FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第141話 Pluto
前書き
こんにちは~♪07で~す♪
今回はトーヤが『ブラックテンプラネット』を止めるために立ち向かうっ!
もちろん、トーヤ目線で書いていきます。
それでは、第141話・・・スタート♪
空がだんだん暗くなってきました。コロールの森は本当に音が消えて、時が止まってしまったみたいに静まり返っています。ちょっと不気味です・・・僕は今、10個に分裂して森中に飛んで行ってしまった『ブラックテンプラネット』を捜しています。
ト「いったい、どこまで飛んでいったんでしょう・・・」
急がないと、本当に全宇宙が・・・!今回僕はまだ何も役に立っていません。だから、
ト「『ブラックテンプラネット』だけは止めないと・・・!」
僕の頭の中には、その事だけでいっぱいでした。その時、
ト「!」
僕の背後で強大な魔力を感じました。も、もしかして・・・!恐る恐る振り返ると、紫色に光り輝く『ブラックテンプラネット』が宙に浮いて漂っていました。恐る恐る近づいてよく見ると、
ト「?」
『ブラックテンプラネット』に何かが写っているのが見えます。更に近づいて見ると、惑星が写っていました。写っていた惑星は―――――
ト「冥王星・・・」
太陽系の第9惑星。惑星の中では謎に包まれている為、『未知の惑星』とも呼ばれています。
ト「この『ブラックテンプラネット』は、冥王星を支配する事が出来るんですね・・・」
一刻も早くこの『ブラックテンプラネット』を止めないと、冥王星が・・・!そう思ったその時、紫色の光が輝きを増しました。
ト「うわぁぁっ!」
あまりの眩しさに僕は目を覆ってしまいました。
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光が治まり目を開けると、
ト「え・・・?」
僕がいたのはコロールの森ではなく、上も下も、左も右も、四方八方紫色の空間。僕はその空間の中で浮かんでいました。僕はどこが上でどこが下で、どこが左でどこが右かさえも分からなくなってしまいました。そんな事より・・・
ト「ここは、いったい・・・?」
辺りを見回しても、どこもかしこも紫、紫、紫!ちょっと気持ち悪くなってきました・・・ふと視線を後ろに移すと、遠くの方に球体形の惑星(?)が見えました。もしかして・・・!
ト「あれが、冥王星・・・?」
でも、冥王星(?)の他に惑星らしき球体形がどこにもありません。惑星だけではありません。星も、月も、地球さえも・・・!どこにもないんですっ!ひょっとするとここは・・・!
ト「『ブラックテンプラネット』の中・・・」
どうやらさっきの光で、僕は『ブラックテンプラネット』の中に吸い込まれてしまったみたいですね。さて・・・
ト「ここからどうしたらいいんでしょう・・・?」
僕は四方八方紫色の空間を漂いながらここから出られる方法と、『ブラックテンプラネット』を止める方法を考えます。
ト「う~~~ん・・・?」
ですが、どんなに頭を回転しても、どんなに頭を使っても、どんなに頭をひねっても、方法は何一つ思いつきません。唸り続けていたその時、
ト「!」
さっきよりも更に強大な魔力が背後から感じました。僕は慌てて振り向くと、
ト「え・・・!?」
そこには、腰近くまである淡い紫色の髪の毛に、足首まですっぽり隠れる淡い紫色のシンプルなドレスに身を包んだ僕と同い年くらいの女の子が四方八方紫色の空間の中で立っていました。女の子の黒い瞳には光が射していなく、手には先が巻き貝の形をした紫色に輝く杖を持っていました。その女の子の雰囲気が、どことなくウェンディさんに似ていました。でも、なぜこんなところに女の子がいるんでしょうか?
ト「え、えぇっとぉ~・・・あ、あなたは・・・?」
恐る恐る話しかけてみると、女の子は表情を一切変えずに、小さいけど透き通るような声で、
プ「私はプルート・・・冥王星の守護神・・・・」
あ、冥王星の守護神さんでしたか。僕はてっきり襲い掛かってくる敵かと思いました。そんな安心は束の間。プルートさんは持っていた巻き貝のような形をした紫色に輝く杖の先を僕に向けると―――――
プ「守護神でもあり・・・冥王星の支配者でもある・・・」
ト「え・・・」
すると、紫色に輝く杖の先から紫色の光線が放たれました。その光線は僕の右肩を貫きました。
ト「っあぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
ただの光線かと思ったのが間違いでした。僕は右肩を押さえてよろめきました。ローブは破れ、肩からは出血。で、でも・・冥王星の、守護神さんが、な・・・なぜ、冥王星の支配者に・・・・?そんな事を考えていると、またさっきの紫色の光線が、今度は僕の左脇腹を貫きました。
ト「っぐわあぁぁあぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
さっきよりも激しい痛みが体全身に伝わります。
プ「邪魔者は、排除するのみ・・・!」
ふと僕の頭の中に、思いもよらぬ最悪の事が浮かび上がりました。ま、まさか・・・!
ト「プ、プルートさん・・あ、あなた、もしか、して・・・『ブラックテンプラネット』のせいで、や、『闇』に・・・・落ち、て・・しまっ、たんじゃ・・・・」
元々『ブラックテンプラネット』は、スバルさんの先祖、超有能な科学者のギンガ=P=ノービリさんが発明した全宇宙にある10の惑星を『光』に変える魔法『ホワイトテンプラネット』。でも、小さな過ちで闇魔法『ブラックテンプラネット』になってしまった為、コロールの森にある『シャンダ』の湖に封印し、500年間誰にも知られずに封印され続けてきたんですよね。その500年の間に、10の惑星の守護神さん達が、『闇』に落ちてしまった・・・だから、守護神であっても、支配者という訳ですね・・・もしかしたら、プルートさんを倒せば、『ブラックテンプラネット』を止める事が出来るかも・・・!少し希望が見えてきました。僕は痛みに耐えながら立ち上がると、
ト「プルートさん、僕があなたを、冥王星を、救ってみせますっ!」
僕はそう決意すると、左手を胸の前に置き、
ト「我と、心を通わせ、姿を現せ!出て来い!透明人間!てんぐ!」
空中に紫色の魔法陣が浮かび上がり、そこから姿は僕にしか見えませんが透明人間と、長くて赤い鼻をしたてんぐが姿を現しました。僕は幽封玉が割れてしまった為、今回はお化け達と戦わないと・・・!
ト「てんぐ、強風を起こしてくれっ!」
て「あいよっ!」
てんぐは持っていた葉っぱのうちわ一振りで紫色の空間中に強風を起こしました。
プ「っ!」
プルートさんも顔を顰めます。
ト「透明人間、プルートさんの背後から攻撃してくれっ!」
透「ん。」
透明人間はすごいスピードでプルートさんの背後に周ると、クリアナックルで背中を殴り掛かりました。が、
プ「消えなさい・・・」
透「!」
ト「!?」
プルートさんはさっと振り返ると、透明人間の鳩尾に強烈な一撃を食らわせました。透明人間は妖霊界に帰って行きました。
て「お、おい、トーヤ、どうなってんだ・・・?た、確か、透明人間は、お前にしか、姿が、見えないはずだろ・・・?」
ト「う、うん・・・」
でも、プルートさんは透明人間の姿が見えた。それも、的確に・・・
て「トーヤ、こいつ危険だぞ・・・」
ト「分かってる・・・」
僕は再び左手を胸の前に置き、
ト「我と、心を通わせ、姿を現せ!出て来い!雪女!」
魔法陣から艶やかな長い黒い髪の毛と大きな瞳、白い肌に白い着物、唇だけが赤く染まっている雪女が姿を現しました。
ト「てんぐは銀風!雪女は雪崩!」
て「今後こそっ!」
雪「はい~。」
てんぐは葉っぱのうちわを一振りして銀色に輝く風を起こし、雪女はプルートさんの背後で雪崩を起こしました。これならさすがのプルートさんでも・・・!っと思ったのも束の間、プルートさんは紫色に輝く杖を斜め右上から下にゆっくり振りかざすと、風はピタリと治まり、雪崩もピタリと止まってしまいました。僕達は開いた口が塞がりません・・・
雪「そ、そんな・・・」
て「ど、どうなってんだ・・・・?」
雪女とてんぐは驚きを隠しきれずにいます。まだ驚いている2人に向かってプルートさんは、
プ「消えなさい・・・」
小さく呟くと、さっきの紫色の光線が放たれ、てんぐと雪女を攻撃しました。
て「ぐあぁぁああぁああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
雪「きゃああぁああああぁぁあぁああああああああああああああああああああああああああっ!!」
ト「てんぐっ!雪女ッ!うああぁぁあああぁああぁぁぁあぁああああああああああああああっ!!」
てんぐと雪女は妖霊界に帰って行き、僕も足の付け根辺りを貫かれました。ローブはボロボロの血塗れ・・・僕はその場に倒れ、立ち上がる事が出来なくなってしまいました。プルートさんは音も無くゆっくりと僕に歩み寄ってきます。紫色に輝く杖の先を僕に向けると、
プ「消えなさい・・・」
吐き捨てるように言いました。杖の先には紫色の光が今放たれようとしています。僕は目を瞑ると、思い切って右手で杖の先を握りました。
プ「なっ・・・!?」
ト「ぐっ・・!」
プルートさんは僕の思わぬ行動に目を見開きます。杖の先を掴んだ僕の右手から真っ赤な血が流れ落ちます。僕は血塗れになった右手をゆっくりと杖から離すと、
ト「ぼ、僕を・・消したか、ったら・・・・け、消して、下、さい・・・で、でも・・・僕を、消したら、プルート、さん、は・・・いっ、一生、『闇』に、落ち・・た、まま・・・ですよ。」
プ「!」
プルートさんは光が射していない黒い瞳を見開き、唇を噛み締めました。僕の血で汚れた杖を持っている手は小刻みに震えています。
ト「プ、プルート、さんの・・・や、役目は・・冥王星、を、し、支配、する、事じゃ・・・あ、ありません・・・・め、冥王星を、守るんですっ!いえ、守り、抜いていく、と、言った方が・・・正しい、でしょう・・か・・・?」
プ「!」
僕が言った時は、すでにプルートさんの黒い瞳には光が射し込んでいました。すると、プルートさんの体が淡い紫色に光りだしました。プルートさんは、光が差し込んだ黒い瞳で僕に小さく微笑むと、消えてしまいました―――――
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ト「あ、あれ・・・?」
いつの間にか僕はコロールの森に戻ってきていました。目の前には、白く光り輝いている『ブラックテンプラネット』・・・いえ、『ホワイトテンプラネット』が宙に漂っていました。すると『ホワイトテンプラネット』は空高く舞い上がり、見えなくなってしまいました。
ト「これで、冥王星は救われたんですね。」
ほっとすると、右肩、左脇腹、足の付け根に激しい痛みを感じました。
ト「ぅぐ・・!」
僕は近くの木に寄り掛かって座り込みました。
ト「み、皆さん・・あ、後は・・・お任せ、します・・・・」
僕はそのまま意識を失いました。
『ブラックテンプラネット』の数、残り9個―――――
後書き
第141話終了~♪
トーヤの活躍により、冥王星は救われたっ!だがまだまだ安心は出来ないっ!残りの『ブラックテンプラネット』を止めなければ・・・!最強チームは間に合うのか!?
次回はウェンディが『ブラックテンプラネット』を止めるために立ち向かうっ!
それではまた次回~♪
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