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ヘタリア大帝国

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TURN99 シベリア侵攻その八

「それでいいんだな」
「全て任せる、じゃあな」
「はい」
 こう話してそうしてだった。
 実際にロンメルが率いる高速艦隊と田中が率いる潜水艦艦隊を動かした、そのうえで敵軍を待ち受ける。
 ジューコフは枢軸軍の動きを冷静に見ていた、それでだった。
「左右にも艦隊を向けるか」
「ではそれぞれ艦隊を振り分けますか」
「今から」
「そうするとしよう」
 こう冷静に指揮を出す、そうして。
 彼等は扇形に陣形を組みそのうえで枢軸軍に攻撃を浴びせようとした、そのうえで。
 パイプオルガンを仕掛けようとした、だが。
 枢軸軍は即座に散陣になった、それでだった。
 そのパイプオルガンをかわす、その損害を最低限にしたのだ。
「敵もさるものですね」
「うん、やっぱり考えてるね」
 ロシアは妹に対して述べた。
「散開すればダメージはかなり軽減出来るよ」
「パイプオルガンへの対応としては有効ですね」
「参ったね、これは」
 ロシアは難しい顔で呟いた。
「ヘリ空母もまだないしね」
「やはり数で押し潰すべきでしょうか」
 ロシア妹は敵軍を見ながらこう言った。
「突撃を仕掛け」
「そうするんだね」
「はい、これでどうでしょうか」
 こう兄に提案する、パイプオルガンと並ぶソビエト軍の得意戦術だ。
「これから」
「そうだね、じゃあね」
「私もそれでいくべきだと考えます」
 ジューコフもロシア妹の言葉に賛成する。
「パイプオルガンも思ったより効果が望めなくなりました」
「それにです」
「カテーリン書記長がご立腹です」
 ソビエトの絶対者の彼女がというのだ。
「同志書記長は消極的な行動を好まれません」
「その通りですね」
「ですからここはです」
「数で押し潰すのですね」
「総員総攻撃です」
 具体的にはそうするというのだ。
「ですから」
「積極的にですか」
「防衛戦であろうともです」
 ジューコフは彼の本来の戦術構想から考えていた、だがそれでもカテーリンが言うにはどうしてもだったのだ。
「攻めていきましょう」
「わかりました」
 ソビエト軍は総攻撃に移った、正面から全軍で突撃する。
 東郷はそれを見てこう言った。
「最初は随分慎重だと思ったんだがな」
「戦術が一変しましたね」
「そうだな、完全にな」
 こう日本にも返す。
「ここまで変わるとは思わなかった」
「どうされますか、ここは」
 日本はモニターから真剣な顔で東郷に問うた。
「敵は数と力で来ますが」
「如何にもソビエトらしいやり方だな」
「どう対されますか」
「一旦退こう」
 東郷はすぐに日本にこう告げた。
「ここはな」
「撤退ではないですね」
「数歩退くだけだ」 
 それに過ぎないというのだ。 
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