万華鏡
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第四十四話 高校の運動会その八
「二学期は何もないわよね」
「文化祭の後はね」
「特にね」
学園の行事、二学期のそれはこれで終わりだ。流石にいつも忙しいという訳ではないのだ。
そのことを聞いてだ、琴乃は笑顔になって四人に話した。
「そうね、じゃあね」
「二学期はよね」
「文化祭までが正念場よね」
そしてその正念場を過ぎれば、というのだ。
「冬まではよね」
「穏やかに過ごせて」
「学校行事はマラソン大会までなし」
「まあマラソンはマラソンってことで」
何もないというのだ、こう話したのだった。
「とりあえずは文化祭まで」
「それまで頑張ろうね」
「そうね、じゃあ」
こう話すのだった、とにかく文化祭までが正念場だった。
だが景子はここでだ、こう四人に言った。
「私の場合は文化祭が終わったらね」
「お家の方がなの?」
「神社が」
「そうなの、私の神社のお祭りもあるしね」
それにだった。
「八条神社の方もあるし」
「ああ、あの神社ね」
「秋もあったわねお祭り」
「そうよね」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
「文化祭の後も重要なイベントあるのよ、しかもね」
「年末新年よね」
ここで言ったのは里香だった。
「神様仏様の関係は」
「そうなの、クリスマスは教会にも行くし」
「おい、宗教違うだろ」
美優がこのことをすぐに突っ込んだ。
「それでもいいんだな」
「いや、神様仏様にお仕えする者同士で助け合うから」
「いいんだな」
「そう、いいの」
得意に構わないというのだ。
「特にこの町はね」
「だったらいいけれどな」
「まあ半分遊びに行く様なものだけれど」
景子は微笑んでこのことも話した。
「ケーキとワインね」
「あと鶏肉よね」
「そう、それもね」
今度は彩夏に答えた景子だった。
「頂くことは頂くけれど」
「ちゃんとお手伝いもするのね」
「そっちも」
「そうなの、勿論お寺も天理教の教会も回って」
そうしてだというのだ。
「動くからね」
「年末年始凄い忙しいのね」
「そうなの」
その通りだとだ、景子はまた里香に答えた。
「これがね」
「ちゃんと寝ないと身体壊すわよ」
このこともだ、里香は景子に言った。
「遊んで働いてばかりだと」
「一応ちょっと時間があれば寝ないと駄目よね」
「うん、注意してね」
「クリスマスから新年の三日まで忙しくて」
まだあった、そこに加えて。
「七日まであれこれとあるからね」
「本当に忙しいのね」
「そうなのよね、十一月の秋のお祭りが終わっても」
十二月の末からだ、とにかくイベントの多いのが神社であるらしい。
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