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MS Operative Theory

作者:ユリス
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サブ・フライト・システム(SFS)③

——SFSの機能と種類——

 SFSはMS搭載能力を持った航空・航宙機であり、基本構造は通常の航空機とほぼ同じである。しかし、MS搭載用スペースを確保するため、全翼機に近い構造を採用しているほか、戦闘時のMSの昇降に耐えるため、MS運用艦の甲板に近い強度が与えられている点が特徴となっている。


●SFSを用いたMSの空中戦

 SFSを使用した代表的な戦闘法の一つに、MSが搭乗した状態での空中戦がある。ベテランパイロットともなると、状況に応じて、SFSから離脱し、MS単体で空中戦を行い、さらにSFSと再合流するという高度な空中戦を実施することもあった。

これは戦闘中にSFS以上の旋回性能を必要とした場合やSFSを用いた対当たり、SFSを囮とした奇襲戦法として使用された。機動性に勝る可変機との戦闘では、特に有効だったようである。


●SFSによる攻撃の利点

 戦闘機やMA携帯時の可変機は、基本的に武器が付いている方向にしか攻撃できない。可変機はある程度攻撃方向を変えられる兵装を装備する場合があるが、その範囲も限られたものである。

だがMSが搭乗したSFSは、兵装を持った「腕」を自由に動かせるため、ほとんどの方向に攻撃が可能である。MSの持つフレキシビリティを損なわずに機動性を高める、SFSならではの能力と言える。


■大気圏内用

 ド・ダイYSの系譜に属する大気圏内用SFS。SFSの設計思想が、MSⅡ飛行能力を与えるサポート・システムであることを考えると、大気圏内用こそ真のSFSと言える。大気圏内で使用するため全翼構造を採用することが多い。


●ド・ダイYS

 公国軍が開発したSFSの原点と言える機体で、開発史における存在意義は大きい。ベース機が要撃爆撃機だったこともあって重装備が施されていた。MS搭載機は1機で、MS-07B(グフ)との組み合わせが多用された。


●ド・ダイⅡ

 SFSとしての性能を追求して再設計されたド・ダイYSの発展型。武装が省略されるとともに、機体上部にノズルが追加されている。懸架能力も有しており、2機1組で試作MAを運搬したケースも報告されている。


●ド・ダイ改

 ド・ダイYSを参考に開発されたSFSで、U.C.0080年代後半にエゥーゴとカラバが使用した。MS搭載数が2機となったほか、MS側からも操縦できるなど、MSと航空機を融合させた機体であった。最大速度はマッハ0.93とされる。


●ベース・ジャバー

 U.C.0080年代後半に、ティターンズと連邦軍のほか、ネオ・ジオン(ハマーン)でも使用されたSFS。コックピットはなくMS側から操作される。機首にメガ粒子砲を備えていた。MS搭載数は2機で、最大速度はマッハ0.83とされる。


●セッターH926

 U.C.0150年代、リガ・ミリティアが使用したSFS。胴体中央のプレートが変形し、MSの搭乗数は2機。ミノフスキー・クラフトを利用した唯一のSFSである。


■宇宙用

 SFSは宇宙でも有効な移動手段と考えられ、スペース・ジャバーとも呼ばれる宇宙用SFSが開発された。宇宙用SFSは移動速度の向上を主眼に開発された地上用と異なり、単純に展開速度や最大到達距離のみを考えて設計されたモデルが多く、中には単純なロケット推進機だけのものもあった。


●シャクルズ(エゥーゴ)

 エゥーゴが運用した宇宙SFS。行動半径の拡大と生産性を追求したモデルで、小型かつ簡素な形状が特徴である。各部に補助ノズルが設置されていたほか、機首部にはバルカン砲を装備する。MS搭載数は1機。


●ゲター

 ティターンズやネオ・ジオン(ハマーン)が使用。両サイドの小型アームや機首スリットなどに、姿勢制御用バーニアが設置されている。シャクルズ以上の航続距離を誇り、MSの行動半径を3にするといわれた。MSの搭載数は1機。


●ベース・ジャバー

 宇宙用SFSで、U.C.0080年代後半の同名の機体を再設計したものと考えられる。上面と下面に1機ずつ、計2機のMSを搭載可能。使い捨てブースターを接続することで航続距離の延長が可能。


●シャクルズ(シャアのネオ・ジオン)

 「シャアの反乱」時に、ネオ・ジオンが装備していた宇宙用SFS。かつてのエゥーゴ用シャクルズの生産設備で建造されたため、同じ名称がつけられたといわれている。MS搭載数は1機だが、スラスター数が多いため機動性に優れる。


●ブースター・ベッド

 正確にはSFSではなく月面から物資打ち上げ用ロケットで、主に民間で使用された。2基のロケットと支持架によって構成されたシンプルな構造を持つ。U.C.0093、RX-93(νガンダム)の月面からの離脱に使用された。


■大気圏内外両用

 大気圏内と宇宙の双方で使用可能なSFS。SFSは本来、低コストがメリットのMS用サポート・システムである。だが、大気圏内外両用はSFS位階の特殊機能を盛り込むことで高コストに見合う装備となっているほか、試作機として開発されたものも多い。


●フライングアーマー

 MSZ-006(Zガンダム)のウェイブ・ライダーの試作機として設計されたSFS。大気圏突入能力を持つほか、機体の動きが制限される突入の最中でも、自由な機動が可能である。大気圏内では滑空機能とホバーを併用する。RX-178(ガンダムMk-Ⅱ)用。


●FXA-08R(メガライダー)

 メガ・ランチャーとSFSを融合させた機体、第1次ネオ・ジオン戦争時に、アナハイム・エレクトロニクス社からエゥーゴに供給された。既定MS搭載数は1機だが、2機搭乗させることも可能であった。


●アインラッド

 ベスパの車輪型SFSで、搭載MSは1機。地上だけでなく、水中や水上、宇宙などあらゆる環境に対応している。武装が充実しているうえ、アインラッド自体に頑強な装甲が施されており、MSのビーム・シールドと組み合わせた場合、高い防御性能を発揮する。


●ツインラッド

 アインラッドの発展型で2基の車輪型SFSが結合した機体。基本性能はアインラッドに準じるが、搭載MSは2機に増加している。2基のアインラッド・タイプに分離可能なほか、車輪表面に接近戦用の踞刃を出すこともできる。


●ザンネック・ベース

 ZMT-S29(ザンネック)専用のSFS。宇宙から成層圏への降下や大気圏離脱の可能なほどの推進力を持つ。ベース下面にはビーム・シールドを展開可能で、死角となる下方向からの攻撃にも対応している。ミサイル・ランチャーを装備。
 
 

 
後書き
次回 第三世代MS 
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