MS Operative Theory
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第四世代MS②
——第四世代MSの運用性——
第四世代MSは絶対数が少ないこともあって、集団で運用されたケースは、AMX-014(ドーベン・ウルフ)を装備したスペース・ウルフ隊などのわずかな例にしか知られていない。
基本的な戦術として、1機の第四世代MSを中心に、複数の第二、第三世代MSを周囲に展開させ、その火力で敵部隊を駆逐するという方法が探られる。この戦法は2機のロイヤル・ガードを従えたAMX-015(ゲーマルク)や、他のガンダム・タイプMSとともに運用されたMSZ-010(ZZガンダム)などで確認できる。
第四世代MSは第三世代以前のMS同様に対MS戦闘も可能だが、絶大な火力による駆逐にも適しており、他のMSがサポートに当たることで、その能力を十全に発揮する。
——第四世代MSの性能傾向——
第四世代MSの戦闘能力は、サイコ・ガンダム・シリーズに匹敵、場合によっては上回るものがあるうえ、運用性は第二世代MSと同等という、まさに「最強」のMSといえる。
しかし、多数の内蔵火器や大出力ジェネレーター、サイコミュなどは機体のメンテナンス性を著しく低下させるうえ、コストパフォーマンスも低いという問題もあった。
①攻撃力
第四世代MSの攻撃力は、第三世代以前のMSを大きく引き離している。ビーム・ライフルなどの主兵装も大出力、または連装式となっており、絶大な火力を持つ。また、ミサイルなどの実弾兵装を固定装備している機体も多く、パワーダウンしても攻撃手段が確保されている点も見逃せない。
②防御力
フラッグシップマシンに匹敵するハイエンド機のため防御力は高めだが、第二世代MSとの決艇的な違いは見いだせない。攻撃力を十全に生かすためかシールドを持たない機体もあるが、スタビライザーなどの拡張パーツが多く、これがダメージコントロール能力の拡大に役立っているとの見方もある。
③機動性⁄運動性
重層化と第重量化に伴いスラスターが強化されたほか、バインダーやスタビライザーの装備、アポジモーターの増設などで運動性を維持している機体も多い。ただし、スラスター推力は同時代のMSと同等であるため、単位重量当たりの推力が低下する傾向にあり機動性に劣る場合もある。
④サイズ
20mを超える頭頂高の機体が多く、さらにバインダーや超砲身ビーム・キャノン、長大なサイコミュ・コントロール用アンテナなどを装備しているため、全体的に巨大なシルエットを持つ。だが、当時は第二、第三世代を含むMS全体が大型化しつつあったため、世代による大きさの違いはほとんど見られない。
⑤戦闘継続時間
複数の大出力メガ粒子砲を装備、使用するために大出力ジェネレーターを装備するが、それでも第二世代MSなどと比較すると戦闘時間は短いとされる。特にハイ・メガ粒子砲は消費電力が大きいため、一回の射撃で稼働不能に陥るケースさえあった。内蔵火器や本体の複雑な機構のため、推進剤量も少ないと推測される。
⑥コスト
第四世代MSは、大出力メガ粒子砲やサイコミュ、多数の火器を制御する火器管制装置などを搭載している。そのため、通常の機体のス倍もの製造コストが必要となる。これは兵員数の問題から、少数精鋭体制を採らざるを得なかった第1次ネオ・ジオン戦争時の戦略環境とドクトリンから導き出されたものだと思われる。
——第四世代MSの特徴的な構造、装備——
第四世代の開発により、MSはそれまでのレベルをはるかに超える出力のメガ粒子砲と核融合ジェネレーターを手に入れた。更にサイコミュ関連技術の普及にも貢献したことは間違いない。
特に内蔵式メガ粒子砲の威力とジェネレーター出力は爆発的に増大したが、同時に第二、第三世代MSを含む、MS全体の技術的限界が見え始めた時期ともなった。
■ジェネレーター直結式大出力メガ粒子砲
メガ・ランチャー級の攻撃力を持つメガ粒子砲をMSに内蔵可能までにコンパクト化したもので、ZZガンダムのハイ・メガ・キャノンや、ゲーマルクの胸部ハイパーメガ粒子砲などが知られる。耐弾性が著しく向上していた第1次ネオ・ジオン戦争期の艦艇をも一撃で撃沈できるほどの威力を持つ。
その出力は30~50MWに達し、これは一年戦争で使用されたMS-08(ビグ・ザム)の大型メガ粒子砲の出力が13.9MWであったことを考えると、どれほどのものであったかが分かる。
小サイズ化と運用性の向上については、MSN-100(百式)用のメガ・バズーカ・ランチャーなどと比較すると隔世の感がある。
■サイコミュ⁄準サイコミュ
操縦性の向上や、MS単機の攻撃力を飛躍的に向上させるオールレンジ攻撃を実行するため、サイコミュの搭載も行われた。ネオ・ジオンはニュータイプや強化人間用としてファンネル搭載機を開発させる一方で、連邦軍から得た準サイコミュを搭載したドーベン・ウルフを完成させた。
また、ZZガンダムに装備されていたバイオ・センサーは機体の追従性を向上させる機能を持つ準サイコミュだが、ドーベン・ウルフのそれは有線式攻撃端末(インコム)による簡易オールレンジ攻撃が可能であった。これは準サイコミュ搭載機としては画期的な装備とされた。
■高出力ジェネレーター
ハイパーメガ粒子砲や並行装備された多数のビーム砲を同時に稼働させるため、5,000~8,000kWの出力を持つジェネレーターを装備している。
第1次ネオ・ジオン戦争期の一般的なMS用核融合ジェネレーターの出力が2,000kW程度だったことを考えると、いかに圧倒的なパワーを持つかが推測できる。ZZガンダムの様に、複数のジェネレーターを機体各所に並列装備することで出力を向上させている場合がある。
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