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ヘタリア大帝国

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TURN104 謎の女その十一

「あの天才、私以上か見極めてみたい」
「俺も行かせてもらうぜ」
 ダグラス、そして。
 マンシュタインとロンメル、ネルソンに日本とアメリカ、中国もだった。枢軸の主力と言っていい顔触れが揃った。
 その彼等で艦隊を組みそのうえでだった。
「海賊達を倒しましょう」
「やるか」
「互角の相手との戦いは実践では本当にないですが」
 日本は強い声で東郷に応えていた。
「それでもです」
「倒すか」
「そうしましょう」
 二人で話す、こうして後は海賊を迎え撃つだけになった。
 枢軸軍はまたしても決戦の時を迎えていた、その頃連合軍では。
 イギリスが難しい顔でこうセーラに言っていた、場には彼の妹と王族の面々が揃っている。その場で言ったのである。
「なあ、あのヒムラー総統だけれどな」
「彼ですね」
「レッドファランクスを使うのはいいけれどな」
 話すのはこのことだった。
「あの連中とどうして知り合いになったんだ?」
「それがわからないのよね」
 マリーも首を捻って言う。
「何でかしらね」
「その辺りかなり怪しいよな」
「そもそもあの人怪しいことだらけよね」
 マリーはヒムラーについてこうも言う。
「謎ばかりっていうかね」
「謎しかねえよな」
「そうよね。経歴とかね」
「最近ドクツでドーラ教ってのがやけに大きくなってるな」
 イギリスはこの組織のことも言う。
「あれもな」
「あの教団についてですが」
 妹が深刻な顔で述べる。
「ドクツに駐在している外交官の方からも諜報部の方からもです」
「何も入って来ないか」
「はい、本当に何もです」
 情報が入って来ないというのだ。
「ドーラという神を信仰する一神教であること以外は」
「何もわかってねえんだな」
「そうです、教理は特におかしなところはありません」
 肝心のこれの話にもなる。
「友愛や平和を解く」
「普通の宗教か」
「カルト的は要素はありませんが」
「何か妙に引っ掛かるのよね」
 エルザが言って来た、直感ではセーラよりも上の彼女がだ。
「あの宗教はね」
「そうなんだよな、だからな」
 イギリスは再び言う、エリザに応える形で。
「あの総統とドーラ教のことは調べておくか」
「あとソビエトもだね」
 マリーは今枢軸と激しく戦っている国のことを出した。
「書記長さん時々モスクワからいなくなってるよ」
「はい、そこまではわかるのですが」
 セーラもいぶかしむ顔で言う。
「しかしそれからは」
「全くわからないのよね」
「何処かに秘密都市があるのでしょうか」
「?俺達の航路にもない星域かよ」
 イギリスはここでその太い眉を顰めさせた。
「そんな星域があるのかよ」
「俺達の星域って?」
「それは一体」
 マリーだけでなくセーラもだ、イギリスの今の言葉に顔を向けた。
「どういう意味なの?今の言葉」
「よくわかりませんが」
「その時になったら話すさ」
 イギリスは二人にこう返した。
「だから待っていてくれよ」
「ううん、何か凄く気になるけれど」
「ではしかるべき時に」
「祖国さんからお話聞くね」
「重要なことであることはわかりますが」
「そういうことでね、私からも話すから」
 エリザも言う、どうやらエイリスにとって極めて重要な事項であることは間違いない、セーラ達にもそれはわかった。
 だがそれでもだ、カテーリンのことは。
「あの娘も謎だらけだしね」
「共有主義自体が危険だしな」
「今は同盟国だけれど」
「この戦争の後はドクツ共々エイリスの敵になるぜ」
 イギリスはマリーに深刻な顔で述べる、エイリスはこの戦争に勝ったとしてもそこから先も多難であることが予想されていた。
 その中でだ、セーラは共に席に着いている面々に告げた。
「では今はです」
「うん、軍の立て直しだね」
「アフリカ方面の」
「それを急いで下さい」
 こう告げたのである。
「今のままでは攻勢はおろか防衛もままならないので」
「わかってるさ、今以上に進めるからな」
 イギリスが応える、エイリスは今は軍の再建が急務でありそれを必死に進めていた。


TURN104   完


                           2013・4・17 
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