転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0420話
何やら人の集まっている場所で、偶然ネギを発見してみればまた何かのトラブルに巻き込まれてるとか……
そしてその男の周囲には武装した騎士団達が数十人単位で存在している。おまけにネギは指名手配されている子供のまま、か。
幾らナギ・スプリングフィールドとしての顔が広まって下手をしたらファンに囲まれるからといって手配されてる姿のままでいなくてもいいだろうに。
「さて、どうするか……」
ネギの周囲を見ると、何故かネギを守るかのように数人の少女達の姿が……いや、ちょっと待て。あのデコの広さは……綾瀬?
何故綾瀬がここにいるんだ? 確か綾瀬はフェイト達に捕らえられている筈じゃなかったのか? 事情が良く分からないのが痛いな。取りあえずはここで遠くから眺めて隙を見てネギを掻っ攫ってくるのがベストだろうと判断し、そのまま人目に付かない場所へと移動してから影のゲートへと沈み込んでネギの影まで移動する。
「……で、また新たな登場人物か」
影の中から見えた光景。それはこちらもまた騎士団らしき存在を従えた中年の女の存在だった。ただ、影の中から見る限りではどうやらネギに協力的らしいが……
ちなみに、あの陰険そうな男はゲーデル総督。即ちこのオスティアの最高責任者らしいが……つまりはMMの手の者か?
そんな風に考えている間にも事態は進展していく。
まるでドラクエの魔王の如く、陰険そうな顔をしたゲーデルがネギへとこう問いかけたのだ。
「君には大変な価値がある。君にはこの世界を支配できる力があるのですよ。どうでしょう、私と手を組みませんか? そうすれば世界の半分を差し上げましょう」
……まさにどこの魔王だって感じだよな。
だが、その言葉がネギに混乱をもたらし……闇の魔法を半ば暴走する形で発動させてしまう。ネギの魔力が周囲へと烈風の如く広がり……その風に舞い上げられた落ち葉がゲーデルの頬に当たるのだった。
「ちぃっ、馬鹿。挑発に乗るな!」
影の中からネギへと声を掛けるも、既に遅い。ゲーデルの率いていた騎士達がネギへと攻撃を仕掛けたのだ。
一歩遅かった……いや、この場合はゲーデルの話術の巧みさを褒めるべきか。
とにもかくにも戦闘が始まってしまっては仕方が無い。騎士の1人の影へと移動し、その足首を掴みながら影のゲートから姿を現す。
「っ!?」
咄嗟に俺に気が付き、その手に持っていた槍を影から姿を現した俺へと突き立てようとしたその反応はさすがというべきだった。しかし……
「な!?」
槍は所詮物理攻撃。混沌精霊である俺には魔力すら込められていない物理攻撃は効果が無い。
俺を覆っていたローブを貫き、同時に俺の身体も貫いたその槍だったが、炎で構成されている俺の身体だけに次の瞬間には槍がドロリと溶ける。
「熱っ!」
その溶けた金属に一瞬接触し、咄嗟に俺から距離を取る騎士。
そこまでやって、ようやく周囲の者達も俺の存在に気が付く。
「アクセル君!?」
あ、馬鹿。名前を呼ぶな。……いや、ここまで来ればもう変わらないか。
残っていたローブを身体から剥ぎ取り、ナギ・スプリングフィールド杯で優勝した異形化した状態の姿を現す。
「……ほう。名前を見た時にはもしやと思いましたが。やはり賞金首のアクセル・アルマーですか。容姿がこちらにある写真と随分と違いますが……どうしたんですか?」
この後に及んでもまだ余裕を表しつつそう告げてくるゲーデルに多少の不審を覚えつつも、後方へと跳んでネギの横へと着地する。
「頭に血が昇りすぎだ」
「……ごめん」
「まぁ、やってしまったものはしょうがない。早い所あいつ等を倒してここから離れるぞ。綾瀬、お前もいいな?」
そう呼びかけるも、何故か不思議そうな顔で俺の方へと視線を向ける綾瀬。
「……綾瀬?」
「あの、貴方はどなたでしょう? いえ。TVで拝見したので名前は知ってるのですが、私とどういう関係なんでしょうか?」
……何?
「ネギ?」
「その、どうやら一種の記憶喪失のようで」
また面倒な事に……
「アクセル・アルマー? そしてその姿は……ナギ様と昨日戦った!?」
綾瀬の側にいた褐色の少女が何やら俺を指さしてそう声を上げるが……どこかあやかに通じるものがあると感じるのは俺の気のせいか?
「色々と面倒な出来事になってるらしいが……どうする? 俺のゲートは今見せてしまったからな。弱点もまぁ、見抜かれているだろう」
「うん、このままだと追われちゃうから取りあえずあの人達をどうにかしないと」
そう呟き、ネギが闇の魔法で雷天大壮の状態になる。
「確かにな。ただ、ここで騒ぎを大きくするのは正直面白くない。なるべく早く倒してさっさと撤退するぞ」
「うん」
「そうと決まったら数には数だ。生命ノ宴」
ゆらり、と俺の腕が白炎へと変化してそこから十数頭の狼、虎、犬、獅子、豹、といった炎獣を作り出す。
「行くよ、アクセル君!」
ネギが短くそう叫び、雷速瞬動で騎士団へと襲い掛かる。同時に炎獣達もまた騎士団へと襲い掛かる。
一応オスティアの総督という話だし、迂闊にその配下を殺すといらない恨みを買いそうなので取りあえずは気絶させるだけだ。折角現実世界に帰れるチャンスが来ているというのに、それを不意にするのも馬鹿らしい。
ネギの雷速瞬動により為す術もなく槍の間合いの内側へと入り込まれた騎士達は鎧袖一触と言ってもいい程に圧倒される。
同時に炎獣達も騎士達へと襲い掛かり、その槍を溶かし、あるいは鎧を熱する事により着ていられなくする。
結果として30秒と掛からずに騎士団は戦闘不能になるのだった。
「さて、どうする? まだやるか?」
ゲーデルへと問いかけるが、その肝心の本人は口元に薄い笑みを浮かべたままこちらを面白そうに眺める。
だがその言葉を聞いて動いたのは、ゲーデルではなくもう片方の騎士集団を率いる女の方だった。
「くっ、ここでこれ以上の騒ぎは……仕方ありません。私達であの2人を取り押さえます!」
「総長、それ無理です。無理無理」
「ナギ・スプリングフィールド杯の優勝者と準優勝者ですよ!? 勝てっこないですって!」
さすがに今の暴れっぷりを目の前で見せられては躊躇する騎士達。
そしてそんな騎士達の前にゲーデルが進み出る。
「そうですね、皆さんにはちょっと荷が重いでしょう。という訳で私が相手をさせてもらいます」
「……随分と自身家だな」
「そうですか? まぁ、君達2人程度なら私でもなんとかなりますしね」
「総督様なんだろう? 仕事で鈍っていないといいけどな」
「さて、それは今から君の身体が証明してくれるでしょう」
挑発に挑発を返されるが、このまま睨み合いのままだと向こうの援軍でさらに危険になる、か。
だが腰に構えた木刀を持っているゲーデルを目にすると、妙に警戒心が湧き上がってくる。同時に念動力も向こうの危険さに警鐘を鳴らしている。
何でこんなに嫌な予感を覚える? 実力自体は高そうだが、少なくてもラカンよりは下だろう。となると、俺やネギに対する相性がいいとでもいうのか?
……待て。俺とネギに共通するのは俺が混沌精霊。ネギが疑似的ではあるが雷精に近い存在となっている事だ。つまりは物理攻撃を無効化する……なるほど、その可能性はあるな。ちょっと試してみるか。
「ネギ、ちょっと試してみたい事がある。炎獣を良く見てろよ」
「え? うん」
ネギの取りあえず頷いてみたという返事を聞き、展開していた炎獣のうち1匹、虎の炎獣をゲーデルへと襲い掛からせる。
「へぇ、どこで気が付いたのやら。それらしい気配は見せなかったのですが……さすがに大会優勝者といった所ですが」
ニヤリとした笑みを浮かべ、その木刀を……違う。あれは仕込み刀!?
「魔を調伏する我が剣技……その目で確かめてみなさい! 神鳴流奥義、斬魔剣!」
放たれた斬撃は、虎型の炎獣を真っ二つに切り裂いてそのまま消滅させる。
「……え?」
それを見ていたネギがどこか間の抜けたような声を出す。
その横で俺は感心したように頷く。
「なるほどな。ネギ、今のを見て分かったか? 神鳴流とはな」
「え? あ、その……気を使った攻撃だから炎獣に効果があったの?」
「ちょっと違う」
炎獣というのは俺の白炎から生み出されているものだ。それ故に俺程完璧な物理攻撃無効化能力を備えてはいないが、物理耐性とでも言うべきものは備わっている。それはナギ・スプリングフィールド杯の決勝で俺と戦い、炎獣を相手にしたネギが一番良く理解出来ているだろう。そんなネギの疑問だったが、概ね正解といった所か。今の一撃は確かに気を使った一撃であるのは間違い無い。だが、それだけでも無いのだ。
「今の技、そもそも俺やネギのような存在を斬る技だな?」
「やはり分かりますか。……私が調査しても貴方の素性だけはどうしても分かりませんでしたが……本当に何者なんです?」
「さてな。……ネギ、気をつけろ。こいつの強さはともかく、技の相性が俺達とは最悪に近いぞ」
「う、うん!」
ネギが頷いたのを確認し、鳥や虫といった小型の炎獣を大量に作り出す。
姿の大きい炎獣が一撃で仕留められるのなら、それ以上の数を繰り出すだけの話だ。
「ネギ。とにかくこの場は何とかして一端退くから、引き際を見誤るなよ」
「分かった」
「ふむ、そう簡単に逃がすとお思いですか?」
「どうだろうな。だがこの数相手にどうにか出来るのか? 見た所、お前の斬魔剣とやらは多数を相手にするには向いてないだろう?」
そこまで告げ、手を大きく振り下ろして炎獣をゲーデルへと襲い掛からせる。だが……
「確かに斬魔剣だけでは多数を相手にするのには向いてませんが……こういう手段もありますよ」
獅子の炎獣が放った爪の一撃を回避し、仕込み刀を抜き放つゲーデル。
「神鳴流奥義、斬魔剣、弐の太刀、百花繚乱!」
周囲へと放たれた無数の斬撃が炎獣達を纏めて消滅させていく。その様はまさに先程のネギがゲーデル率いる騎士団を圧倒したのと似たような……否、それよりもさらに鎧袖一触と言える一撃だった。
「ちっ、厄介な」
仕込み刀をぶらさげ、こちらへと視線を向けているゲーデルに舌打ちをする。
スライムを使うなり、空間倉庫に入っている銃を使うなり対抗手段は幾らでも考えられる。例え神鳴流に飛び道具は効かないとしても、秒速100発以上の機関銃とかを出せばさすがに防げないだろうし。だがそれをやると騒ぎが大きすぎる。スライムに関しても何やら裏のありそうなこの男相手に迂闊に見せるというのは余り嬉しく無い。
そんな風にこの場でどう対処をするか考えていると、不意にゲーデルの視線がネギへと向けられる。
「ふむ、お遊びはこのくらいでいいでしょう。ネギ・スプリングフィールド君、君は本当に倒すべき敵という存在を理解しているのですか?」
「……え?」
「どうやらその様子では分かっていないようですね。では、ここで問題です。ネギ君が本来倒すべき敵とは誰でしょう? A、世界滅亡を企む謎の組織。B、君の父を奪った誰か。C、君の村を焼き、君の人生を根本から変えてしまった何者か。Aは現在、Bは未来、Cは過去。本当のところ、君はAに興味などなくBしか見えていない……と思わせておいて本当の本当。君の中にある根源はCだ。Cに囚われ、Cにのみ突き動かされ君は未来へと突き進む」
「っ!?」
ゲーデルの言葉に思うところがあったのだろう。反射的に息を呑むネギ。
「その為に、復讐をなすべき為にこそ闇の魔法を習得したのでしょう? それは正当な権利なのですから恥じる必要はないですよ。私はそんな君の魂のあり方に共感を覚える愚か者なのですから」
「……村の事を、何か知ってるんですか?」
「さて、どうでしょうね。ですがもっと詳しい話を聞きたいと、復讐の相手を知りたいと言うのなら私と手を組む事です。そうすれば先程も言ったように世界の半分を差し上げますよ?」
「っ!?」
ゲーデルがそう告げた直後。ネギが何らかの行動を起こそうとしたそのほんの一瞬前。俺達のいた場所へと何かが放り込まれて周囲を煙幕で覆い隠す。
「ネギ、退くぞっ!」
「え? でも!」
ちっ、ゲーデルの言葉に囚われてるか。なら気絶させてでも……
「アクセルさん、ネギ先生は私が!」
煙に紛れて聞こえてきた声は桜咲のものだった。
「分かった。任せたぞ」
桜咲の言葉に頷き、ついでとばかりに空間倉庫からスタングレネードを数発取り出してその場に放り、同時に俺は影のゲートへと沈む。
「うわあああああああ!」
「きゃあああああ!」
「ちょっ、目、目が見えない!」
「何が起こった!?」
スタングレネードにより巻き起こった混乱の声を聞きながら何とか撤退に成功するのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:392
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