転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0452話
「このお嬢ちゃんが600年を生きた吸血鬼、ねぇ」
レモンが興味深そうにエヴァへと視線を向けている。
「おい、アクセル。この女をなんとかしろ」
「あー、まぁ、諦めてくれ。そのうち飽きるだろ。それよりそろそろ時間だが皆準備はいいか?」
現在いるのは、ホワイトスターの居住区にある俺の家だ。そこに俺、レモン、コーネリア、マリュー、エヴァ、茶々丸の6人がいる。フェイトはホワイトスターを一通り見学して満足したのか、既に麻帆良へと戻っていた。魔法世界の方でネギ達と色々と打ち合わせがあるらしい。
「あら、もうそんな時間? じゃあ行きましょうか」
レモンが俺の言葉に頷き、時計へと視線を向けると既にPM08:25分と表示されており、納得したように頷く。
「で、説明する場所は何処になったんだ?」
「それなら居住区の中にある体育館に集まるように指示しておいたわ。あそこなら結構な広さがあるからアクセルやそっちのお嬢ちゃんが魔法を使っても問題無いでしょう?」
「お嬢ちゃん言うな! 全く、闇の福音である私を何だと思ってるんだ。せめてエヴァンジェリンと呼べ」
「まぁ、そうね。じゃあせめてアクセルみたいにエヴァって呼ぶわね」
「……もう好きにしろ」
疲れたように呟くエヴァを引き連れ、俺達は家から少し離れた場所にある体育館へと向かうのだった。
「……さすが、と言うべきなんだろうな」
体育館へと到着して思わず呟く。そこには既に主要なメンバーの殆どが集まっていたからだ。技術班、イザーク、ムウ、エザリア。麻帆良側のゲートを量産型Wに任せてきたのかエキドナの姿もある。後ついでにSEED世界から留学しているコジロー・マードックも。
そしてそれらの視線が体育館に入って来た俺達へと一斉に向けられたのだ。
中でも技術班の面々からは圧倒的に強い視線を向けられており、俺が魔法を使えるというのがあの時の技術班の男から広がっているのは明らかだった。
「何だか妙に威圧感と言うか、なんと言うか」
調子を外れたように呟くエヴァ。
まさか真祖の吸血鬼である自分がそんな風に感じるとは思ってもいなかったのだろう。
「取りあえずエヴァは俺と一緒に皆の前に。ネギま世界の住人だしな」
「うむ、仕方ない。やると決めた以上はきちんとやるさ。だが、そのネギま世界というのはどうにかならないのか?」
「分かりやすいと思うが?」
「別に魔法の世界でもいいだろうに。なんでわざわざぼーやの名前を付ける?」
そうは言うがあの世界の配役を考えるに、恐らく原作ではネギが主人公格であるのは間違い無いだろう。故にネギと魔法使いを略してネギまの世界と名付けたんだが。……まぁ、その辺を気軽に話す訳にもいかないから誤魔化すとしよう。
「魔法の世界と付けるにしても、今はいいけど他の世界に転移した時にそこが魔法のある世界ならどうするんだ? 第1魔法世界とか第2魔法世界とか付けるのか? それよりも分かりやすいと思うんだがな」
「……はぁ、お前がそれでいいならもう文句は言わないさ。それよりもさっさと済ませるぞ」
呆れたように溜息を吐き、さっさと皆の前へと出て行くエヴァ。その後を付いていくようにして俺も皆の前に出る。
「あー、皆に心配を掛けたな。アクセル・アルマーだ。俺が転移した世界については既にある程度の情報を持ってる奴もいると思うが、改めて説明しておきたいと思う。あぁ、それと最後に土産もあるから期待していてくれ。まず、最初に言っておくと俺が転移した世界は魔法のある世界で間違い無い。そして俺も魔法使いになった訳だ」
既に殆どの人物は魔法のある世界だというのは理解しているのか、特に疑う様子も無く頷いている。その様子を見ながら人差し指を立て……
『火よ灯れ』
呪文を唱えて、人差し指の先端に炎を灯らせる。
『おおおおおおおおお』
魔法という物を初めて見た者達。特に技術班の面々は揃って驚きの声を上げながら俺の指へと視線を向けている。
ちなみに、ステータス画面を確認すると今回消費したSPは5だった。……その時々により消費SPが違うのは確定と思ってもいいだろう。
その様子に苦笑を浮かべながらも火を消して、次に隣に立っているエヴァへと視線を向ける。
「で、こっちの小さいのはエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。こう見えても600年以上を生きる真祖の吸血鬼だ」
さすがに真祖の吸血鬼というのは衝撃が強かったのか周囲はシン、と静まり返る。
「エヴァ」
「まぁ、引き受けたのは事実だからな。ふむ、だがここで『魔法の射手』というのも危険か。ならこれが良かろう。『氷楯』」
エヴァが魔法を発動させるのと同時に、円形の氷で出来た楯が姿を現す。これは確か、魔法の射手程度なら反射させる効果を持つ楯だったか。
「……エヴァ、魔力の消費はどうだ?」
「麻帆良ではないから魔力は最盛期だが、それでも洒落にならない程の消費だな」
軽く眉を顰めたエヴァの言葉により、魔力消費が激しいのは俺だけじゃないというのも確定だな。
「と、ご覧の通りだ。さて、早速だが俺が転移した魔法世界、通称ネギま世界で起こった出来事を簡単に説明していく」
そう言い、転移してからの出来事を順番に説明していくのだった。
魔法、気、魔物、魔法世界、魔族、悪魔等々。色々と技術班を初めとして皆が興奮していたが、やはり一番興奮したのは俺が一種の魔法生物へと生まれ変わった事だった。
そして1時間程で話が終わるや否や、技術班の面々に期待の籠もった眼差しを送られる。
「アクセル隊長、その混沌精霊になった姿ってのを見せて下さい!」
「……いや、この状態でも混沌精霊と言ってもいいんだがな」
「アクセルさん、異形化の状態を見せてはどうでしょうか?」
「そう! 俺達もその異形化ってのが見たいです!」
茶々丸の言葉に賛成した技術班の面々や、昨日の麻帆良で俺の異形化の状態をその目で見たマリューを羨ましく思ったのかレモンやコーネリアにまで見たいと言われてはさすがに見せない訳にもいかず……
「分かった」
パチンッと指を鳴らしたその瞬間、俺の全身が一瞬で炎に包まれて側頭部と額から真上へと角が伸び、後頭部からは側頭部の下を通るようにして前方へと角が延びる。背中には魔力によって羽が形成され、腰には竜尾がこちらも羽同様に魔力によって形成される。
『うおおおおおおおおお!』
技術班の面々が狂喜染みた叫びを上げ、俺のこの姿を初めて見たレモンとコーネリア、そして昨日見たマリューは苦笑を浮かべて俺を眺め、エザリアは唖然として目を見開き、ムウは面白そうな目でこちらを見て、イザークは呆れたように溜息を吐き、エキドナはどこか戸惑ったように俺の方へと視線を向けていた。
「ちなみに先程アクセルが言ったナギ・スプリングフィールド杯に関してだが、こいつはそこで大魔王という通り名を貰ったらしいぞ」
「大魔王! いや、確かに今のアクセル隊長にはこれ以上ない通称かもしれませんね」
技術班の1人が納得出来るとばかりに頷く。
「大魔王様らしい魔法を見せてくれよ」
ムウのその冷やかしに、集まってきた殆どの者達が期待の籠もった視線を俺へと向ける。
「あー、この世界だと魔法を使うにも魔力の消費がかなり大きい上に、どういう理由かは知らないが毎回消費魔力が違うんだが……」
呟きつつも、ステータスのSPへと視線を向けると既にそこには先程の『火よ灯れ』で消費したSPは全快している。
「まぁ、いいか。じゃあそうだな……」
何の魔法を使うか、そう思った時に墓守人の宮殿でフェイトに言われた事を思い出す。確か……ふむ、可能か。
「ちょっと場所を空けろ。とびっきりの魔法を見せてやるからな」
俺の言葉を聞き、周囲の者達は距離を取る。それを確認してから呪文を紡ぐ。
『我と盟約を結びし者よ、契約に従いその姿を現せ!』
次の瞬間、俺の背後に巨大な魔法陣が展開されてそこからグリフィンドラゴンのグリが姿を現す。
「ガアアァァァァァアッ!」
下半身が竜、上半身が鷲。異形化したアクセルと同様に後頭部から前方方向へと角が伸びており、その背にあるのは鷲の翼と竜の羽が1対ずつ生えている。
「よく来たな」
戦闘で呼ばれた訳ではないと知り、多少困惑をしているグリだったが頭を撫でてやると落ち着いたのか喉を鳴らして喜んでいる。
「グアアアァァ」
グリを知っている茶々丸、そしてグリフィンドラゴンというネギま世界特有のモンスターを知っているエヴァ以外の皆は全員が唖然としてグリへと視線を向けている。
「とまぁ、こいつが俺の召喚獣のグリフィンドラゴンのグリだ」
そう話しながらステータスを表示すると、150近くもSPが減っている。
……減りすぎだろう、幾ら何でも。
「ついでに俺の特技をもう一つ見せておくか」
呟き、殆どの連中の視線がグリに向かっているのを見ながら人差し指を立てる。
「生命ノ宴」
その言葉を呟くのと同時に、人差し指が生身の肉体から白炎へと変化して数十匹の蝶の炎獣が産み出され、それらが縦横無尽に体育館内を飛び回る。
「……え? 何だ、あの蝶」
グリに目を奪われていた技術班の者達も、次第に自分達の周囲を飛び回っている純白の炎で構成された蝶に気が付き始める。
「よし、全員我に返ったな。お前達が今見ているのは俺の特殊能力で作られた炎獣という存在だ」
「……蝶なのに炎獣なんですか?」
「あー、そうだな。炎獣というのは生命ノ宴という俺の能力で生み出されたものの総称みたいな感じだな。例えば……」
再び生命ノ宴を使い、鳥、犬、ペガサス、虎、ハーピーといったものを作り出していく。
「これら全部が炎獣と言う訳だ」
俺の作り出した炎獣が、体育館内を縦横無尽に飛び回り、走り回る。
「ほう、これがお前の固有能力か。茶々丸に闇の魔法の暴走を乗り切ったと聞いてはいたが……」
空を跳んでいる鳥の炎獣を見ながらエヴァが感心したように呟く。
「まぁ、そんな具合だ。後は炎系の魔法限定だが詠唱無しで連続して使えるようになったくらいだな」
「混沌精霊、か。ぼーやも闇の魔法を使うようになったらしいし……今更だが妙な所で妙な物が流行ってるものだ」
「そう言いつつも、自分の産みだした闇の魔法を受け継いでくれる人が現れて嬉しいマスターでした」
「……ふん」
「グアアァァァ」
「っと、悪い。ほら、帰ってもいいぞ」
どこか居心地が悪そうにしているグリを魔法陣を使って魔法世界へと戻す。
「あ、隊長! もう少し見てたかったのに!」
そう言って来る技術班を抑える為に空間倉庫から大量の魔法発動体である初心者用の杖と同じく初心者用の教本を取り出す。
「ほら、これをやるから大人しくしろ。この本を読んで勉強すれば魔法を使えるようになるぞ」
「マジですか!? ……って、その玩具の杖は?」
「これは魔法発動体だ。これがないと魔法を発動出来ない」
「え? でもアクセル隊長は何も使ってないのに魔法を使ってたじゃないですか」
「俺は人間から混沌精霊に生まれかわった時、魔法発動体をそのまま吸収してしまったからな。そのおかげで俺の身体そのものが魔法発動体になったと言ってもいい。……まぁ、他の奴等には使えない魔法発動体だが」
「……今度、是非アクセル隊長の研究をさせて欲しい所ですが」
おい、そこの技術班。ボソッと呟いたのが聞こえたぞ。取りあえずスルーしてやるが、実際に何かしでかしたらエキドナにでもお仕置きしてもらうか。
「アクセル隊長、この初心者用の教本何が書いてあるのか分からないんですけど!」
「あー、それはラテン語だ。魔法というのは基本的にラテン語や古典ギリシャ語が使われている。とは言っても、後者の方は高度な魔法を使う時に限られるけどな。まずはラテン語を習得しろ」
こうしてネギま世界の報告と、魔法についての報告は無事に終了した。
……俺が人間じゃなくなったというのに、それを忌避するような奴がいなかったのは幸いと言うべきか。
と言うか、今更何言ってるの? みたいな顔をされてもな。
尚、魔法に関してはさすがに専門外だったのかホワイトスターに留学してきたマードックは余り興味なさそうにしていたが、それ以外の殆どの面子は魔法発動体と初心者用の教本を嬉々として持って帰っていったのだった。
……そのうち、メギロートが『魔法の射手』使ったりしない事を祈ろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:411
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