仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十五話 忍のライダーその九
「うおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!」
叫び声と共に蹴りを放った、その蹴りでだった。
二人の攻撃を受けていたスサノオをさらに撃った、それでだった。
耐久力も尋常でない筈のスサノオを倒した、致命傷なのは明らかだった。
三人はスサノオの前に戻った、そのうえで彼に言った。
「これで間違いなく」
「やったな」
「うん、絶対にね」
アギトは二人に応えた。
「今の攻撃で」
「そう、この世界でもだ」
スサノオ自身も言ってきた。
「君達の勝利だ」
「とはいっても勝った気はしないな」
焔は鋭い目でまだ立っているスサノオに返した、スサノオは足元は揺らいでいるがそれでも立っている。
その彼にだ、焔は言ったのである。
「あんたは見たいものは全部見たな」
「この世界でもな」
「つまりあたし達はあんたの手の平で踊っていたってことだ」
津上達と話してわかっていたがだ、焔はスサノオ自身にも言ったのだ。
「勝負には勝ったがな」
「面白くないか」
「ああ、全くな」
スサノオを見据えながらの言葉だ。
「してやられた」
「そうよね、確かに勝ったけれど」
飛鳥もスサノオを強い目で見ている、そのうえでの言葉だった。
「あまり嬉しくはないっていうか」
「釈然としないね、皆これまで感じてきたことだろうな」
「そうだよ、このスサノオの戦いはね」
アギトも二人に話す、ここでもこのことを。
「戦いに勝つこととね」
「あいつにあいつの見たいものを見せること」
「そうしたものでしたね」
「それが今わかったよね、君達も」
実感として、そうだろうというのだ。
「そうだね」
「ああ、どうもはっきりとしないのが嫌だね」
焔は性格的にだ、このことをどうにも受けられないでいた。
それでだ、こう言ったのだった。
「負けたとは思わないけれどね」
「お陰でまたいいものを見せてもらった」
スサノオも言って来る。
「私は満足している」
「そして次の世界でもですね」
「如何にも」
その通りだとだ、スサノオは再び飛鳥に答えた。
「では次の世界で会おう」
「この世界では釈然としなかったがな」
「次の世界でも私達は負けないから」
決してだ、二人はスサノオを見据えて言葉を出していた。
そのうえでスサノオが姿を消すのを見ていた、彼は戦士達に別れの言葉を告げてそのうえでアンノウンのそのままの消え方でこの世界を後にした。
そのスサノオが消えるのを見届けてからだ、アギトも津上に戻った。二人もシノビチェンジの時のそれぞれの制服姿に戻っていた。
その二人にだ、津上は穏やかな笑顔でこう言った。
「お疲れさん、二人共有り難うね」
「いえ、勝てたのは津上さんのお陰ですから」
「お礼を言われるのはな」
二人は津上の今の言葉に気恥かしそうに顔を俯けさせて返した。
「そう言われる様なことは」
「していない」
「いや、俺だけじゃ勝てなかったよ」
津上は謙遜する二人にここでも穏やかな顔であった。その笑顔で二人に言うのだった。
「だからね」
「それを言ったら私の方が」
「あたしもだ」
二人もその津上にこう返した。
「津上さんのお陰ですから」
「礼を言わないとな」
「じゃあ一緒かな」
二人の言葉を聞いてだ、津上は今度はこう返した。
ページ上へ戻る