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吉良の奇妙な生活

作者:そうん
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第一部「吉良吉影は眠れない」
  第三話「強盗」

 
前書き
どうも、筆者のそうんです。前々から感づいていたと思いますが、虹村の名前違うとか譲介とかそこらへんが原作と異なると思います。これは仕様です。平行世界として存在しているので名前も何もかも似ているというようにしております。また、今後の流れは原作4部にそって登場人物を出していきますが・・・まぁ吉良が主人公となる今作の場合、違う形での登場もあります。なので次はこいつが出る!!とか予測しても異なる場合もあるのでご了承ください。あくまでも吉良メインのストーリー構成なので。 

 
第三話「強盗」

あれから私はスタンド使いを増やしている元凶を探し回ることにした。私の意とは反すが、仕方ない。やむを得ない場合は殺人でも犯そう。
スタンドはスタンド使いにだけ見ることができる。だから殺人罪には問われない。全ては私の未来のためだ。

だから私は今もこうして、近所をうろついているわけだ。

「…探すというのも苦労がかかるな。なんなら有伍に探させれば良かったのかもしれない。」

名も顔も知らない一人を探すのには手間がかかる。そんなのはわかっている。しかしこれでは安心して熟睡できない。だから何が何でもその犯人とやらを私自身の手で探し出すしかないわけだ。人生中でこれほど面倒なことはなかっただろう。

「他をあたるか。」

一通り巡回してみたものの、それらしき怪しい人物はいない。見渡す限り、サラリーマンや学生…高齢者と様々いる。だがそれらしき、問題を起こすような奴はいなかった。

「これほど辛い事だとは思いもしなかった。私としたことが…侮ってしまったか。」

探すことに嫌気がさした私は腕を組み、探す宛を考えることにした。そんな時、偶然銀行付近にいたせいか、とある事件に巻き込まれる。そう、強盗だ。犯人は回収と同時に店から飛び出したようで、私と接触してしまった。

「!?な、なんだ!?」

ドカッ…。

「んだテメェ‼」

尻餅を着いた私は、接触した男の顔を見た。
この顔は…指名手配されているはずの人間、「安藤十四郎(あんどうとうしろう)」連続強盗犯だ。彼は長いこと強盗を続けてきた。異名はアンジェロ。その件数なんと30件にも登る。その凶悪犯が私の目の前に立っている。どうするか?決まっている。捕まえて見せるさ。そして懸賞金を受け取る。目の前のチャンスは逃さない。これが私だ。

「安藤…十四郎…。」

「テメェ…何者だ?ぇ?まさか警察の追っ手か?いや、若すぎる。さては俺にかけられた懸賞金目当てか?」

「そのつもりだが…何か問題があるのか?貴様にはあるだろうが、私は知ったことではないんだ。」

安藤十四郎…。こいつがその安藤なのか?顔つきは凶悪だが、武器も何も持っていないようだ。どうやって強盗をしてのけたのだ?

「へぇー。威勢だけは認めてやるよ。しかしだな…お前さんはここでくたばってもらう。」

「ほぅ…武器も何も持たずに?ハハハ…笑わせてくれる。」

「小僧…。笑っているのも今のうちだぞ?今、お前は死んだ。何が起こったかのかもわからずにな。」

私は確かに死んでいた。まぁ…私がただの一般人ならばの話だがな。かろうじてギリギリだった。キラークイーンが守ってくれなければ私は心臓を貫かれていた。このアンジェロという男…スタンド使いだったか。水型…なるほど…。

「な、何!?」

「ふ…私がただの一般人だと思ったら大間違いだ。今、私の背後に貴様のスタンドをすりこませただろう?」

「テメェ…スタンド使いか?目的はなんだ?やっぱし弓と矢か?ぁあ!?」

この男…当たりだ。私はついに突き止めた。弓と矢はやはりこの男が持っている‼

「私に運は味方してくれているようだな。懸賞金、弓と矢の回収ができるとなれば…私は迷わず貴様を捕らえる。」

「テメェも追っ手か…。それにスタンド使いときたか…。面白い。やってみろよ。この俺に…テメェのそのスタンドで俺を倒してみろ‼」

この男…かなり挑発的だな。しかしここで挑発に乗るのはバカとアホのすることだ。まさしく有伍のような無知な人材。だが私は違う。いつでもどこでも三手先までは読んでみせる。

「フンッ…そんな挑発…私に効くとでも思ったか?貴様の考える事はどうせ、私を罠にはめることなのだろう?」

「さぁ?それはどうかな?俺のアクア・ネックレスに弱点はない。敗北もないんだよ‼」

アンジェロはスタンドを発現させ、私を襲わせる。しかし、私の能力は「触れたものを爆弾に変える能力」触れてしまえば私の勝利は確定的だ。

「っしししッ‼くらいやがれ‼」

「マヌケめ‼この私に敵うとでも思ったのか!?恥を知れッ‼」

私のキラークイーンはアンジェロのアクア・ネックレスに触れた。だが…触れると同時に、二つに裂け、私の懐へと回り込まれた。

「な、なんだ!? これは!?」

「マヌケはどっちだ?俺のスタンドは水型…テメェの攻撃なんざ喰らわねぇんだよ‼わかったか‼」

懐に入ったアクア・ネックレスは所構わず私に憑依した。溺死させようというのか?だがそれは返って好都合だ。私は三手先まで読んでいる。このくらいの事は承知の上だ。

「私を溺死させる気だろう?しかしだな…甘い…甘いんだよ。」

「ぁ?何言ってんだ?こいつ…今テメェがどんな状況なのかわかってねぇようだな?」

だから無能な奴は嫌いだ。皆、口を揃えては同じ事を口走る。はぁ…。思い知らせてやるか。上には上がいるということを…私には勝てないということを…。

シュバババババッ‼

私はアクア・ネックレスを体に纏いながら、無防備なアンジェロへとキラークイーンのラッシュを叩き込む。

「何を言ってるか…まだわからない?君は私には勝てない。それだけだよ。」

ズドドドドドッ‼

「グェアアアアァァァァ‼」

ラッシュを叩き込まれたアンジェロは後方に吹っ飛ばされ、銀行内へと放り込まれた。

「フンッ…。容易い。こんなあっけなく終わってしまうとは…。つまらないものだな。」

私はゆっくりと倒れているアンジェロのもとへと駆け寄る。

「思ったより弱いな。君にはガッカリだ。さぁ話したまえ。」

「うぐぁ…。お…俺は…持ってねぇ…。テメェ…何者だ…?」

持っていない…だと…?じゃあこいつはなんなんだ?ただの強盗?いや、確かに、弓と矢を知っているようなそぶりだったはずだ。

「何者か聞きたいのはこっちだ。さぁ、話せ。弓と矢、お前の知っている範囲でいい、話せ。その代わりに逃がしてやる。」

「それは…本当か?なら、教えてやる。俺は、その弓と矢について…知っている事は、一つだけだ。」

私は一言一句、聞き漏らしのないよう、アンジェロの発言に耳を傾けた。
アンジェロ…彼はつい最近、矢に射抜かれスタンド使いになったという。その射抜いた男は彼にこう告げたらしい。「私は君の味方だ。その君の分身のようなものは君に手を貸してくれる。好きなことをすればいい。もう一度言っておく…私は君の味方だ。」と。そしてアンジェロは自らの行う、強盗に身を投じてきたという。

「…その男…何者だ?」

「しらねぇ…。」

「嘘はよくないな。」

ゴスッ…。

息も絶え絶えのアンジェロに私は蹴りを加える。アンジェロはその痛みという痛みに悲痛の声をあげ、悶絶した。

「ぐぅうううぁぁああぁっ‼わ、わかった‼わかったよ‼話す‼全部話す‼」

「最初から素直に話せばよかったのにな…。さぁ、言うんだろう?言えよ。」

私は無理やり、両腕でアンジェロの胸ぐらを掴み上げた。だがアンジェロは不敵な笑みを浮かべていた。

「バカめっ‼油断大敵とはこのことだなぁ!!ぇえ!?そうだろ!?な、そうだろぉ!?」

アンジェロは手の塞がった私に対し、アクア・ネックレスを私に放った。

「な!?なんだって!? 」

「へへへ…。死ねッ‼」

死ぬ?私が死ぬ?こんなところで?そんなはずはない。この吉良吉影はこんなところで死ぬわけがない。運は、私に味方してくれているからだ‼︎一か八かだ、こいつをこの場で爆殺するしかない。そうなれば私も爆炎に巻き込まれてしまうだろう。だが、選択の余地はない、やるしかない。ハイリスクだがやむを得ん‼

「キラークイーンッ‼ こいつを爆破しろォーーーー‼」

ボゴォオオオオオンッ‼

スイッチを押した瞬間、アンジェロの体が白く輝く。起爆には成功した。だが、私もただでは済まない。至近距離での爆破は私にも被害は及ぶ。しかし、何かに引き付けられるように私は後方に体が持って行かれる。

ガオンッ‼

「!?これは!?」

「へへへ…待たせたぜぇ〜。吉影ぇ〜。」

私を支えたのは、あの虹村有伍だった。
彼のスタンドの能力、削り取る能力で空間を削り取る。すると私が引きつけられ、瞬間移動する原理だ。おかげで私は傷ひとつつかずに脱却することができたのだ。

「有伍、君という奴は…。」

「どうってことねぇ〜ってことよぉ、この虹村有伍に削れねぇものはねぇ〜。」

「フンッ…。私は君を誤解していたようだ。まったく…たいした根性だ。本当に君は天性のバカだな。」

「お前、また俺の事、バカっつったなぁ!?なぁ、なんでだよ?ねぇ、なんで?」

褒めたつもりだが、こいつは…本当にバカのようだな。まぁ私の言い方も悪いが…。こいつ…流れ、空気というものが読めないのか?

「そんな事はどうでもいい。ところで有伍、君は何故私の元に現れたんだ?失せろやら消えろなどと扱っていた私を何故救った?」

「んなこたァ、決まってんだろうがよォ〜。
ダチだからだよォ〜。それとも、お前は俺の事をダチだと思ってないのか?」

「思ってない。」

これで彼も私につきまとうことを辞めるだろう。彼には悪いが、私は平穏に生きたいだけだ。それ以上は求めないし望まない。

「そっか…。んならそれでも構わねぇ。お前の配下ってことにしてくれ。俺もお前の指示なら喜んで聞くぜ。」

「…。なんだと?」

虹村有伍…。こいつは一体何者なんだ?自分を私の配下にしろ?身の程知らずにも程がある。
しかし私はそこまで鬼ではない。友人という肩書きがダメなら配下ときたか…。そのくらいの覚悟は決めているというのか?

「もう一度言わせてもらう。君は私の配下…それでいいのかい?」

「俺としても気が引けるが、構わねぇ。お前を信じるぜ。」

「フフフ…面白い奴だ。いいだろう。今日から君は私の下部だ。」

私の配下…。悪くないな。だがしかし、程々にしておかなければな…。あくまで私の平穏のためだ。程々にしておかなければ、歯止めが効かなくなることもあるということも踏まえなければ。

「しっかしよぉー。吉影ぇ〜。どうしたんだ?こんなところで…。」

「おぃお前…主人に対しての口の聞き方をどうにかしろ。お前は私の下部だ。」

「ぁ。おぅ。すまねぇ。吉影様…でいいか?」

「それでいい。」

今日は気分がいい。下部を作るというのは実に気持ちがいい。私としては少し気が引けるが…構わないだろう。彼から言い出した事だ。なら私は彼の期待を裏切るわけにはいかないだろう?フフフ…。これで私の平穏への一歩が踏めたといったところか。これから私のために働いてもらうぞ。フフフ…。 
 

 
後書き
オマケ 第2話「吉良の亀①」

今日は、私の亀、亀一郎について語ろう。
私との出会いはそう・・・7,8年前のことだろうか・・・。あれは夏の・・・終わりだった。

ドンッドドンッドドドドドンッ・・・。

今日はとても騒がしい。家の外から漏れてくるその大太鼓を叩く音は私の読書を妨害する。
今日は祭りだ、私の近所の公園にて毎年開かれる大イベントだ。しかし私は毎年開かれるこのイベントが憎い・・・。いつもいつも私の平穏な時間を妨害しやがって・・・。近所迷惑だ。さっさと終わってしまえ。とさえ思う。特に今日という日、今年の祭りはかなり壮大のようだ。

「・・・。今日はやめておくか・・・目障りすぎる。」

私は気分転換に外を徘徊する。なんのために?そんなことは決まっている。祭りを台無しにしてやるのだ。私の読書時間を奪ったことを後悔するがいい・・・。今年という今日は許さないぞ。
毎年毎年私の妨害をしている愚民どもに知らしめてやる。

「…親父、ちょっと祭り行ってくる。」

「ぁ、おう。行ってこい。にしても珍しいなお前が祭りに自分から出向くなんてな。普段は目障りだとかどうのこうの吐き捨てる割にはな。」

「うるさいな、そんなの僕の勝手だろ。」

はぁ…勘違いされているようだな。これも全部祭りのせいだ。必ず台無しにしてやる。
屋台を破壊し、太鼓を蹴り倒し、民間人共を痛めつけてやる。

「待っていろよ・・・祭り…。」

私はすかさず、外に出て、祭りの行われている公園へと走り出した。一刻も早く実行してやるつもりだ。何もかもめちゃくちゃにして、もう二度と祭りなど開かせてたまるものか。

こうして私は祭りへと向かった。私としても過去の自分が痛々しく思える。わざわざ自分から出向き祭りを台無しにするなんてな。むちゃくちゃすぎる。そもそもこの頃、私はまだ9歳か10歳の子供だ。子供に何ができるんだろうか。今となってはかなり痛々しい出来事だが、今となってはいい思い出とも言えるのかもしれないな。


to be continued… 
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