。“箱庭の貴族”であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますのでコミュニティの名前をよろしいでしょうか?」

一転して言葉に詰まる黒ウサギだったか、十六夜尾が躊躇いも無く名乗る。

「俺達は“ノーネーム”ってコミュニティなんだが。」

「どちらの“ノーネーム”様でしょう。旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

(まずいな。“サウザンドアイズ”は“ノーネーム”お断りだったな。このままじゃ本当に出禁になるか…………)

すっかりとそのことを忘れており、ルーシャは頭を掻く。

黒ウサギは気まずそうに小声で呟く。

「その…………あの…………私達に、旗はありま」

「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィィィ!」

最後の言葉を言う前に黒ウサギは、店の奥から飛び出してきた着物風の服を着た白い髪の少女、もとい幼女にフライングボディーアタックをくらい空中で四回転半ひねりをし街道の向うにある水路まで吹き飛んだ。

黒ウサギは幼女と一緒に空中四回転半ひねりをして街道の向うにある水路に落ちた。

「おい、この店にはドッキリサービスがあるのか?俺も別バージョンで是非」

「ありません」

「なら、有料でも」

「やりません」

真剣な顔をする十六夜に対し、真剣な顔できっぱりと言い切る店員だった。

「し、白夜叉様!?どうしてこんな下層に!?」

「黒ウサギが来る予感がしたからに決まっとるだろうに!フフ、フホホフホホ!やっぱり黒ウサギは触り心地が違うの!ほれ、ここが良いかここが良いか!」

「ち、ちょっと、離れてください!」

白夜叉を無理やり引きはがし、頭を掴み投げ飛ばす。

投げ飛ばした先に十六夜と栞がおり、白夜叉を足で受け止めた。

「てい」「はい」

「ゴハァ!お、おんしら!飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

「十六夜様だ。以後よろしくな和装ロリ」

「栞よ。よろしく、変態幼女さん」

笑いながら自己紹介する二人。

一連の行動に呆気を取られていた飛鳥は、思い出したように白夜叉に尋ねる。

「貴女はこの店の人?」

「おお、そうだとも。この“サウザンドアイズ”の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。
 仕事の依頼ならおんしの年齢の割に発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

「オーナー。それでは売り上げが伸びません。ボスが起こります」

店員の言葉を聞いているのかどうか分からないが、白夜叉は十六夜達六人を眺め、にやりと笑う。

「お前たちが黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間を召喚したということはついに黒ウサギが私のペットに「なりません!」

ウサ耳を逆立て起こる黒ウサギエ¥を横目に白夜叉は笑う。

「まぁいい、話があるなら店内で聞こう」

「よろしいのですか?彼らは旗印を持たない“ノーネーム”。既定では」

「身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

白夜叉の命令に店員は渋々八人を店の中に入れる。

「店は閉めてしまったのでな、私の私室で我慢してくれ」

白夜叉は襖をあけ和室の一室に全員を通した。

「改めて、私は、四桁の門、三三四五外門に本拠を構える“サウザンドアイズ”の幹部の白夜叉だ。黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

「はいはい、お世話になっております本当に。」

投げやりに受け流す黒ウサギ。

その隣で耀が小首を傾げながら白夜叉に質問をした。

「外門って何?」

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです」

黒ウサギが描いた図をみて、それが、あるものに似ていることに気付いた。

「・・・・超巨大玉ねぎ?」

「超巨大バームクーヘンではないかしら?」

「どちらかと言えばバームクーヘンだ。」

「バームクーヘンね」

「木の年輪みたい」

「確かに見えなくもないですね」

全員、黒ウサギの描いた図に様々な感想を持った。

「ふふ、うまいこと例える。バームクーヘンに例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。
あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな」

そう言って黒ウサギの持っている水樹の苗に視線を向ける。

「して、だれがどのようなゲームであの蛇神に勝ったのだ?知恵比べか?勇気を試したか?」

「それなら、十六夜、そこのヘッドホン付けた男が拳で叩きのめしたぞ」

「なんと!?直接倒したとな!?その童、“神格”持ちか!?」

「違うと思うぞ。もしそうなら、一目見ればわかるしな」

「ところで白夜叉様は、あの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

「知り合いも何もアレに神格を与えたのは私だぞ。最も何百年も前だがの」

そう言って笑う白夜叉。

「へぇ~、じゃあお前はあの蛇より強いわけだな。」

十六夜の目が獲物を見つけた狩人の目になっている。

「当然だ。私は東側の“階層支配者(フロアマスター)”だぞ。この東側の四桁以下では並ぶものはいない、最強の主催者(ホスト)だ。」

「つまり、貴女のゲームをクリアすれば私たちが東側最強ってことになるのかしら?」

「無論、そうなるのう」

「景気のいい話ね。 探す手間が省けたわ」

「「…………」」

五人は闘争心をむき出しにし白夜叉を見る。

それに気づいた白夜叉は笑い出す。

「抜け目が無い童たちだ。依頼しておきながら私にギフトゲームを挑むと?」

「え?ちょ、ちょっと皆様!?」

「お嬢様!?何をお考えですか!?それと、皆さん達も考え直しましょう!」

慌てて五人を止めようとする黒ウサギと皐。

そんな二人を白夜叉は片手で静する。

「よいよ。私も遊び相手には常に飢えとる。しかし、ゲームの前に確認することがある」

白夜叉は懐から“サウザンドアイズ”の旗印の紋が入ったカードを取り出す。

そして、不敵な笑みを浮かべた。

「おんしらが、望むのは“挑戦”か?もしくは








“決闘”か?」

その瞬間、白夜叉の部屋が崩壊したかと思うと、彼らは別の場所に立っていた。

白い雪原と凍る湖畔そして、

水平に太陽が廻る世界。

「今一度名乗り直し問う。 私は“白き夜の魔王”―――太陽と白夜の精霊・白夜叉。
おんしらが望むのは試練への“挑戦”か?それとも対等な“決闘”か?」

白夜叉は少女とは思えないすごみのある笑みを見せ笑う。
 
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