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ヘタリア大帝国

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TURN97 ソープ帝国その二

「ここは僕の国だよ、何でもわかっているよ」
「地の利もあるんですね」
「そう、あるからね」
 それでだというのだ。
「奇襲を仕掛ける?」
「そうするか」
 ランスもモンゴルのその提案に腕を組んで応える。
「それしか戦いになりそうにもないしな」
「うん、じゃあね」
「よし、全軍で出撃だ」
 即決だった、ランスは言った。
「陽動部隊にあえて動いてもらってその隙に敵の後方に回ろう」
「後方に回る部隊が主力だね」
「そちらは俺と祖国さん、それにだ」
「コアイも行くよ」
 コアイは自分から名乗り出た。
「奇襲にね」
「じゃあ陽動部隊はだ」
「私になりますね」
 シィルしかいなかった、ここは。
「それではです」
「流石にやられっぱなしじゃ頭に来る」
 ランスの性格的にだ、やりっぱなしは好きだが。
「反撃を仕掛けてやるか」
「ではです」
 シィルも言う、そしてだった。
 元軍は枢軸軍に奇襲を仕掛けることにした、全軍で出撃して。
 枢軸軍は元への侵攻前にその入口で集結した、そしてだった。
 そこから元に向かう、その時に。
 中国gが東郷に怪訝な顔で言った。
「ここは要注意ある」
「敵の動きか」
「モンゴルは匈奴の頃から奇襲が得意ある」
 長年に渡る彼との戦いから熟知しているのだ。
「だから今もある」
「何時来てもおかしくないか」
「騎馬艦の機動力に加えてある」
 そこにだというのだ。
「ここはモンゴルの国ある」
「しかも本拠地か」
「地の利は向こうにあるある」
 東郷にこのことを真剣な顔で話すのだ。
「何時奇襲を仕掛けて来てもおかしくないある」
「言われてみればそうだな」 
 東郷も中国のその言葉に頷く、そのうえで顎のその薄い髭に右手を当ててそのうえでこう言ったのだった。
「ここでもだな」
「奇襲に持って来いの場所あるな」
「ああ、特に後ろからだ」
 後方が問題だというのだ。
「側面もだがな」
「では長官、どうするあるか?」
「このまま進む」
 進撃はするというのだ。
「敵に奇襲を察していると気付かれては元も子もない」
「じゃあここは」
「ここはこうしよう」
 東郷はその余裕の微笑みで話した、今回の策を。
 そのうえで中国にあらためて問うた。
「これでどうだろうか」
「それあるか」
「いけると思うが」
「いいと思うある」
 中国は納得した顔で東郷の言葉に頷いた。
「それで」
「よし、それではだ」 
 東郷は軍をそのまま進めさせた、そのうえでシィルが率いる元軍を発見した、見ればその元軍の動きは。
 しきりに上下左右に動いている、アメーバの様に。 
 秋山はその敵軍を見て東郷に言った。
「あれはどうやら」
「陽動だな」
「はい、間違いありません」
 こう東郷に話すのだ。 
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