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ヘタリア大帝国

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TURN98 サイボーグ外相その五

「ここはな」
「といいますと」
「同志ゲーペ、潜水艦艦隊を使おう」
「潜水艦をですか」
「敵の港を攻撃する」
 惑星の衛星軌道上にあるその港をだというのだ。
「我々の主力から彼等を離してだ」
「そのうえで、ですね」
「港に向かわせ攻撃させる」
 そうするというのだ。
「港を破壊すればこの満州の修理や停泊に大きな影響が出る」
「一旦日本に戻っていますが」
 確かにその通りだ、だがこれがだった。
「ロスになっていますね」
「敵にロスをさせる」 
 あえてだというのだ。
「その間に我々は同志カテーリンにさらなる援軍の要請をし」
「それは私からもさせてもらいます」
 カテーリンの懐刀でもあるゲーペからもというのだ。
「それでは」
「頼む、同志ゲーペ」
「はい、それでは」
「今回は敗れてもだ」
 それでもだと、ジューコフは諦めていない目で語る。
「次につなげる」
「問題は日本本土ですね」
「大修理工場があるな」
「満州の港を破壊してもまだあの星域があります」
 それが問題だというのだ。
「しかし往復で二月かかりますね」
「そうだ、二月だ」
 この時間のロス、これもまた大きいというのだ。
「満州の施設で出来ることが日本まで行くことになるからだ」
「確かに、そうなりますね」
「では港を破壊しよう」
 ジューコフはその決断を話した、そしてだった。
 ジューコフは敗れながらもソビエト軍の潜水艦艦隊を向かわせた、その彼等に港を破壊させる為にだ。
 潜水艦達は隠密に、しかも高速で満州の港に進む、だがそれは。
 エルミーはファルケーゼのソナーを見た、そこにはっきりと映っていた。
「港に敵の潜水艦艦隊が近付いています」
「何っ、それは本当か!?」
「はい、間違いありません」
 こうドイツにも報告する。
「このままでは港が」
「わしが行く」
 宇垣が名乗り出て来た。
「わしの艦隊が一番港に近いからな」
「そうしてくれますか」
「うむ、任せてくれ」
 エルミーに強い顔で告げる、そしてだった。
 宇垣の艦隊が港に向かう、その途中にこう言うのだ。
「あの港には民間人もいるのだ」
「はい、パルプナ嬢ですね」
「その他にも」
「軍人は死ぬのはいい」
 それは構わないというのだ。
「しかし民間人は巻き込むな」
「軍人は民間人を守る為のもの」
「その為に存在しているからですね」
「そうだ、ここは楯になろうともだ」
 その覚悟と共に向かう。
「戦うぞ」
「はい、わかりました」
「それでは」
 部下達もそれを承知の顔で応える、そうしてだった。
 港の前に急行する、無論そこで臣民達を守る前に。
 港にはパルプナがいた、パルプナもまた敵を察していた。
「来る、敵が」
「!?そういえば宇垣外相の艦隊がこちらに急行しています」
「それでは」
「敵を察して」
 港にいるから全てはわからない、だがパプルナはある程度直感で察していたのだ。宇垣の意図も。 
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