仮面ライダー　エターナルインフィニティ

「その時は案内させてもらう」
「その時は御願いします」
「色々と観る場所もあれば食うものもある」
　そうしたものが充実している町だというのだ。
「だから何時でも来てくれ」
「じゃあ僕達もこの街を案内させてもらいます」
「また時が来ればだな」
「今の騒ぎが落ち着いてからですね」
　優太も言って来た。
「その時に皆で」
「そうさせてもらえるか」
「お互いの街を案内し合うということで」
　珍しく穏健なことを言う優太に思われた、だが。　　
　すぐにだ、こうも言ったのだった。
「裏の方とかも」
「そういう場所は案内しないから安心しろ」
　照井は黒いオーラをまとった彼にあっさりと返した。
「絶対にな」
「えっ、この街のそういう場所も案内しますけれど」
「既にある程度知っている」
　ヴァレンティーノファミリーにテロリスト達を見ての言葉だ。
「もうな」
「だからいいんですか」
「風都のことはおいおい話す」
　そのことは、というのだ。
「それじゃあな」
「はい、まずは待ちましょう」
　優太も照井の言葉に頷いた、そうして。
　彼等はスサノオが仕掛けてくるのを待った、そのことが決まってからだった。　
　ヴァレンティーノはロレンツォにこんなことを言った、その言うこととは。
「ところで思うことであろーー」
「はい、何でしょうか」
「スサノオの正体は聞いたであろーー」
「ああ、仮面ライダーと同じ姿の」
「バダンの時の話を聞くと恐ろしい奴であろーー」
「何百万も犠牲　になってますからね」
　ゼクロスの肉体、即ちスサノオの依代を造る時のことだ。その身体を受けた村雨良の苦悩を思ってだったのだ。
　ヴァレンティーノは複雑な顔になり目を閉じて言った。
「村雨良、辛かったであろーー」
「ですよね、本当に」
「スサノオはとんでもない奴であろーー」
「それを考えると別人みたいだね」
　フィリップもここで言う。
「そうなるね」
「そうですよね、今は絶対にそこまでしないですよね」
「最初は本気で世界征服も考えていたしね」
　ショッカーの初期である、本郷猛が仮面ライダーになった当初だ。
「資料にも残ってるけれど」
「退屈を紛らわせる目的が変わったんだな」
　洋もここで言う。
「そういうことだな」
「そうなるね」
　こうした話もした、スサノオと彼等の戦いはライダーが来てからはまだはじまっていない、しかしそれが近付いていることも確かだった。


第九十七話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１３・７・９