ヘタリア大帝国
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TURN102 革命その二
「革命は一日にして成ります」
「夢の様です、まさに」
「我等の望みが一日にして成るとは」
記者達もベラルーシの話を聞いてその顔を希望で輝かせる。
「では是非共です」
「革命を成功させましょう」
「では皆さん参りましょう」
ロシア妹が話す。
「革命を果たしに」
「革命万歳」
ゾルゲがその口元に笑みを浮かべて述べた。
「そして全てはです」
「はい、共有主義の為に」
「カテーリン書記長の為に
記者達も応える、かくしてだった。
ゾルゲ達は外国の記者という触れ込みで日本の記者達と共に宮廷に向かう、その時に。
一人の小柄な和服の少女を連れて来た、記者達はその少女を見て言った。
「いや、同一人物にしか思えません」
「ですが違うのですね」
「この娘は帝ではないですね」
「我が国の」
「違います、この娘もまたです」
ゾルゲは少女を見て驚きを隠せない記者達に微笑んで話す。
「我等の革命の同志です」
「そうですか、まるで鏡を見ている様です」
「いや、既に宮廷にいる様です」
「まさにそう思えます」
「そこまで似ていると」
「この作戦は必ず成功させねばなりませんので」
だからだというのだ。
「何もかもが同じである同志を用意したのです」
「そうでしたか、しかし」
「ソビエトによくいましたね」
「実はまだ日本帝国とソビエトがまだ国交のある時にね」
ロシアがここで事情を話す。
「宮廷で髪の毛を拾ったんだ」
「髪の毛?」
「髪の毛が何か」
「うん、帝の髪の毛を拾ったんだよ」
「髪の毛で何が出来るのでしょうか」
「一体それは」
記者達はソビエトがクローン技術を完成させ実用化していることは知らない、それで首を捻ってこうロシアに問うたのである。
「とにかくこの娘はそっくりですが」
「驚くまでに」
「しかし髪の毛とは」
「それは一体」
「それは後で」
ゾルゲはさりげなく秘密を隠した。
そのうえでこう記者達に言う。
「それではです」
「はい、とにかく宮廷にですね」
「参りましょう」
記者達もロシアの言葉が気になったがとりあえずそれはいいとして宮廷に向かった。ゾルゲ達は皇居の門の前まで来た。
門は檜の造りだ、ベラルーシはそのさして大きくない門を見てこう言った。今はスーツ姿だ。
「いつも思うのですが」
「質素ですか」
「そう思われるのですね」
「はい、小さく質素な門ですね」
小柄な彼女は門を見上げている、そのうえで記者達に応えているのだ。
「皇居自体も」
「実際に質素です、日本の宮殿は」
「ロマノフと比べますと」
「そうですね。それは確かにですね」
「しかし君主です」
ゾルゲはこのことから皇室を否定して言うのだった。
「ですから何としても帝も否定しなければ」
「そうしなければなりませんね」
「必ず」
「はい、それでは」
こう話してだった、ゾルゲ達は記者の顔に戻った。
そして衛兵達に何食わぬ顔で話した、そしてであった。
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