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悪魔は避けて通れ

作者:雨棒
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第6話

 
前書き
途中で視点が変わります。読みにくかったらすいません。 

 
 朝、寮から教室に向かっている時に棗を見かけた。どうにも焦っているようで、その姿は私に昔のことを思い出させた。あの人達から逃げる私の姿と、何かから逃げる棗の姿が重なって見えた。終わりのみえなかった逃避行から私を救ってくれたナルミ。私も誰かを救えるのかもしれないと思った。ナルミが私を救ってくれたように。
 
 いつの間にか体が勝手に動いていた。アリスを使って私の回りの気配を消す。そして棗が私の横を通りすぎたと同時に手を引いて、力の中に引っ張り込んだ。急いで物陰に隠れる。するとそのすぐ横を黒い服装の男が通りすぎた。
 彼の気配が消えたのを確認して、棗を離す。棗は私を下から睨み付けて不快を露にしている。どうやら私に助けられたのが不満のようだ。お節介をしたのは私の方なので怒られても仕方ない気もする。ここは開き直るしかないと思い、逃げていた理由を尋ねる。
「なんで逃げてたの?あの人危険能力系の先生でしょ?」
「………関係ない。」
そっぽを向いて答えたが、何が関係ないのか。それにしても敵対心丸出しで疲れないのだろうか。
「今から彼を呼んでもいいんだけど?」
そっぽを向いていた棗がすぐにこっちを睨む。その反応が面白くてつい笑ってしまった。
「嘘。今呼んだら私まで怒られるでしょ?」

「なんで助けた。てめぇにはなんの得もないだろ。」
 そうだ。こいつには俺を助ける理由なんて何もないばずだ。なのにこいつは。
「私も助けてもらったことがある。そんな私でも誰かを助けられるかも知れないでしょ?」
なんて言うから拍子抜けしてしまって、文句を言う気にもならなかった。そしてまた笑いだした。こいつが来て1ヶ月たったが、始めとは少し変わったと思う。ルカが俺を探してやって来た。
「棗、ペルソナは?」
「まいた。行くぞ、ルカ。おい、貸しは必ず返すからな。」
俺は歩き出す。ルカは俺とあいつの顔を交互にみて、後ろについてくる。
 歩き出した時、後ろから聞こえてきた笑い声にすごく腹が立った。
 
 

 
後書き
今回の話は少し短かったですね。 
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