リトルバスターズ!~始まった世界~
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修学旅行編
第四話 あの日の事
少し横になるとだいぶ気分も落ち着いてきた。
来々谷さんは、いつの間にか消えていた。
もう夜のようだ。
起き上がり、ロビーに出る。ここで騒がしくしているだろうという僕の予想は外れてしまった。
「どこ行ったんだろうな・・・」
「見つけたよ、理樹君」
言いながら小毬さんが入ってきた。
「小毬さん、他の皆は?」
「皆で海にお星さま見にいったよ~。理樹君もいこ?」
なぜだろう。同じ光景が頭の中に浮かび上がってきた。
「ふぇ?理樹君どうしたの?」
この頭痛の原因。
「わかった気がする・・・」
「?」
全てじゃないけど。
「思い出したんだ。あの日の事」
僕はひどい人間だ。
小毬さんに、
来々谷さんに、
葉留佳さんに、
クドに、
西園さんに、
そして鈴に。
あれだけ付き合っておきながら、知らないうちに五人もの思いを貶していたんだ。
人の悩みを解決して。
助けた気になって。
結局彼女らを苦しめてしまった。
「僕は・・・最低だ・・・」
「どうして?」
「皆と好きあって、でも結果的にそれは嘘の感情で・・・。そのことにすら今まで気付いていなかった!気付かないまま皆の気持ちを踏みにじり続けたんだ!」
僕の独白を聞き終わって。小毬さんは言った。
「そんなことはないのです」
と。
「私の心は理樹君に会って救われました。別に理樹君は思い出していなかったし。今なんだよね?思い出したの」
「うん・・・」
「思い出した理樹君はちゃんと謝ってくれた。これで万事オッケーなのです!」
「小毬・・・さん・・・」
「その通りだよ!」
振り向くと葉留佳さん、いや、皆が立っていた。
「別に理樹君は悪くないよ!」
「その通りだ。むしろ気持ちを踏みにじるなどとのたまう方が気分が悪くなる」
「のーぷろぐれむなのです!リキは私の中ではひーろーなのです!」
「直枝さん、そのようなことを言うより今を楽しみませんか?」
「皆・・・」
「だそうだ。理樹、おまえの記憶に干渉させるように働きかけたのは俺だ。だが、俺が知ってもらいたかったのは最後の世界に比べてどれぐらい強くなったかなんだ。もっと自信を持ってほしい。」
「ありがとう、恭介・・・」
「まー、その、なんだ。また遊べばいいじゃねーか!」
「そうだぞ、リーダー」
「・・・うん!」
後書き
更新遅れました・・・実質この章はこれが書きたかっただけなのでほぼ終了です。シリアスな空気は次の章までですのでもうしばらくお付き合いください。
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