ヘタリア大帝国
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TURN98 サイボーグ外相その三
「このヘリと潜水艦も使いましょう」
「では頼む」
「はい、我々も」
こう話してそのうえでだった。
ソビエト軍は前進をはじめた、それと共にヘリを発艦させようとする。しかし枢軸軍はそれを見てだった。
オーストリアが警戒する顔で東郷に言って来た、その言葉はというと。
「ヘリが来ます」
「噂のあれか」
「はい、ドクツで開発されていたものですが」
「私が開発した」
ここでレーティアが出て来る、東郷にモニターから話す。
「ジェット機と並行して開発していたのだがな」
「その技術がソビエトに渡ったか」
「ヒムラーが技術を渡した様だ」
現ドクツ総統の彼がだというのだ。
「ドクツ領とその地位の保全と引き換えにな」
「外交交渉の結果か」
「潜水艦と同じだ」
ソビエト軍が実用に移しているそれとだというのだ。
「そういうことだ」
「そうか、それならだ」
東郷はそのことを聞いてからレーティアに問返した。
「ヘリへの対策はあるか」
「ある、ヘリはホバリングや前後左右、垂直に動けるがだ」
この辺りが普通の艦載機と違う、ヘリはそうした動きも可能なのだ。
だがそれでもだと、レーティアは語る。
「しかしその操縦は癖があり普通の艦載機よりも難しい」
「熟練が必要か」
「そしてスピードも遅い」
このこともあった。
「少なくともいきなり戦場に出して即座に運用しきれるものではない」
「成程な、それならな」
「この戦いでは普通にスピードを使った攻撃で倒せる」
艦載機のスピードでだというのだ。
「撹乱させつつな」
「では全機出撃です」
小澤はレーティアの言葉を受けてからこう命じた、すぐに艦載機達が発艦していく。
前に飛びながら向かう艦載機のパイロット達に、小澤はこうも命じた。
「小隊単位で敵ヘリ部隊に一撃離脱攻撃を仕掛けて下さい」
「ミサイルを使ってですね」
「そのうえで」
「はい、敵のミサイルの射程に気をつけて」
そうしてだというのだ。
「照準を合わせさせない様にして下さい」
「了解です」
「では」
パイロット達も応える、そのうえで。
枢軸軍の艦載機達はまずはヘリ達に向かった、そのうえで。
小澤の命令通り一撃離脱攻撃を浴びせる、照準を合わせてミサイルを放ち。
すぐに宙返りの要領で上に飛び反転する、そうした攻撃を繰り返して。
ソビエト軍のヘリ達を撃墜していく、ヘリの動きは枢軸軍の予想通り鈍かった。
逆に言えばソビエト軍にとっては予想外だった、ゲーペは眉を顰めさせて言うのだった。
「訓練不足か」
「その様だな」
ジューコフがそのゲーペに応える。
「どうやら使いこなすには相当な熟練が必要な兵器だな」
「それがヘリですか」
「投入が速かったか、だが」
「諦めてはいません」
ゲーペの目は死んでいない、そのうえでの言葉だった。
「決して」
「それならだ」
「ヘリでの攻撃は諦めますか」
「これ以上この場でのヘリの運用は止めよう」
無駄に損害を出すだけだからだ。
「ここはな」
「ではどうするべきでしょうか」
「オーソドックスだ」
ロシアのそれだというのだ。
「秘密警察軍も協同してくれるか」
「無論」
ゲーペにも異存はなかった、すぐに答える。
「それではですね」
「そうだ、パイプオルガンだ」
あの攻撃を仕掛けるというのだ。
「そうしよう」
「わかりました、それでは」
ゲーペも応える、そのうえで。
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