ハイスクールD×D ~THE GAME~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
プロローグ
Prologue2
神の領域―
「では皆選んできたな?」
五人はうなづく。
「・・・選ぶ?寝てて覚えてないです」
「!?じゃあ無意識に手に上げたのか・・・馬鹿もん!!しかし登録してしまったので諦めろ。ゲームのルール説明は貴様だけ後でする。早く人間を選んできなさい」
「すんません」
ぺこりと頭を下げ消える。
人間界―
人間の街の上空から見下ろす。
「・・・ていうか人間を選ぶの?まあいいや、誰でも」
目の端に白い人間の建造物をとらえる。
建物に近づくと・・・
「何だあの人間?」
小さな部屋からこちらをずっと見ている。
近づき壁をすり抜け部屋に入る。
「?」
だがこちらに見向きもしない。
ベットで寝ながら外をずっと見続ける。
「おい人間」
ビクッと体が震えてキョロキョロしだす。
「誰?」
こちらを探している。おかしい人間には私の姿はちゃんと見えるはずだ。
「お前目が見えないのか?」
「う、うん・・・君は誰か知らないけど、久しぶりのお客さんだし歓迎するよ。」
久しぶり?こいつまだガキだろ?
「親は死んだか?」
「死んでないと思うよ、たぶんだけど元気で暮らしてるよ。」
何を他人事みたいに言ってるんだこいつは?
「兄弟は?」
「いないんだ。僕一人っ子なんだ。次は君のこと教えてよ」
「私のこと?・・・私は神だ!」
「・・・」
流石に人間は簡単に信じるわけないよな。
「すごい!僕初めて神様にあったよ。これで学校に行った時の話の話題がまた一つ増えたよ!」
このガキは幸せそうに笑う。
「名は?」
「優希!不知火優希って言うんだ」
「お前はこんなところで何をしている?」
「僕ね、両足と右手が動かないんだ。目も病気で見えないし、他にもいくつのも病気があるんだってお医者さんが言ってたんだ。」
「そんなに大変なのにお前の親は何故見舞いに来ない?」
「二人共きっと仕事が忙しいんだよ。僕の『にゅういんひ』っていうのが高いんだって、だから・・・」
「お前は気づいてるんだよな?」
その言葉にビクッと震え小さく震えだす。
「なに・・を?」
「お前の聴力はおそらく人間の中でも群を抜いている」
「なんで知ってるの!?僕が耳いいこと、誰にも話してないのに」
「聞いてしまったのだな・・・人間の醜い部分を」
「・・・うん。でも嫌いじゃないんだよ!ちゃんとここまで育ててくれたもん・・・」
右手をかざす。優希の記憶を覗き見る。
「もう嫌っ!!あんな子、産まなきゃよかった!」
「金ばっかりかけやがって!お前があんな子を産むから!」
「私のせいにするの!!ふざけないでよ!」
「大体こんな体の弱い子が生まれてくるなんてありえない!俺の子じゃない!」
「もしかして浮気してると思ってるの!?笑えないわよ!!」
醜い擦り付け合いは延々と続く。
ここは三階、こいつの両親が話していたのは玄関前
こんな耳欲しくなかったよな・・・
「優希、ゲームは好きか?」
「ゲーム!聞いたことあるよ!退院した子が話してるのを聞いたんだ」
「やりたいか?」
「うん!・・・あっでも僕こんな体だから、きっとつまらないよ神様。ごめんね」
「大丈夫だ」
「本当に?」
「ああ、でもゲームはたぶん時間がかかるけどいいか?」
「うん!ちょっと待って」
左手で手探りして用意したのは紙とペン
左利きでもなければ目も見えない、だが器用に文字を書いていく。
「よし、たぶん出来た!すごいでしょ!僕字が書けるんだよ。」
その紙には汚くもしっかり平仮名でメモが書いてある。
「んじゃ行くか」
「うん」
優希を背負い、そこから消える。
ガチャ
「優希くん診察の時間ですよーっていない!?」
ナースは仰天し病室を飛び出す。
「先生ー!優希くんがー」
メモは扉が開いたせいかヒラヒラ落ちていく。
『おとうさん、おかあさん、なーすさん、おいしゃさん、みんな』
『いってきます』
後書き
後も一回だけプロローグがあります。
ページ上へ戻る