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ヘタリア大帝国

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TURN100 マッドサイエンティストその十

「予算も莫大なものになります」
「そうなりますよね」
「施設とその運営、そして人員と」
 山下も陸軍長官として考えていく、そして言うことは。
「莫大なものになりますから」
「この政策はあまりにも非合理的です」
 これも秋山だけの見方ではない。
「あまりにもです」
「こんなことを政策を敷いては」
 どうかとだ、彼等は話すのだった。
 そしてその話をしてそのうえでなのだ。
 山下は台湾にこう結論付けた。
「この政策も共有主義自体もかなりの問題点がありますね」
「完璧な主義であり政策と思われていますが」
「この世には完璧なものはありません」
 山下の持論にもなっていた、彼女は仕事については完璧主義者だがそれと共に完璧なものなぞこの世にはないこともわかっているのだ。
 それでだ、このラーゲリについても難しい顔で言ったのである。
 ラーゲリのことを話してもそしてであった。
 ラーゲリのことは太平洋諸国に伝わった、彼等はその政策を知り呆れそのうえで全否定した、これがカテーリンをさらに怒らせたのは言うまでもない。 
 そしてそのラーゲリの星の一つについてだ、東郷はリディアにこう言われたのだ。
「実はそこにです」
「そこに?」
「ロマノフ皇室の人がいるんですよ」
「あの皇室の人は全員国外に逃げたんじゃなかったのか?」
「逃げ遅れてそれで収容所に入れられた人もいるんですよ」
 そうした者もいるというのだ。
「実は」
「成程、それでその人とか」
「会われますか?」
 リディアはこう東郷に問うた。
「そうされますか?」
「そうだな、それならな」
 東郷もリディアの言葉に乗った、そうしてだった。
 彼女が教えてくれたその星の施設の一つに日本と共に行くとだった。
 二人と共に進む韓国がこんなことを言った。
「何か異様な雰囲気がするんだぜ」
「はい、確かに」 
 日本も韓国のその言葉に頷く。
「これはどうも」
「妙なんだぜ、この感じは」
「人がいるのはわかりますが」
「プレッシャーを感じるんだぜ」
 これが韓国の感じていることだった。
「それも異様なまでになんだぜ」
「尋常なプレッシャーではありませんね」
 日本は進みながら首を傾げさせていた。
「どういった人がおられるでしょうか」
「ロマノフ皇室の人か」
 東郷はこのことから考えて言う。
「そうだな、あの家となるとな」
「ロマノフ皇帝は退位して即座に国外に亡命していますね」
「エイリスにな」
 今ではそこで爵位を貰って生きている。
「皇室の大抵の人がそうだったな」
「そうでしたね、ですが」
「ソビエトに残っている人もいるんだな」
「その存在が秘密にされていたのですね」
「そうだな、一体誰だ」
 東郷はそれが誰かも考えて言う。
「わからないな」
「誰かいたんだぜ?あの家で行方不明の人は」
 韓国も誰かわからず首を捻る。
「一人も心当たりがないんだぜ」
「私もです。殆どの方が命からがら亡命された筈ですが
「それで誰なんだぜ?」
 三人共それが誰かわからない、しかしその部屋の前に来て。
 東郷が扉をノックした、すると中から異様な男が出て来た。
 サングラスにカットいた格好のいい髭、そして。
 緑のアフロヘアだ、そこにはカメレオンまでいる。
 その異様な男を見てだ、韓国は思わずこう言いそうになった。 
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