何となく生きて行く
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部活
〜午後4;30
文化祭の準備があるということで、今日は早めに授業が終わり皆各自の役割の所へ行ったので、教室には俺一人だけだ。
…俺にはこれから座談部ということで、学年室に行かなければならない。
俺は荷物を持って素早く学年室に移動した。
学年室…と言っても、とても小さな部屋だ。何か特別なものもなく、何もないわけではない。ただ単に特別な部屋ではないということだ。
「失礼します。」
俺は学年室のとびらを開けた。中にはすでに冬花先生が座っていた。俺は冬花先生の真正面のいすに座った。
「…おう、やっと来たか…退屈過ぎてとても暇だったよ。」
冬花先生は眠そうな顔を俺に見せてきた。
「…すみません…」
「まぁ、このことは置いといて…この部活の説明をしよう。」
冬花先生は、胸元から1枚のレポートを取り出した。
「…えーまず、この部活は特に集まる日も活動する日も関係ない。全てが自由だ。…しかし、来年の5月の部活紹介では、きっちり発表をしなければならない。」
「な…何を書けば良いんですか?」
「ん?まぁ、その時が来てからでも遅くないからな。…えーと、続きか…今のところ、部員は一名、仁井田、お前だけだ。まぁ、大したことではないんだがこんな部活とも言えない部活は、いつ潰れてもおかしくない。」
…いや、一番最後のが重要なんですけど…
「…ということで、説明終了。後は帰ってもいいぞ。」
(はええ…)
あまりの展開の早さにおれは追いつけなかった。
しかし、大体の要点を理解した俺は、せっかく部活の初日なので、残ろうと考えた。
「残りますよ…初日なんでね…」
「む、そうか…ならば私も残るとしよう…」
そういうと俺は早速鞄から課題を取り、終わらせるために手早く取り組んだ。
〜数十分後〜
「…ふぅ、終わった…」
すべての課題が終わった俺は、さっきから妙なほどに静かな冬花先生の様子を見た。
…普通に寝てるし…
冬花先生は机に顔を突っ伏して寝ていた。…大胆だなぁ…おい…
俺は幸せそうに寝ている先生を起こせるわけがなく、俺も横になって眠ってしまった。
「お…!!仁……!!仁井…!!お…!!起きろ!!」
…先生がうるさい…
「おっ起きたか…何回も読んだんだぞ?」
俺は時計を見るとまだ十分しか経っていなかった。
…もう少しだけ寝せてくれよ…
しかしそんな事を先生は許してくれる訳がなく、ずっと先生は質問をしてきた。
趣味は何だ、休日は何してる?、学校では何してる?etc…色々な方向から質問が来た。
…まぁ、全てが生返事だが…
さて、質問も終盤に来てやっと下校時刻が迫っていた…
…これでやっと質問地獄から、抜けらr…
「…あぁ、そうだ、お前はこの学校に来る前は友達とかは居たのか?」
…だめだ、先生、それを聞いちゃ…
ドクン!!
俺の心臓が飛び跳ねた。心拍数も徐々に上がっていく。…だめだ!!…『あの頃』を思い出してはいけない!!
『…友達と騙し合いながら』生きた中学校生活なんてもういらない!!いらないんだ!!
(いらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらない)
自分の心拍数が聞こえるのがわかる。とても速いテンポが聞こえるのがわかる。
…自分でも何とか必死に押さえ付けようと意識したが、意識すればするほど心拍数が上がっていく。
このままでは、いたちごっこだと思った俺はすぐさま廊下に出た。
先生には、がっつり見られているがそんな事は関係なく、『あの頃』の記憶が脳裏に浮かび上がっていく。
(…皐!!……大丈夫か!!………お…!!…さ…き!!)
徐々に俺の意識が薄れていくのが分かる。…誰だろうか、必死に俺を読んでいる人は…
(もういい…楽にしてくれ…)
俺はついに意識を失った。
後書き
今日はクソ短いですが、明日からは本気を出します。
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