IS《インフィニット・ストラトス》 ~死神の序曲~
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特別話
『IS《インフィニット・ストラトス》~星を見ぬ者~』コラボ話
帰還
前書き
遅れてしまい本当に申し訳ありません!
レポートやら学園祭やらで忙しくて中々更新出来ませんでした!
白さんにも迷惑をおかけしてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです…。
えと、今回の話で一応コラボの最終話ということになります。
今度コラボする時はあちらでということになります。
それでは最終話、どうぞ!
~スウェンside~
俺は勝負が終わり、ピットに引き上げた後はISを解除して壁にもたれかかっていた。
無茶な機動をしたせいで体がやけに痛む。
この分では骨は折れてはいないだろうがひびくらいは入っているだろう。
筋肉も痛めてしまった。
そう自分の体のことを分析していると教師織斑がピットに入ってきていた。
「体は大丈夫か?明らかに無茶だと分かる機動をしていたが?」
「…大丈夫です教師織斑、問題ありません」
俺は気付かれてはいるだろうが教師織斑には問題ないと言う。
教師織斑は何かを言おうとしたがそれを飲み込んで「そうか」とだけ答えた。
「では今から応接室に移動する。付いてこい」
「分かった」
そして応接室に移動していると教師織斑から話しかけられる。
「カルバヤン、長岡についてどう思う?」
「どう思うとは?」
俺がそう聞き返すと教師織斑は少し考え、そして俺に告げる。
「別の世界から来たお前に長岡はどう映るのか気になってな」
その言葉に少し俺も考える。
あの長岡という女子をどう思うか。
ふむ…。
「掴み所のない奴ですね。そして何かを隠しているように見える」
「………そうか。すまんな変な話をして。さあ応接室に着いた。長岡が来るまでここで待っていてくれ」
「分かった」
そうやって俺が応接室に入って20分くらいたっただろうか?
長岡という女子が扉を開けて入ってきた。
「ゴメンね~、一夏達の相手に手間取っちゃって遅れちゃった」
そう言って長岡という女子は向かい側のソファーに腰かける。
「教師織斑はどうした?」
「ん?織斑先生?ああ、席を外してもらったよ。今から束と通信を繋ぐんだけど色々と聞かれたりすると面倒だと思ってね」
そう言うが早いか空中にディスプレイとキーボードが出現し、長岡という女子がそのキーボードをものすごい速さで打っていた。
そして暫くするとノイズが出ている画面に変わった。
「じゃあ今から繋ぐよ?」
「ああ」
最後に長岡という女子がenterのボタンを押すと兎の耳が画面に見えた後、見慣れた姿が画面に映し出される。
『にぱ~♪束さんなのですよ~♪』
「梨花の物真似乙」
『おぉ~♪レイきゅんではないか~♪I Love you!』
「はいはい、それよりも彼が別の世界から来たらしいスウェンくんだよ」
俺は話についていけずに少し硬直していたが紹介された為、俺も名乗る。
「スウェン・カル・バヤンだ」
『へぇ~?君が異世界人ねえ?まあレイきゅんの頼みでもあったから引き受けたけど、正直解剖してみたくなったから解剖してみて良い?』
「断らせてもらう」
『ちぇっ、レイきゅんの頼みじゃなかったら解剖してるのに…』
こちらの世界の束はそういうと拗ねた顔をしてこちらを睨む。
「あ、それとスウェンくん体を痛めてるから回復用ポッドを使わせてあげて」
長岡という女子がそういうとどんどん束が不機嫌な顔になっていく。
『む~!私は便利屋じゃないよ!』
「お願いだよ~、聞いてくれたらあれをやってあげるからさ」
束が長岡という女子に「あれ」と言われた瞬間に笑顔に変わる。
一体何なんだ?
『我が世の春がキター!!!!』
「そんなに良いかね?あれ?」
『良いに決まってるジャマイカ!!!だってレイきゅんがスクミズで……グヘヘヘヘ………ジュルリッ』
「……いくら僕でもちょっと引くわぁ……」
ん?僕だと?
確か長岡という女子の一人称は私ではなかったか?
キャラを作っているということだろうか?
いや、この感覚はデュノアと同じ……。
「長岡、少し良いだろうか?」
「何かな?」
長岡という女子は首を傾げてこちらを見てきた。
俺は一瞬思い違いではないのかとは思ったが、すぐにその考えを改めて尋ねる。
「お前は本当に女か?」
それを聞いた長岡という女子は少し俺の顔を見て溜め息をついた後に苦笑いしていた。
そして口を開く。
「…ようやくか、賭は僕の勝ちだよ束。だから今回はあれはなしね」
『うぇ~、何で気付いたんだよ~。気付かなかったら賭に勝っていたのに~。ていうかレイきゅんも一人称をこそっと素に戻すってズルいよ~、横暴だ~』
「そんな指定はなかったでしょ?だから横暴なんかじゃないよ」
「一体どういうことなんだ?」
俺はわけが分からずに長岡という女子に聞き返す。
すると長岡という女子は俺を見て説明をし出した。
「束と賭け事をしていたんだよ。僕が君に正体がバレるかどうかをね♪」
『せっかくメイドになってもらえるチャンスだったのに~!』
「待て。長岡、お前は何故女装をしている?」
俺がそう言うと長岡という女子……いや、長岡は溜め息をついた。
「ある程度は予想出来ないの?あ、因みに一夏を狙ってとかじゃないから」
「何を隠している?」
「ん?言いたくないから言わないよ。それと僕が君に正体を言った理由は分かる?」
俺は考える。
長岡が俺に正体を明かすメリットはなんだ?
分からない。
それにデメリットの方が大きい筈だ。
俺が教師織斑にバラしたりする可能性は考えなかったとでも言うのか?
コイツの考えが読めない。
俺が悩んでいるのを長岡はニヤニヤと笑いながら見つめてその後、喋り始める。
「時間切れ~♪さて、もうそろそろくるかな?」
「何がだ?」
「ん?束だよ。そっちの世界の」
そう言った瞬間に応接室の奥にある机の引き出しが勝手に開き、そこから光が溢れだして部屋を包んだ。
そして俺は眩しさに目が眩み、目を閉じている間に何者かに捕まれてそのまま抱き抱えられた。
俺が抵抗しようとすると聞き慣れた声で「スーくん!撤退だー!」との声が聞こえ、俺はそのまま机の引き出しに引きづりこまれた。
気が付くとそこは色々な機械の部品が散乱したラボのようなところだった。
~スウェンsideout~
~レイside~
「帰ったみたいだね」
『そうだね~』
僕と束はスウェン君が帰った後、まったりと画面越しに束とお茶していた。
『ところでレイきゅん、アイツのこと結構気に入っていたみたいだね?嫉妬しちゃうぞ~?』
「アハハ♪まあね♪スウェン君の目が気に入ったんだ♪彼の瞳の奥にある闇にね♪」
『わぉ♪厨二臭~い♪』
「でも本当だよ。彼は僕とは近いようで全然違う何かを隠している。まあ何なのかは分かんないけど」
僕はそう言ってお茶をズズズッと喉に流し込む。
『それにしてもあっちの束さんも私と考えが同じで良かった良かった♪』
「そのおかげで厄介払いが出来たから僕としても良かったよ」
そう、僕と束はあっちの世界の束がこちらに来ることを予想していた。
まあ束曰く『もしもレイきゅんがそんな目にあった場合は私が直接迎えに行くね!』と言っていたからというのもある。
まあ興味対象の人間が何らかの自分のミスで失われるのに堪えきれないということなのだろう。
こういう予想や予想が外れて何かあった場合は束が彼を処理すると言っていたのでこちらの正体を彼にバラしたというのもある。
ちょっとした興味と遊び心、そしてちょっとした思惑で。
僕がそんなことを考えていると束が何か思い出したようにこう言った。
『あ、そういえばこれちーちゃんにはどうやって説明するの?』
「あ゛………」
しまったぁぁぁぁぁ!!!
織斑先生のことを忘れてたぁぁぁぁぁ!!!
『ヤバイよ…ちーちゃんが怒ったら怖いよ?』
「束は良いよね~、僕は逃げられないよ…」
『えっと………またね!レイきゅん!』
「あ、ちょっ!『ブチッ』……切られたよ……」
その後、織斑先生に彼が帰ったということ(所々暈しながら)を伝えると案の定鉄拳(というより出席簿?)制裁されました、はい。
はぁ、ちゃんとここら辺も考えておくんだったよ…。
~レイsideout~
~スウェンside~
俺は今、IS学園の入口にいる。
そしてそこで俺は教師織斑から詰問されていた。
「…いきなり2日間も居なくなった理由が束から連れ出されたからだと、そういうわけだな?」
「はい、教師織斑。その通りです」
俺はあの後に束のラボに着き、そこで体を治療し、その後に帰ってきたので2日も経過していた。
直接帰ればこの世界からいなくなった日の夕方には帰れたらしいのだが、怪我とISの破損をごまかすことが出来そうになかったのと、タッグトーナメントの出場が危うくなるのではと思い、束に協力してもらい治療、修理などをしていたために時間がかかったのである。
今回の件は束が自分のミスということで、束から居なくなった理由は束が連れ出したからで良いと言って引かなかったため、教師織斑には嘘をついていた。
まあ正直に言っても信じてもらえる可能性が低いということもあるのだが。
「まあ朝に束から試作武器の始動実験という連絡というところから嫌な予感はしていたが、今回はお前に非がないのをかんがみるに仕方ないから罰はなしで良い。まあ束につき合わされて罰というのはお前も堪らないだろうからな」
「ありがとうございます教師織斑」
「ただし、アイツらは心配していたぞ?しっかり顔を見せてやれ。ではな」
「はい」
そう言って教師織斑は校舎に戻っていった。
予想以上に簡単にゆるしてもらえたのは意外だったが、そこは束の日頃の行いかと思った。
そして俺は校舎に戻りながらあの長岡のことを考える。
アイツはいったい何を考え、何の為に行動していたのだろうか?
そしてあの目、俺には長岡の目に何も映っていないように見えた。
まるでつまらない劇を無理矢理見せられている観客のような。
そう色々長岡のことを考えたが、もう会うこともないだろうと思い頭のすみに置く。
それよりも今は心配させた一夏達のことを考えなければと思い、俺は校舎に入っていった。
~スウェンsideout~
後書き
最後にコラボをしてくださった白さん、本当にありがとうございました。
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